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注目の若手経営者・PLEINの中尾氏が、コロナ後を見据えた2つの新機軸を打ち出した!ネオ食堂「BIRTH DINING by plein」が麻布十番にオープン

4月6日、麻布十番にグランドオープンする「BIRTH DINING by plein(バースダイニングbyプラン)」。表参道と麻布十番で「Bistro plein 」を、代々木上原で「michiru」を展開するPLEIN(プラン、東京都港区)が手掛けるネオ食堂だ。 代表の中尾太一氏は、29歳の注目経営者。「週休2日の繁盛ビストロ」などで飲食業界に新風を吹き込んできたが、今回は「ビルとテナントの関係の再構築」、「若手シェフの開業0.5歩目の機会創出」というコロナ後を見据えた2つの新機軸を打ち出している。

麻布十番駅から徒歩3分の場所にあるマンションの1階に立地。入居者が出入りする通路の横に、靴を脱いで上がる客席フロアがある。入居者以外も利用できる
コの字型のカウンター席が12席。他にソファー席が2席ある。フラットなオープンキッチンが印象的な空間だ
ランチの「あいがけカレー」(1200円)。3種のスパイスカレーから好きなものをチョイスできる

夜のイタリアンバルでは魚料理や肉料理の他、「本日のパスタ」(1400円)も提供。おまかせのコースも3500円で用意
PLEIN代表の中尾太一氏(写真左)と「BIRTH DINING by plein」の経営者・竹内誉弥氏。二人は調理専門学校時代の同級生で、共に29歳

(取材=亀高 斉)


飲食もECも成功させ、プロデュース業でも頭角を現す

PLEIN代表の中尾太一氏は、星野リゾートや「Soup Stock Tokyo」のスマイルズを経て、2017年9月、表参道に「Bistro plein OMOTESANDO(ビストロ プラン オモテサンドウ)」を開業し独立。以前から「飲食業を憧れの仕事にする」ことを目標としていた中尾氏は、店の定休日を週2日(月曜・火曜)にしてスタッフの週休2日を実現しながら、同店を繁盛ビストロに成長させた。2020年に2月には、麻布十番に2号店の「Bistro plein AZABU」も出店。2020年初頭からスタートしたECでも「農園直送野菜の幸せのキッシュ」を大ヒットさせ、2020年7月には代々木上原にカフェ&ショップの「michiru by plein(ミチルbyプラン)」もオープン。同店はカフェに併設したショップで、シャルキュトリーやパスタソースなどECでも好評な冷凍商品を販売し、売上構成がカフェ6割・ショップ4割の新たな経営スタイルを築いている。

さらに、PLEINは他社の人材開発や運営改善、業態開発や商品開発をサポートするアライアンス事業にも2018年4月から着手。本業が飲食以外の会社とも提携し、それぞれの強みをシェアした業態開発を行うなど、プロデュース業でも頭角を現している。今回、麻布十番にオープンする「BIRTH DINING by plein」は、そうした同社のプロデュース力を生かした新店の一つで、コロナ後を見据えた2つの新機軸を打ち出している点も大いに注目される。

「共同事業」でビルとテナントの新たな関係を構築

その一つが「ビルとテナントの関係の再構築」。このコロナ禍では、ビルの大家や不動産会社との家賃交渉が上手くいかず、閉店せざるを得なくなった飲食店も少なくない。そうした状況を目の当たりにする中で、中尾氏は以下のような考えに至った。「僕らも、店舗によっては家賃交渉に応じてもらえないケースがありました。でも、だからといってビル側だけが悪いとは言いない。ビル側もそれで商売をしているわけですから。問題なのは元々の関係性です。どうしても貸す側が上で、借りる側のテナントが下という関係になりがちですが、これからはもっと互いが手を取り合って、リソースをシェアしながら事業を成功させるような関係を再構築していくことが必要なのではないでしょうか。仮にコロナが収束しても、今後また何かしらのリスクに直面するかもしれません。将来のリスクヘッジのためにも、ビルとテナントの関係の再構築が必要だと思います」

「BIRTH DINING by plein」がオープンするのは、麻布十番駅から徒歩3分、富裕層が多いエリアにある「BIRTH RESIDENCE(バース・レジデンス/8階建て)」の1階。2020年7月にグランドオープンした同ビルは、住居空間とビジネス環境を兼ね備えた複合型レジデンスで、1階は当初、レンタルキッチンとしても使用するスペースだった。このレンタルキッチンの造作や調理機器を使用してオープンするのが「BIRTH DINING by plein」で、同店はビルオーナーの髙木ビル(東京都港区)とPLEINの「共同事業」。「ビル側はテナントの成功のためにコミットする。テナント側はビルの価値を高めるためにコミットする」(中尾氏)という関係性だ。

不動産に新たな価値を創出し起業家の挑戦に伴走するプロジェクト「BIRTH」や「出世ビルプロジェクト」を展開する髙木ビル代表の髙木秀邦氏は、以前から顧客の一人として「Bistro plein」を贔屓にしていた。その縁をきっかけに出会った髙木氏と中尾氏が、「共に事業を成功させる」ためにタッグを組んだのである。「BIRTH DINING by plein」の今後のプレスリリースなども、髙木ビルとPLEINの連名で発表するという。そして、共同事業であることから、家賃もビルオーナーが一方的に提示する「固定」ではなく、売上に応じて変動する「歩率」に。しかも、家賃の最低保証はない。この家賃契約からも、まさに「ビルとテナントの新しい関係」を構築した共同事業であることが分かる。

開業リスクを大幅に軽減し、若手シェフの独立をサポート

「BIRTH DINING by plein」で、中尾氏が打ち出したもう一つの新機軸は「若手シェフの開業0.5歩目の機会創出」。コロナ禍では有名シェフの店であっても閉店に追い込まれており、今後は有望な若手シェフが独立開業に二の足を踏むことが予想される。しかし、それでは飲食業界の未来が先細りしてしまう。そうした中、開業リスクを大幅に軽減し、若手シェフの独立をサポートする「開業0.5歩目の機会創出」を具現化したのが「BIRTH DINING by plein」だ。

シェフを務めるのは中尾氏の調理専門学校時代の同級生でもあるイタリアンシェフの竹内誉弥氏。PLEINと竹内氏がフランチャイズフィーのような契約を結び、その分、開業リスクは大幅に軽減された形になっている。まず運営に必要な初期投資はPLEINが出資。上述した髙木ビルのサポートもあるので竹内氏はイニシャルコスト無しでの開業だ。さらに、無名の開業時は集客に苦戦するのが常だが、同店は「Bistro plein」の知名度を生かせる。実際、2月からのプレオープン期間も一定の集客を図ることができた。このように開業リスクが小さい「開業0.5歩目」の店で、竹内氏は自身の力試しができるのである(契約は2年。契約更新も可)。同時にPLEINにとっても、この「開業0.5歩目」の店で系列店を増やすことで、新たに社員を雇用しなくてもPLEINブランドを広げることができる。それが自社のプロデュース業の拡大につながるのも経営的なメリットだ。

PLEINのプロデュースとシェフがやりたいことを融合

「BIRTH DINING by plein」の業態コンセプトは「ネオ食堂」。元々、スタイリッシュで温かみもあるスペースだった内装をそのまま生かした空間は、家のダイニングルームのような親近感があり、なおかつファサードが全面ガラス張りで開放的だ。ネオ食堂というコンセプトにマッチした空間で、靴を脱いで客席フロアに上がるスタイルもくつろぎ感がある。この空間でランチはカレーを提供し、夜はイタリアンバルとして営業。カレーは、レジデンスの入居者に配達手数料無しでのデリバリーも行う。

そして、同店は「PLEINのプロデュース」と「竹内氏自身がやりたいこと」を効果的に融合している。ランチで提供する「農家のスパイスカレー」(1000円)や「ビストロのキーマカレー」(1000円)は、「michiru by plein」で提供して人気を集めているカレーだ。PLEINが食品メーカーに製造委託して作っているものなので、このカレーを提供することでランチの調理負担を大きく削減することができる。その上で夜はワインバルとして、「竹内氏自身がやりたいこと」を思いっ切り表現できるようにしている。

夜のワインバルのメニューでは、横須賀の神経締めのプロとしても知られる漁師の魚、神戸のハンターの鹿肉など、竹内氏が産地を訪れて交流を築いた生産者の食材も使用。ワインはイタリア・フランスのものが中心で、その8~9割は自然派ワインを品揃えする。「クラシカルなイタリアンではなく、和の素材なども積極的に取り入れていきたい。敷居の高い店ではなく、月に2度、3度と利用してもらえる店を目指します」と抱負を語る竹内氏は、より日常的に利用してもらえるように「ワインのボトルキープ(期限は1週間程度)」も実施予定だ。

また、PLEINは、直営4店舗目として恵比寿にアフタヌーンティー専門店の「Atelier plein EBISU(アトリエ プラン エビス)」も出店(3月26日グランドオープン)。7月には渋谷のデパ地下にキッシュ専門店を出店することも決まっており、「michiru by plein」のカレーも大阪や京都、広島などのプロデュース店、提携店などで導入が広がっているという。「食を通じて幸せを創る」という本質を大切にしながら、意欲的に多角化経営を進めている中尾氏率いるPLEINは、今後もさらに飲食業界に新風を吹き込んでくれそうだ。

店舗データ

店名 BIRTH DINING by plein(バースダイニングbyプラン)
住所 東京都港区三田1-2-20 BIRTH RESIDENCE 1F

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アクセス 麻布十番駅から徒歩3分
電話 03-5427-1750
営業時間 11:00~15:00(L.O.14:30) 17:00~23:00(L.O22:00)
定休日 日曜・月曜
坪数客数 20坪・14席
客単価 昼1500~1600円 夜4000~5000円
オープン日 2021年4月6日
関連リンク BIRTH DINING by plein(HP)
関連リンク PLEIN(HP)
関連リンク michiru by plein UEHARA(記事)
関連ページ Bistro plein AZABU(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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