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「belts」「煮込みとお惣菜スタンド 籃らん」に続くパダワンの新店舗「OVERLAP」が富ヶ谷に開業。サラダ&コーヒー&アパレルを複合したコロナ型業態!

12月1日、渋谷区富ヶ谷にサラダ専門店・アパレル・コーヒースタンドの複合型ショップ「OVERLAP(オーバーラップ)」がオープンした。運営は三田のイタリアンダイナー「belts」、白金高輪のネオ立ち飲み「煮込みとお惣菜スタンド 籃らん」のパダワン(東京都港区、代表:國領浩樹氏)。コロナ禍を機に始めたサラダボウルのゴーストレストラン業態「ケールの王様」の実店舗として展開させ、同じ店舗内にアパレルとコーヒーを専門にする仲間を誘致している。サラダボウルはテイクアウト&デリバリー中心で販売し、完全キャッシュレスの”コロナ型店舗”を謳う。

山手通り沿い、東大裏の交差点近くの立地。ガラス張りで店内の様子がよく見える。カウンターの2席でもイートインは可能だが、利用者は1割ほどだという
内装はアンドサプライが担当。既存の壁や床の構造を活かしたデザインで、店奥には可動式の試着室を設置。キッチンには特注のショーケースが収まるカウンターを配している
7種類のメニューはどれも320~400gとボリューミー。ケールは約50g入っているが、青汁によくある苦みやえぐみは感じない。サラダのパッケージにはテーマに合わせた専用ステッカーを作成。各メニューへのイメージも伝えている

「belts」でも人気の「レモネード」(右)は国領氏が考案した。原液の「レモネードシロップ」(1200円)も販売、自宅でもソーダやウイスキーと割って楽しめる
パダワン代表・國領浩樹氏(左)とスタッフのお2人。「OVERLAP CLOTHING」オーナー・稲葉真理恵氏(最右)はInstagramフォロワー数4.2万人以上のインフルエンサーでもある

(取材=田窪 綾)


同一店舗に異なるジャンルで区画を分けた営業スタイル、ターゲットを絞りお客をシェア

渋谷、代々木公園、駒場東大前など複数駅が利用できる富ヶ谷エリアは、新たなライフスタイルを提案するような個性的なショップが立ち並ぶ。この地で12月1日にオープンしたのが、アパレル「OVERLAP CLOTHING」、コーヒー「Club House Coffee」、サラダ専門店ショップ「OVERLAP SALAD」という3ジャンルのショップが同一店舗で営業する「OVERLAP」だ。

古着を軸にオリジナルブランドも展開する「OVERLAP CLOTHING」は、スタイリスト・水野遼平氏と、大手セレクトショップのプレスとしてキャリアを積んだ稲葉真理恵氏夫妻が運営。「Club House Coffee」は、現役ラグビー選手でもあるバリスタの山田章仁氏・林泰基氏がオーナーを務める。農家直送の減農薬ケールを使ったサラダ専門店「OVERLAP SALAD」は、パダワンのゴーストレストラン「ケールの王様」の実店舗。代表の國領浩樹氏が他ジャンルで活躍する友人の彼らに声をかけ、業務委託の形で9坪の物件をシェアしている。

ターゲットは、近隣に多くいると思われる、健康や美容意識が高い30~50代の女性。アパレルやコーヒーショップを併設することで、区画だけでなくそれぞれの客層をもシェアできるという。國領氏は「サラダと一緒にコーヒーを買ったり、コーヒーを飲みながら洋服を選んだり。各オーナーがSNSなどで発信すれば宣伝効果も3倍になります。店名の『OVERLAP』は、そうした重なりへの意味を込めました」と語る。

コロナ禍における健康志向が追い風に。既存店とデリバリーの商圏を分け物件を探す

「belts」、「煮込みとお惣菜スタンド 籃らん」に続く出店となるパダワン。出店経緯は2020年4月に立ち上げた「ケールの王様」の好調ぶりにある。「新型コロナの感染拡大を受け、『belts』内でケールサラダに特化したゴーストレストランを始めました。ケールはカルシウムやビタミンなどが豊富に含まれる栄養価の高い食材。以前から『belts』『籃らん』でもメニューに積極的に活用しており、青汁だけではないケールのおいしさをさらに広めていきたいと考えていたんです」と國領氏。サラダボウルを7種類考案し、フードデリバリーで販売を始めたところ1日30食以上を売り上げる好調ぶり。1人で10~20回のリピート注文も多く、中には50回を超えるお客もいるほど。コロナ禍での健康志向も追い風になり、確かな手応えを感じた國領氏。6月には実店舗オープンを視野に入れ始めたという。

テイクアウト・デリバリーに特化するため、港区にある既存2店舗との商圏がかぶらないエリアで物件探しをスタート。中目黒や青山も候補に挙がったが、最終的にはデリバリー需要の高い渋谷・新宿も配達圏内に入る富ヶ谷の物件を契約した。各駅からは徒歩10~15分ほどの距離だが複数路線が利用可能、店の前は国道でデリバリーにも出やすい好立地だ。

すべてのサラダに農家直送・減農薬ケールを使用

「OVERLAP SALAD」ではすべてのメニューにケールを使用。ケール、ロメインレタス、赤キャベツをベースに、チキンや卵など8~10種の食材を種類ごとに組み合わせたチョップドサラダだ。出店にあたり、ケールは長野県の岡忠農園ほか茨城県のフレベジ農園とも新たに契約。どちらも農薬を極力減らした栽培法で「減農薬でも十分な安全性があり、無農薬よりも確実に収獲できてロスが少ない。農家が持続できるビジネスモデルを考えて減農薬のケールを選んでいます」と國領氏は言う。

7種類のメニューはどれも個性豊か。売れ筋は店名を冠した「ケールの王様」(1480円)。ワインやビールが好きな國領氏考案のサラダで、フレッシュアップルやブルーチーズ、グラノーラをアクセントにしている。ランチだけでなくお酒のつまみとしてもおすすめだ。その他、ジャークチキンやボイルドエッグ入りの「クイーンシーザー」(1280円)、パクチーやチキンブレスト、ピーナツ入りの「バンコクジャック」(1280円)も人気。チキンブレストやブロッコリー、アボカドなどを加えた「プロテインエース」(1380円)、大豆ミートを入れた「ロイヤルヴィーガンフラッシュ」(1880円)など、ニーズに合わせたメニューも揃える。使用する食材のうち、肉類は「belts」で仕込みしたものを運び、野菜類は店内のキッチンでカットしているという。ドレッシングはケールを使った「ケールジェノベーゼ」や、爽やかな酸味の「ラズベリーシーザー」などをメニューごとにセット。好きなドレッシングをカスタムすることもできる。

ドリンクは、クローブやローズマリー、はちみつ、三温糖でつくる「レモネード」(500円)を中心に、缶やボトルで国内外のクラフトビール、ノンアルコールなどを用意。「Club House Coffee」では豆の焙煎を「ALL SEASONS COFFEE」に依頼している。コーヒー(ホット・アイス各350円)、ラテ(ホット・アイス各500円)、エスプレッソ(1ショット350円)の3種を展開、店内で一杯ずつ引き立てを提供している。専門店化でメニューを絞るだけでなく完全キャッシュレス対応のため、アルバイトスタッフのみでもオペレーションの効率化が図れている。

環境に配慮したエコ・パッケージで、来店もサスティナブルに促す

開業から2ヶ月が経過した「OVERLAP」。複数のデリバリーサイトに登録していることもあり、サラダは1日平均40食、多い時では60食を売り上げる。開業半年後に達成目標にしていた食数をすでに上回る好調な滑り出しだ。現在、テイクアウトとデリバリーとの比率は5:5。「デリバリーサイトに払う手数料を考慮すると、テイクアウト7割にまでもっていくのが理想です」と國領氏。

また同店は、環境に配慮したサスティナブルな取り組みにも力を入れている。サラダのプラスチック製パッケージは100円の追加料金でバンブー製のエコ容器に変更可能。人気の「レモネードシロップ」は瓶での提供で、飲み終わった後に店に返却すると50円引きになる。「このあたりの方々は健康や美容への感度が高いだけでなく、エシカル消費にも強い関心があります。『できるだけプラスチックゴミを出したくない』とエコ容器を選ぶ方も多いですね」と國領氏。続けて「シロップの瓶売りは正直コストがかかりますが、お客様は実際に返却してくださる。また、持ち帰って保存していただくことで、冷蔵庫を開けるたびに『OVERLAP』を思い出してもらえます。ショップカードの役割も果たしてくれています」。

今後は「ケールの王様」を大きくフランチャイズ展開していきたいと話す國領氏。パダワンがこれまで培ってきたノウハウを武器に、体に良くおいしいケールをサスティナブルに広めていく考えだ。

店舗データ

店名 OVERLAP (オーバーラップ)
住所 東京都渋谷区富ヶ谷2-20-1-1F

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アクセス 代々木公園駅から徒歩約11分、駒場東大前駅から徒歩約15分ほか
電話 03-6407-0909
営業時間 月〜土11:00~20:00(デリバリーLO19:30)、日11:00~19:00(デリバリーLO18:30)
定休日 無休
坪数客数 9坪 2席
客単価 1500円
運営会社 株式会社パダワン
オープン日 2020年12月1日
関連リンク OVERLAP(HP)
関連リンク OVERLAP(Instagram)
関連ページ 煮込みとお惣菜スタンド 籃らん(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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