大型案件の立ち消えから、急ピッチで出店へ
高橋拓也氏と小松健太氏はグローバルダイニング(東京都港区、代表取締役社長:長谷川耕三氏)出身で、高橋氏は15年ほど、小松氏は7年ほど勤務していた。それぞれ「café LA BOHEME(カフェ ラ ボエム)」の複数店舗で料理長を勤めたのち、エリアマネージャーやメニュー開発といった店舗運営以外の業務も経験しているなどの共通点があり、交流も多かったという。
そんなふたりに、外部企業から大型の案件が舞い込んでくる。2019年の話だ。この案件を全うするため、ふたりは独立を決意。グローバルダイニングを退社して準備を進めるも、新型コロナウイルスの影響があり、今年の4月には計画自体が立ち消えになった。
「世の中も自粛ムードになっていて、飲食店への逆風も強い時期でした」と、小松氏。しかし、奇しくもコロナ禍によって出てくる物件の条件が良くなっていたことを見逃さず、「ピンチはチャンス」と気持ちを切り替え、ふたりは飲食店の開業を決意。当初の案件を進める中ですでに養豚農家との繋がりがあったことから、焼き豚酒場やホルモン焼きなども候補に入れていたが、互いに経験が長く、高いパフォーマンスを期待できるイタリアンに決めた。また、物件選びでは「駅から近い」「路面店」を条件として、数軒の候補を内見。「とにかく早くオープンしたい」と、いう思いから、比較的大きな改装が必要なさそうな現在の物件に的を絞り、わずか2ヶ月ほどの短い準備期間で、「Pasta Dining Evoluto」の開業に漕ぎ着けた。
独自製法の自家製パスタとイタリア産クラフトビールを看板に据える
フードはレギュラーと日替わり合わせて30種以上。看板は「カラスミのぺペロンチーノ」(1380円)や「生ベーコンと芋のジェノベーゼ」(1480円)、「国産ニンニクのペペロンチーノ」(880円)といった、自家製麺のパスタだ。北海道産の小麦とイタリア産のセモリナ粉を独自に配合。低加水で真空圧縮し、もちもちの食感を出している。また、お客が好みで組み合わせを選ぶことができる「前菜盛り合わせ」(3種780円、5種980円、8種1480円、10種1780円)、「自家製パンチェッタのグリル」(680円)、「産直野菜のグリル」(680円)といったアンティパスト。メインには「安曇野げんき豚のポルケッタ」(1380円)、「清流若鶏もも肉のロースト」(1380円)、「黒毛和牛イチボのタリアータ」(2960円)といった品が並ぶ。
ドリンクは、日本ではほとんど出回っておらず希少性が高いというイタリア産クラフトビール「ヴィア ディ ビッライ」(3200円)、通称「32ビール」シリーズが看板だ。ホワイトビールやストロングペールエール、レッドエールなど、6種の異なる味わいが揃っている。また、ワイン(グラス赤・白350円、デキャンタ赤・白1350円、ボトル2500円~)もイタリア産で統一。「レモンチェロ」(480円)や「オレンジチェロ」のほか、「ハイボール」(350円~)、「ハイ・サワー」(350円~)なども品書きに並ぶ。
2店舗目の出店も計画中。スピード感ある経営で事業拡大を目指す
高橋氏と小松氏は、今後の展望として2020年内にもう1店舗出店することを考えているという。「昔の部下の中にも、コロナ禍によって仕事をする場が無くなったという人もいます。そういった人の受け口になりたいし、そのためには会社を大きくしていかなければいけません」と、語る。飲食業界にとって苦しい情勢が続くが、攻めの姿勢を忘れない経営スタイルが、いつかまた業界を盛り上げるに違いない。
店舗データ
店名 | Pasta Dining Evoluto(エヴォルート) |
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住所 | 東京都文京区大塚4-51-3第21宮庭マンション101 |
アクセス | 東京メトロ丸ノ内線新大塚駅から徒歩1分 |
電話 | 03-6902-1281 |
営業時間 | ランチ11:30〜15:00(14:00LO)、ディナー17:00〜23:00(22:00LO) |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 15坪 28席 |
客単価 | ランチ1000円 、ディナー4000~5000円 |
運営会社 | 株式会社Evoluto |
オープン日 | 2020年6月1日 |
関連リンク | パスタダイニング エヴォルート(Instagram) |