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「BAR1919STAND三軒茶屋」がオープン!カラオケバー2店舗を大人気店に育てた若手経営者が、今回は「カラオケのないコミュニティバー」に挑戦

8月7日、三軒茶屋の三角地帯に「BAR1919STAND三軒茶屋」がオープンした。同エリアにあるカラオケバーの「BAR1515」と「KARAOKE&BAR1919」を、連日ファンが集う大人気店に育てた若手経営者・黒瀧和之氏の3店舗目だ。「BAR1919STAND三軒茶屋」は、「カラオケのないお店も作って欲しい」というファンの声に応える形で出店。「四角いカウンター」をメインにし、自然に人と人とがつながるコミュニティの楽しさを魅力にしている。

三軒茶屋の三角地帯にあるビルの3階に立地。元はスナックだった物件を改装してオープンした
店内のメインは「四角いカウンター」。広過ぎず、小さ過ぎず、自然に人と人とのつながりができる。そんな立ち飲みカウンターだ

「金宮ちびボトル」(300ml)にソーダと氷がセットになった「キンミヤ焼酎セット」を用意。プラス料金で「梅干し」や「搾りたてピンクグレープフルーツ」なども追加できる。
フードメニューの一押しは「塩で喰うホットドッグ」。大葉の香りを生かした「塩味」の自家製ソーセージの美味しさが魅力
オーナーの黒瀧和之氏(左)と「BAR1919STAND三軒茶屋」の店舗責任者・三浦 慎氏(右)。二人は出身地・青森の高校の同級生で、以前は別の飲食店に勤めていた三浦氏が、黒瀧氏の経営方針に共感して昨年末に入社。同店のメニューなどは、二人でアイデアを出しながら完成させた

(取材=亀高 斉)


経営参加したカラオケバーが大成功。すぐさま2号店も!

自身の3店舗目となる「BAR1919STAND三軒茶屋」を出店した黒瀧和之氏は、現在33歳。青森出身で、大学進学時に上京した。大学卒業後、総合エンターテイメント企業のバグースに入社して3年間働いた後、「渋谷肉横丁」の店舗などで店長も経験。様々な飲食店に勤めて29歳で独立した。独立した当初は、飲食以外の事業も模索したが、運命の巡りあわせで飲食の世界にすぐ舞い戻ることになる。2017年8月、30歳の時に、縁あってカラオケバーの共同経営者になった。それが三軒茶屋の三角地帯エリアにある「BAR1515(イコイコ)」で、黒瀧氏にとっての1店舗目だ。

独立する際は、カラオケバーを手掛けるとは考えもしなかったという黒瀧氏だが、「BAR1515」では経営者としての能力をいかんなく発揮。黒瀧氏が経営に参加したことで同店の業績は急激に上向いた。「元々リーダーシップを取ることが得意で、自分でどんどんアイデアを出して人を楽しませることが好き」という持ち前の行動力、さらにはバグースのアッパー業態に勤務した時に学んだサービスの基礎なども生かし、より魅力的なカラオケバーへとブラッシュアップしたのだ。共同経営者になって半年後には単独経営で2店舗目の「KARAOKE&BAR1919」を同エリアに出店。「BAR1515」は5.5坪しかないが、「KARAOKE&BAR1919」は約3倍の17坪と規模も大きくし、2店舗とも連日多くのファンが集う大人気店に育てた。

人と人とのつながりが生まれる「四角いカウンター」

カラオケバーの魅力について黒瀧氏は、「一体感が魅力。モノ売りではなく、空間や思い出といったコト売りがカラオケバーです。また、カラオケバーの特徴を端的に表現すると〈承認欲求〉。そもそもみんなの前で歌って拍手してもらうことが承認欲求で、スタッフに顔を覚えてもらう、前回一緒に歌った人とまた出会うといったこともそうです」と話す。そして、「お店に行けば誰かに会えるという承認欲求の来店動機は同じで、カラオケがない店も作りたいと前から考えていました」という構想を具体化したのが3店舗目の「BAR1919STAND三軒茶屋」。「カラオケのないお店も作って欲しい」というファンの声にも応えて出店した「カラオケのないコミュニティバー」だ。

そんな同店の大きな特徴が「四角いカウンター」。椅子もあるが、基本は立ち飲みで、一度に20人くらいが利用できる。「広過ぎず、小さ過ぎず、コミュニティを作るのにちょうどよい空間」になるように設計した。例えば、四角の対面に位置するお客同士も、ちょっとした会話が交わせるくらいの距離感。どの位置にいても周りの人とコミュニケーションが取りやすい。「決してナンパ場ではなく、さりげなくつながるようになっている」という絶妙な線を狙った立ち飲みカウンターだ。カウンターには木を使用し、落ち着きのある雰囲気も演出。一方で、まばゆい光を放つミラーボールを設置している。ミラーボールは、「静かに飲む店ではなく、ワイワイ楽しむ店であることを伝えるシンボル」だ。店舗は三角地帯の古いビルの3階にあり、元々はスナックだった物件で広さは18坪。四角いカウンターの他に、スナックの造作をそのまま生かしたカウンター席や、ゆっくりくつろげるソファ席もあり、店内のエリアごとに店の表情が異なるのも同店の個性だ。

明朗会計&エンタメ!「色分けのマドラー会計」システム

メニューは、フードは10品弱だけでドリンクが主体。バーと言ってもシェイカーで作るカクテルは無く、「コト売りのコミュニティバー」としてワイワイ楽しめるサワー類を売りにしている。例えば、メニューブックでもアピールしているのが「キンミヤ焼酎セット」(金宮ちびボトル+ソーダ+氷/2000円)。「金宮ちびボトル」(300ml)なので少人数客でも気軽に注文しやすく、プラス料金で「梅干し」(750円)や「搾りたてピンクグレープフルーツ」(750円)なども追加できる。この「梅干し」は、ただの梅干しではなく、種を取った南高梅を攪拌しペースト状にしたもので、「丸ごとの梅干しだとマドラーで何度も突いて潰しているうちに炭酸が抜けてしまうので、攪拌した梅干しにして1回混ぜるだけで美味しく飲めるようにした」というアイデアが秀逸だ。それを「飲みやす過ぎる梅干しサワー」というネーミングで推しているのも面白い。

また、ドリンクの価格ごとにマドラーを色分けした会計システムもユニーク。黒=600円、黄色=750円、銀=900円で、飲んだドリンクのマドラーの色と本数で会計をする。これは、ある焼とん店のアイデアを取り入れたというシステムで、飲んだドリンクの金額が一目で分かる明朗会計。同時に、「BAR1919STAND三軒茶屋」では、男性客が帰り際、隣の女性客のマドラーを抜き取って一緒に会計する(奢る)といった粋なシーンを演出するツールにもなっており、知人を連れてきたお客が「この会計システム、面白いでしょ!」と「ドヤれる」エンタメツールにもなっている。

フードにも自慢の一品。自家製の「塩」ホットドッグ

フードメニューの品数は少ないが、その中にも「自慢の一品」がある。「塩で喰うホットドッグ」(900円)がそれ。豚の塊肉を自店で挽肉にして鶏軟骨も30%加え、大葉の香りを生かして「塩味」にした自家製ソーセージのホットドッグだ。塩味にしたのは、梅干しサワーを始めとしたサワーとの相性のよさを考えてのこと。確かに「塩×梅」のマリアージュは魅力的で、こうしたところにもセンスの良さが感じられる。

一般の飲食店の経営者からすれば、特殊な業態のカラオケバーから経営をスタートした黒瀧氏。しかし、だからこそ、その発想や視点にはとても新鮮味がある。「展望とか、大きな目標みたいなことは、あまり言わないようにしています。とにかくお客様に楽しんでもらい、お客様を幸せにする。スタッフにも楽しく働いてもらい、待遇面もより良くしていく。そのために1年1年、しっかりとやっていきたい」と話す黒瀧氏は、様々なタイプの飲食店がしのぎを削る三軒茶屋で、力強く独自の路線を切り開いている。

店舗データ

店名 BAR1919STAND三軒茶屋
住所 東京都世田谷区三軒茶屋2-14-12 三元ビル301

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アクセス 三軒茶屋駅から徒歩1分
電話 03-6805-4256
営業時間 20:00~翌5:00
定休日 無休
坪数客数 17坪・40席(立ち飲みカウンター含む)
客単価 3500円
運営会社 合同会社コムステイタス
オープン日 2020年8月7日
関連リンク BAR1919STAND三軒茶屋(Instagram)
関連リンク コムステイタス(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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