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SNSで話題!表はコーヒースタンド、謎を解いて裏へ通されるバー「JANAI COFFEE」が恵比寿に開業。広告やデザインの本業と掛け持ちする3人が共同経営で目指すのは『コロナ禍だからこそリアルにつながれる場』

8月13日、恵比寿に「JANAI COFFEE(ジャナイコーヒー)」と言う名のコーヒースタンドがオープンした…。というのは表向きの顔。実は、公式サイトに隠された秘密を解いた人しか入れない“シークレットバー”だ。広告やデザイン業で活躍する20代後半~30歳の若き3人組が共同経営で立ち上げた。コーヒーをベースにしたカクテルやラベルで選べるクラフトビールなど、普段バーに行かない人たちでも楽しめるような工夫を随所に凝らす。オープン直後、SNSで一躍話題に。

恵比寿駅から徒歩約2分、店は駒沢通りを1本入った路地にあるビルの地下だ
まず現れるのはコーヒースタンド。公式サイトにある秘密を解き、その画面をスマホで提示しないとバーには入れない。「入り方が分からずコーヒーだけ買う方、コーヒーを目的に来る方もいらっしゃいます」と吉田氏。バーの帰りにはテイクアウトコーヒーをサービスで渡す徹底ぶり
インテリアデザインは星野源などのMVも担当した岡本真由美氏、アートディレクションは西山恭氏が担当。やわらかな照明と座り心地の良いソファが並ぶ居心地の良い空間で、女性ひとり客も多いという
コーヒーベースのカクテルが名物。人気は「コーヒーレモンサワー」(左)、「オトナコーヒーギュウニュウ」(右)。メニューは吉田氏がたたき台を考え、スタッフみんなで意見を出し合って決めた
「お酒に詳しくない人でも臆せず注文して欲しい」と、かわいいラベルを中心に選んだ「ジャケ買いクラフトビール」。常時6~10種類から選べる。値段は一律1200円 に設定
左から大槻将之氏、吉田純貴氏、明円卓氏。以前から仲の良い友人で、代表の明円氏は「僕ひとりではできなかった。開業を決めた際、2人の顔がすぐに浮かんだ」という

友人3人での共同経営。三者の持ち味を活かして多角的な体制に

アメリカで禁酒法が施行された1920~30年代に“お酒を密かに楽しむ場”として広まった「スピークイージー」という文化。別業態の店を装い、秘密の暗号を知る人しか入れない隠れ家のようなバーが大流行した。その禁酒法時代を思わせるような、遊び心たっぷりのシークレットバー「JANAI COFFEE」が恵比寿に開業。代表でディレクターの明円卓氏を中心に、「猿田彦珈琲」などさまざまな業態・業種で経験を積んだバリスタの吉田純貴氏、広報や運営管理を担当する大槻将之氏の3人で共同経営している。

同店はもともと経営メンバーの友人が経営しており、コロナ禍などを機に譲り受けた形だ。「とはいえ、経営メンバーは全員、お店の初期段階からコンセプト作りやコーヒー豆作り、広報などの手伝いをしていました。『スピークイージー』も明円のアイデアで、リニューアルオープンの際、内装やメニューを一新することにしたんです」と店長をつとめる吉田氏は言う。

「表向きはコーヒースタンドだから、コーヒーのおいしさが一番の生命線。新たに開業を決めた明円はそう考え、バリスタとして働いてきた僕に声を掛けてくれました。バリスタ業務のほか、僕はデザイン会社も運営しているのですが、『JANAI COFFEE』に注力するため本業をセーブして取り組んでいます。PRのプロでもある大槻も「広報のスペシャリストとして手伝ってほしい」と依頼され、三者異なる観点から関わっていく体制になりました」。

誰でも楽しめる『FUN!DRINKING』をモットーに

大事にしているお店作りのポイントは「バーに慣れていない人でも気兼ねなく楽しめる空間」。そのため内装は、ゆっくり話ができるホテルのラウンジのような心地よさを重視した。注文しやすいようメニューブックも用意し、バー初心者が気後れしてしまう問題を解決する。スペシャリテは吉田氏配合のJANAIオリジナルブレンドをベースにしたコーヒーカクテル。甘く飲みやすい口当たりの「オトナコーヒーギュウニュウ」(1200円)や、コーヒー豆とレモン皮を漬けこんだお酒を炭酸で割る「コーヒーレモンサワー」(1000円)が売れ筋だ。クラフトビールやワインはラベルで選ぶ“ジャケ買い”。「銘柄や年数、産地がわからなくても、『これかわいい』と直感的に選んでもらえるようにしました」と吉田氏。

フードメニューはナッツやチーズなど軽いもののほか、隣店のシャンパンバー「コンフィアンス」と提携し、平日と土曜のみ18~22時まで料理を出前することが可能だ。「しっかり料理が楽しめるので、ダイニングバーとして一次会利用も可能です」。

イチオシは2種類の「JANAIフルコース」(3000円)。甘い味が好きな方向けの「Aコース」はジャナイエスプレッソなど3品のお酒に軽いおつまみ1品が付く。「Bコース」はコーヒーレモンサワーやジン茶割など3品におつまみのスッキリ系。お店のおまかせで楽しめるラインナップだ。

バズリの流行を一過性にせず、コミュニケーションが生まれるリアルな場を作りたい

オープン当初は『赤字にならなければいい』と考えていたものの、1日で3人しか来店しない日があるなど集客に苦戦。銀行に追加融資を申し出ようとしていた矢先に大きな転機を迎える。「オープンしてすぐの頃、ふらりと訪れたお客さんが『お店のこと、マンガにしてもいいですか?』と聞いてきました。簡単なイラストをブログに載せるのかな、と快諾したのですが、実はその方、活躍されている漫画家さんだったんです。後日、すごく丁寧に描写された体験マンガがSNSにアップされたらあっという間に拡散されて驚きました。お店の公式サイトは投稿日からおよそ1週間 で140万アクセス、予約は1500件を超え10月末までほぼ埋まっています」。

目下の課題はオペレーションだ。現在14人のスタッフでシフトを組んでいるが「予想を超える来客者数で、提供スピードやグラスの数が追い付いていない」と吉田氏は言う。出入口がひとつしかないため、コーヒーを買いに来た客、バーから出入りする客、喫煙のため外に出るバーの客などそれぞれの案内にも追われる。そのため来店客にはあらかじめお詫びの言葉を書いた紙を渡しており、閉店後はスタッフ全員で毎日改善のためのミーティングを重ねているという。

吉田氏は「私たちは『JANAI COFFEE』をリアルなコミュニケーションが生まれる場にしたいと考えています。コロナ禍でリモートワークが進み、人との触れ合いが失われている今、一風変わったコンセプトのお店を楽しんで欲しい。正直、お店がここまでバズるとは思わず対応に追われていますが、一過性にならないよう、長くお客様に愛されるお店にしていきたいです」と語る。

(取材=田窪 綾)

店舗データ

店名 JANAI COFFEE(ジャナイ コーヒー)
住所 東京都渋谷区恵比寿南2-3-13山燃ビルB1
アクセス 恵比寿駅から徒歩2分
電話 MAIL:info@janaicoffee.tokyo
営業時間 18:00~24:00(LO23:30)
定休日 年末年始(現在はWebフォームより予約制)
坪数客数 22.6坪・29席(内カウンター13席)
客単価 2000円
運営会社 株式会社JANAI
オープン日 2020年8月13日
関連リンク JANAI COFFEE(HP)
関連リンク JANAI COFFEE (Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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