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椎名町で坪売り30万円の立ち飲み店「おぐろのまぐろ」が、2号店「おぐろのまぐろ 池袋ロサ店」を開業。豊洲直送のマグロ尽くしのメニューを武器に、チェーン激戦区の界隈へ個人店の風を吹き込む

7月17日、池袋の総合アミューズメントビル「ロサ会館」の1階路面に「おぐろのまぐろ 池袋ロサ店」が開業した。同店は、2018年に椎名町でオープンした「おぐろのまぐろ 本店」の2号店。全てのフードメニューにマグロを用いたマグロ専門立ち飲み店だ。創業者はユウト(東京都豊島区)代表取締役の長田昌之氏で、昨年の4月にTUNA(東京都豊島区、代表取締役:志村光太郎氏)に経営を譲っている。今回は、地域の活性化をミッションに掲げる「ロサ会館」の運営会社・ロサラーンド(東京都豊島区)取締役・伊部知顕氏の働きかけに長田氏が呼応した形で出店が決定した。

JR池袋駅から徒歩1分、数多くのアミューズメント施設や飲食店が入居する「ロサ会館」の、池袋ロマンス通り側に立地している
コの字型のカウンターは、新宿御苑で江戸時代から続く「遠藤材木店」の木材で作成。お客がジョッキを上げ下げする動作までシミュレーションして高さを設定した
「本店」の看板だった「升盛り本マグロ」は「池袋ロサ店」にも。その日の仕入れたマグロの状態によって、盛られる部位が変わる
自家製の燻製ツナと特製ドレッシングをポテトサラダと合わせた「燻製ツナポテトサラダ」と、コスパの良さにこだわった「生絞りレモンサワー」
左から、ユウト代表取締役の長田昌之氏。「池袋ロサ店」店長兼総料理長の正木勇貴氏。ロサラーンド取締役の伊部知顕氏

(取材=高橋 健太)


地域の老舗惣菜店をリニューアルする形で1号店を開業。ハウスメーカーでの空間設計の知識を活かし、繁盛店に

長田氏は大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し、数多くの住宅の空間設計を手がけた経験をもとに、ユウトを設立して独立。主にシェアハウスやゲストハウスのリノベーションと運営を行う傍ら、地域プロデューサーとして、界隈の活性化に動いてきた。1号店となる「おぐろのまぐろ 本店」の開業もその一環。もとは築地で90年以上続く仲卸「小黒食品」が椎名町で経営する惣菜店だったが、2018年に閉店を発表。知らせを受けた長田氏は「地元で長らく愛された個人店が無くなるのはもったいない!」と、経営を引き継ぎ、立ち飲み店としてリニューアルオープンした。「住居や店舗の空間づくりが、私の最も得意とするところなんです」と語る長田氏。店舗の改装中は、店内でお客やスタッフがどのように動くかを徹底的にシミュレーション。卓の位置や高さなどまで細部にこだわり、オペレーションの準備を万全に整えた上で開業の日を迎えた。長田氏のシミュレーションがガッチリはまったことに加えて、「小黒食品」から高品質なマグロをリーズナブルに仕入れ、全てのフードメニューに用いた物珍しさも後押しし、坪月商30万円の繁盛店となる。

池袋「ロサ会館」とタッグを組み、界隈の活性化をミッションとして2号店オープンに向け始動する

「おぐろのまぐろ 本店」の快進撃が続く中、2019年に長田氏は同店の店長を勤めていた志村氏に独立支援を行い、経営権を譲渡。再び地域プロデューサーとして動く中で、1号店の開業時から親交があった、池袋のシンボルとして知られている、創業50年以上の総合アミューズメントビル「ロサ会館」を運営するロサラーンドの取締役・伊部氏から出店の相談を持ち掛けられた。聞けば伊部氏は、再開発を控えている「ロサ会館」に、チェーン店舗ではなく個人商店の出店を思案。「頑張っている店舗に、界隈を盛り上げてほしい」と、地域活性化の一手にすることを考えていると言う。再開発後に出店させる予定だったが、事前にロールモデルを作る意図で、先行する形で「おぐろのまぐろ」の出店を決意。伊部氏の志に共感した長田氏は、二つ返事で快諾し、2号店「おぐろのまぐろ 池袋ロサ店」の準備に着手。「完成した店舗で働き始めるよりも開業前から準備に携わっていた方が、スタッフの店に対する思い入れが強くなり、それが結果に繋がる」と考え、伊部氏や志村氏、2号店の店長正木勇貴氏とともに、空き店舗の内覧やカウンターに使うための木材選び、アルバイトの候補生を集めた事前のロープレなど、開業準備のスタートラインから全てのスタッフが一丸となって臨んだ。

豊洲の仲卸から毎朝仕入れるマグロを用いた「マグロ尽くし」のつまみと、立ち飲みならではのリーズナブルなドリンクで勝負

店舗の看板は、椎名町の本店と同じく「小黒食品」から毎日仕入れているマグロだ。「本店」で人気だった「升盛り本マグロ」(199円、ひとり一回のみ)をはじめ、「本日のマグロ刺し三点盛り」(499円)や「まぐろカマ煮付け」(399円)、「まぐろカマ燻製焼き」(399円)など、部位や脂の量など日によって異なるマグロの状態に合わせて調理法を変え、提供する。その他、今回の出店にあたり和食店出身の正木氏が開発した「燻製ツナポテトサラダ」(299円)や「まぐろニンニク土佐ぬた」(399円)、「自家製マグロ焼餃子」(399円)など、マグロを使用したつまみでメニューを構成。日々の品書きの変化で、お客の常連化を図る。

一方ドリンクは、奇をてらわずにスタンダードなもので勝負。中でも「生絞りレモンサワー」(380円)は、ホッピーのように追加焼酎(230円)を用意し、コスパの良さをアピールしている。その他、「生ビール」(480円)や「ハイボール」(380円)、「緑茶ハイ」(380円)、「トマトハイ」(380円)、「麦・芋焼酎」(380円)、「ワイン 赤・白」(480円)、「日本酒」(380円)など、30種近い酒を用意。幅広いお客の好みに合わせることが狙いだ。

人と人の繋がりを重視し、「三方良し」のスタイルで展開を目論む

長田氏のポリシーとして、店づくりは「人の繋がりを体現する場所」という思いがあると言う。「店舗やスタッフとお客様の出会いはもちろん、食材や外装、内装まで、店を作る全ての行程で関わった人の繋がりを大事にして、全員が幸せになれるような商売の広げ方をしていきたいですね」と語る。今後の店舗出店は「池袋ロサ店」が落ち着いてから計画する予定だが、その時には今まで培ってきたノウハウと、業者などの人的ネットワークを駆使して展開していく考えだ。

店舗データ

店名 おぐろのまぐろ 池袋ロサ店
住所 東京都豊島区西池袋1-37-12 ロサ会館1F

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アクセス JR池袋駅12番出口から徒歩1分
電話 03-5962-0109
営業時間 17:00~22:00
定休日 不定休
坪数客数 10.64坪 立ち飲み20名
客単価 2000円
運営会社 株式会社TUNA
オープン日 2020年7月17日
関連リンク おぐろのまぐろ(HP)
関連リンク おぐろのまぐろ 本店(Facebook)
関連ページ おぐろのまぐろ 本店(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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