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渋谷に「上等焼肉ひらく」がオープン。元リアルテイスト路次徹夫氏を中心に、新型コロナを機に集まったメンバーが逆境に負けず未来を“ひらく”第一歩を踏み出す!

6月20日、渋谷に「上等焼肉ひらく」がオープンした。運営はかなめプロジェクト(東京都渋谷区、代表:路次徹夫氏)、同店は「串亭」などを展開してきたリアルテイストの創業者であり、直近はエー・ピーカンパニーで活躍していた路次徹夫氏が中心となり、新型コロナで仕事が不安定となったメンバーが集まり立ち上げた店だ。

渋谷センター街の雑居ビル3階、繁華街の中にある隠れ家立地だ
焼肉店の居抜きを取得し、内装はほぼそのまま。黒を基調したシックで高級感ある設えだ。窓に面したカウンター席や、ゆったりと座れるテーブル席などを置く
店長の福嶋氏が選りすぐった肉を提供。ハイクオリティな焼肉を主にコースで楽しめる
店長の福嶋啓行氏。路次氏とは以前勤務していた焼肉店で常連と店長という間柄であり、さらにバンド仲間同士でもあったという

(取材=大関 まなみ)


リアルテイスト路次氏が傘下のエー・ピーカンパニーを退任し、次のステップに

渋谷といえば都内で有数の繁華街だが、新型コロナの影響で街からは人が消え、一時はゴーストタウンと化していた。緊急事態宣言が解除され少しずつ人出が戻りつつある6月下旬、渋谷センター街の雑居ビルの3階にひっそりと誕生したのが「上等焼肉ひらく」だ。単価7000円程度、上質な肉が楽しめる隠れ家的焼肉店。リアルテイスト創業者の路次徹夫氏が「新型コロナで仕事が不安定になった人の雇用を守ろう」とオープン。店長として店を任せられた福嶋啓行氏も、勤務していた焼肉店が休業になり先に不安を覚えていた一人。店名の「ひらく」は、店長の福嶋氏の「啓」が「ひらく」と読むことから、福嶋氏自身が考案した。

同店は、焼肉店だった居抜きを無償で譲渡を受けて営業している。「これからは、魅力ある個人店が生き残る」と路次氏。「仲間の雇用を守らないといけない中で、自粛後、人は肉と魚が食べたくなるだろうと考えました。そしてソーシャルディスタンスを確保できることも必須。それらの条件に合う居抜き物件を押さえにいきました」。

単価7000円のハイクオリティカジュアルな焼肉店として渋谷で勝負!

単価は、以前あった焼肉店が7000円程度だったため同じ価格帯に設定し、渋谷に集まる感度の高い人や近くの高級住宅街の住民などが、上質な焼肉をカジュアルに楽しめる店とした。内装もほぼそのままを利用し、黒を基調としたシックな雰囲気。テーブル席が並ぶメインフロアの奥には、個室も1室備える。

ターゲットや単価感は前テナントの流れを汲みつつも、メニューは一新。店長の福嶋氏の目利きで選りすぐった肉を用意する。コースの利用がメインで、前菜から肉、ごはんもの、デザートまでひと通りが楽しめる「上等コース」(7000円)と「ひらくコース」(5000円)を用意。和牛や牛タン、ホルモンなど各種取り揃え、アラカルトでも注文可能だ。「まだオープンしたばかりで、メニューはこれからブラッシュアップしていく予定。肉はもちろん塩などの調味料まで、全国の美味しい素材を探している最中です」と福嶋氏は話す。

ドリンクは生ビール(680円)や、サワー・お茶ハイ・ハイボール(各種580円~)、マッコリ(グラス480円~)、日本酒(680円)、焼酎(580円~)など一通りのラインナップに加え、ボトルワインは4500円~で、独自輸入のものも用意する。

ECやファンマーケティング、未来を見据えた施策で飲食の在り方を変える

路次氏と言えば2006年にリアルテイストを創業し、「調理のプロ集団」をコンセプトに「串亭」、「鮨 金平」、「鉄板焼 二平」など都内を中心に、横浜、名古屋、博多に展開してきた人物だ。その後、同社は2018年にエー・ピーカンパニーにグループ入りするも、路次氏は新型コロナの渦中で退任、再出発を決めた。「上等焼肉ひらく」以外にも麻布十番の「このじ」を取得し、雇用を守りたい和食の料理人達はそちらで活躍させる体制を整えた。

「新型コロナにより、飲食店の収益構造、お客様の店の選び方が変わると考えました。これからの業態開発はEC販売を駆使し、お客様の食卓を彩ることまでを考えたい。店舗での売上が以前ほど見込めないぶん、FL R 60%以内を目指さなくては生き残れないでしょう」。一般的に原料が高いといわれる焼肉業態だが、「上等 焼肉 ひらく」は、すでにECサイトでの焼肉セット、弁当などの販売を準備。「このじ」でも正月に向けておせちの準備も万端だという。

「ここまでは、大抵の経営者が考えることですが、これからの集客のあり方を変える仕掛けとして、ファンマーケティングに取り組んでいます」と路次氏は話す。これまで20年のキャリアで培った顧客に、安心・安全・安定を届ける、会員アプリを開発中だという。併せて、ミシュランシェフやファンマーケティングのパイオニア達とチームを組み、関東のとあるリゾート地で会員様限定の物件開発も行っている。「ローンチは10月の予定。飲食店経営を深掘りしていく中で、新型コロナよりも前から構想していたものでした。そしてこんな時だからこそ、世の中に出さなければと思いました。世界が大きくチェンジする中で、外食業界もチェンジしなければいけないと思っています。ファンであるお客様に徹底的に喜んでもらうことで、お店が繁盛していくという飲食店の本質をあらためて証明したいと思っています」。新型コロナウィルスで、先が見えない不安の中、雇用のキープや、今後の飲食業界のIoTに尽力する路次徹夫氏の動向に目が離せない。

店舗データ

店名 上等焼肉ひらく
住所 東京都渋谷区宇田川町33-13 楠原ビル 3F

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アクセス 渋谷駅から徒歩5分
電話 03-6455-2933
営業時間 17:00~24:00(LO23:00)
定休日 無休
坪数客数 26坪32席
客単価 7000円
運営会社 株式会社かなめプロジェクト
オープン日 2020年6月20日
関連リンク 上等焼肉ひらく(FB)
関連リンク 上等焼肉ひらく(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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