独立第一歩は愛知県。一度は閉業を経験するも、東京都で再起を誓う
愛知県で10年間営業職に就いていた禹氏は、その頃に出会った多くの飲食経営者の姿に感銘を受け、自らもその道を目指すことを決意。愛知県で人気のベーカリー「パンのトラ」や高級フレンチのデリカッセン「ベベのおそうざい」、老舗名古屋コーチン専門店「鶏三和」の3店舗を掛け持ちするかたちで修業した。その後、2013年に独立第一号店の「バースデーチキン」を名古屋で開業したが、想定していたほどの結果が得られず2年で閉業。結婚を機に移り住んだ東京都で再起を誓い、綿密なマーケティングを重ねた末、飲食店とオフィス街が混在し、人の往来が多い五反田で「かしわ焼肉 うわさのばかたれ」を開業した。2016年6月のことだ。
好調なスタートに甘んじることなく、看板商品を前面に出した「親鳥仕様」に改装
立地の良さに助けられ、好調な売り上げでスタートダッシュを切るが、同時に店舗の核となる看板商品がないことに不安も感じていた。悶々と思案する日々のなか経理業務をしていると、たまたま自分が好きだったからという理由でメニューに加えていた親鳥を使った品の出数が、他の商品より多いことに気づく。調べてみると、親鳥は屠殺されてから3日以内に食べなければ、身が固くしまり、においもきつくなるという。その特性ゆえ、市場に出回ることなく安価で加工品の食材に使われているという実態も知った禹氏は「親鳥の本当の美味しさを日本中の人々に伝えたい」というミッションを掲げ、すぐさま店舗をリニューアル。「親鳥専門店 ばかたれ」として生まれ変わった。これによって客足は倍増し、連日満席の人気店舗に。その勢いに乗り、2019年2月には二店舗目の「親鳥専門店 ばかたれ 東五反田店」もオープン。こちらもすぐに結果を出し、両店とも坪月商30万を超える繁盛店の仲間入りを果たした。
オペレーションの効率を重視した、新たな業態で勝負をかける
好調な2店舗の勢いに乗るべしと、禹氏は更に五反田で物件をリサーチ。タイミング良く、オフィスビルからほど近い飲み屋街の四つ角で、店舗の空きが出た。「立地が良かったので、これはいける!と思いました」と、禹氏。5坪という小体な物件で焼肉業態は難しかったため、立ち飲み酒場に。他の2店舗と差別化を図った。
フードは、「ばかたれ」業態の名物メニュー「親鳥の煮込み」(500円)を看板に、特製のポテトサラダ「GPS」(300円)や「キムチ」(200円)、「煮玉子」(100円)、「のり」(100)円、「チーズ」(100円)と、ワンオペレーションで回すことに重きを置いたラインナップの6品に絞った。
ドリンクは、全て500円に統一。中ジョッキの「生ビール」の他、マッコリを炭酸水で割ったオリジナルドリンク「ばかたれサワー」や「レモンサワー」、「シークワーサーサワー」、「ジャスミンハイ」などのサワー各種と「ビームハイボール」を700mlのメガジョッキで提供する。「生ビール」は中ジョッキでの提供だ。平均的な客単価は2000円ほどで、高い回転率での営業を目論む。
親鳥の魅力を伝えるブランディングで、大規模なグループ展開を図る
「親鳥の魅力伝道師」を自称する禹氏。実は、店舗展開以外にも親鳥の普及に関わる出来事があったという。「全国展開するスーパーで、親鶏を使った惣菜のプロデュースをしてくれ、という依頼があって、メニューを考案したんです」。当初は、千葉県にできたスーパーマーケットの新店1店舗のみで販売するという案件だったが、すぐに人気商品となり、全国の店舗で販売されるようになった。「自店舗以外でも、こうしたプロデュースなどのかたちで親鶏の普及に努めていきたい」と話す。
また、今後の店舗展開については、FC展開も視野に入れつつ全国に500店舗展開し、東証一部上場を目指すと言う。その一方、「現在は、マニュアル作成や人材育成を行って、既存の3店舗の地盤を固める時期だと感じています。なにしろ、ここまで勢いだけでやってきたもので」と、組織の構築にも力を注ぐ考えだ。
店舗データ
店名 | 煮込み専門店 ばかたれ |
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住所 | 東京都品川区西五反田1-26-9 |
アクセス | JR山手線五反田駅西口から徒歩4分 |
電話 | 未開通(問い合わせは「親鳥専門店 ばかたれ 本店 」03-3495-8038に) |
営業時間 | ランチ 11:00〜13:30、 ディナー17:00〜23 :00 |
定休日 | 日、祝 |
坪数客数 | 5坪13名(立ち飲み) |
客単価 | 2000円 |
運営会社 | 株式会社 ばかたれ |
オープン日 | 2020年2月20日 |
関連リンク | 煮込み専門店 ばかたれ(Instagram) |
関連リンク | 親鳥専門店 ばかたれ 東五反田店(記事) |