その土地のリアルな食文化を楽しませるまだ日本では珍しかったフードツアーで起業
飲食業界とはほとんど縁の無かったオーナーの和田氏が「日本酒バル どろん」を出店するに至ったのはフードツアー事業の立ち上げがきっかけだった。東京で大学を卒業後、アメリカに本社を置く外資系企業の東京オフィスで勤務した和田氏。その2年後にはアメリカに転勤するも、将来を模索した結果、6年目に辞め東京に戻った。そして日本に来る観光客をターゲットにしたフードツアービジネス事業で起業した。海外では盛んな観光客向けのグルメツアーがヒントだ。現地で話題の飲食店や現地の人が集まる人気の飲食店へ旅行者を案内し、その土地のリアルな食文化を楽しませるもので、当時、まだ日本では珍しかったそのフードツアービジネスを仕掛けて3年目になるが今や大人気。ラーメン、居酒屋、焼鳥など外国人も良く知る日常の日本食を気軽に体験出来るからだ。新宿歌舞伎町をベースに京都でも実施している。ツアーを開催する中で利用者から多かったのが、日本酒体験の希望や日本酒についての質問。そこで和田氏は正しい日本酒文化の情報を伝えたく、詳しくなかった日本酒の知識をしっかりと学び、唎き酒師の資格も取得したという。
そして日本酒の魅力に開眼した和田氏は誰もが気軽に立ち寄り、カジュアルに楽しめる日本酒専門店「日本酒バル どろん」の立ち上げを決めたのだ。実は同店、当初2019年の1月に西荻窪の雑居ビルの地下で開業した。しかしフードツアーは歌舞伎町を中心に行うことから拠点を兼ねる新宿エリアでの出店チャンスを図っていたという。そして出会ったのが飲食物件情報ではなく一般の物件情報に上がったばかりの同店だった。かつて同じ日本酒専門店の居抜きという条件とシンプルで機能的な空間と、飲食マーケットで盛り上げる西新宿7丁目の立地。外からもわかり易いガラス張りで存在感をアピールできる路面店で即決したという。
メジャーな銘柄ではなく地元で呑まれるような銘柄に焦点を当てている
常時23、4種類を揃える本日の日本酒は中部地方を中心に全国から集めている。特にメジャーな銘柄ではなく地元で呑まれるような銘酒に焦点を当てている。「すっきりめ」、「やっぱり辛口」、「店長おすすめ」、「でも個性的」のカテゴリと、常温または燗酒とわかり易い表現でタイプを分けている。価格はグラス90mlが550円。徳利180mlが1100円の均一となっている。日本酒スパークリングはボトル(980円〜)で提供する。また日本酒蔵のリキュール(600円均一)と、日本酒をソーダか自家製国産レモンジンジャーで割ったオリジナルの「にほんしゅカッシュ」(630円)や焼酎(580円均一)と国産のお酒を揃えている。
フードはあえてベーシックな和のテイストで日本酒のお店らしさを意識している。「三浦野菜と自家製ディップ」(680円)に添えられた自家製の醤油こうじ青唐辛子みそのように日本の発酵食品や発酵調味料をアクセントにした料理が揃う。「自家製 薫製盛合せ」(720円)や広島レモンで煮込んだ「岩中豚の広島レモン鍋風煮込み」(1380円)などだ。
日本の食文化をコンテンツとしたオリジナルツアービジネスの積極的な展開
現在、同店では通常の店鋪運営に加えて海外の旅行者をターゲットに「寿司教室」や「日本酒の飲み比べ」などの日本酒関連のイベントも開催している。さらに今後は蔵元への酒蔵ツアーから郷土料理の紹介など日本の食文化をコンテンツとしたオリジナルツアービジネスの積極的な展開で会社を大きくしたいという。「日本酒バル どろん」はそのビジネスをリアルに仕掛けの場である一方、注目の飲食エリアで誰もが気軽に日本酒を味わうチャンスを造る場にしている。
店舗データ
店名 | 日本酒バル どろん |
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住所 | 東京都新宿区西新宿7-19-21厳島ビル101 |
アクセス | 新宿駅西口から徒歩3分 |
電話 | 03-5941-3473 |
営業時間 | 17:30〜23:00(LO22:30) |
定休日 | 日・不定休 |
坪数客数 | 10坪22席(カウンター6席 テーブル席16席) |
客単価 | 3000円〜3500円 |
運営会社 | 株式会社チドリアシ |
オープン日 | 2019年10月28日 |