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池尻大橋に「ビールマン イケジリホンテン」が開業。クラフトビール&もつ煮串が名物の立ち飲み、レインズインターナショナル「温野菜」等でマネジメントを学んだ太田氏の独立店舗

10月10日、池尻大橋に「ビールマン イケジリホンテン」がオープンした。クラフトビールとモツ煮串が名物の気軽な立ち飲みだ。レインズインターナショナルの「温野菜」や、玩具メーカーの飲食部門でマネジメントに関わってきた太田宜秀氏による独立店舗。オープンから間もないながらも、地域の人々のとまり木的な存在としてじわじわ人気を集めている。

池尻大橋駅から至近だが、やや奥まった場所に入口がある。赤提灯とポップなイラストで入りやすさを意識したファサード
カウンターを中心とした立ち飲みで、コンテナを重ねたテーブルも配置。短冊メニューや提灯で大衆感を演出。内装は可能な限りDIYで行い投資額を抑えた
頬張りやすい串スタイルの「モツ煮串」が名物。クラフトビールの繊細な香りを邪魔しないよう白出汁であっさり味に仕上げている
「ヤマホドヤサイ」(680円)など、健康をテーマにした品も用意
オーナーの太田宜秀氏。「満員に見えて引き返してしまう方がいるのですが、意外と入れるので勇気を出してドアを開けてほしいです!(笑)」と呼びかける

(取材=大関 まなみ)


「温野菜」や、玩具メーカーの飲食部門でマネジメントや人材育成を学ぶ

池尻大橋駅から徒歩1分あるマンションの1階部分には3軒の飲食店が並ぶ。その真ん中にて営業するのが、「ビールマン イケジリホンテン」。ポップなイラストに赤提灯が下がるファサードが存在感を放つネオ酒場だ。

オーナーの太田宜秀氏は池尻大橋育ち。高校生のときにマクドナルドでアルバイトをしたことがきっかけで飲食の楽しさに目覚める。大学2年のとき、ピザ店の立ち上げ店長の誘いを受け、大学を中退。そこから飲食の道へ飛び込んだ。

レストランや居酒屋など多様な業態で経験を積む中で、特に太田氏のキャリア形成に大きな影響を与えたのが、レインズインターナショナルが展開する「温野菜」だった。店長として店をまとめあげ、店舗を社内アワード受賞にも導いたという。そこで6年ほど勤務した後は、玩具メーカーの飲食部門に活躍の場を移し、ここでもマネジメントや人材育成、オペレーション作りなどに3年ほど携わった。

物件との出合いで独立を決意。建築現場で働きノウハウを得て、可能な限りDIY

以前から独立の意思はあったという太田氏だが、物件との出合いによってその思いは実現した。今年の4月からそば店を運営している太田氏の同級生が、「隣の物件が空いたからどう?」と、声をかけたのがきっかけ。それがこの物件だった。「実はここ、隣のそば店と裏でつながっているんです。この構造を利用し、友人同士で面白いコラボができるのではないかと思いましたし、なによりも地元であり、大好きな池尻大橋。これは自分のための物件だ!と運命を感じ、契約しました」と、玩具メーカーを退職し、独立へと舵を切った。

物件は6.5坪と広くはないため、立ち飲みに。自身が好きだったクラフトビールと、立ち飲みらしくモツ煮込みを名物にしようと考えた。「初めての独立店舗となるので、まずはリスクを小さく、低投資で開始したかった」と、内装工事は可能な限りDIYで実施。工事を始める前の期間には、派遣で建築現場の仕事に従事し、そこで得たノウハウを内装工事に役立てた。

名物「モツ煮串」はクラフトビールの繊細な香りを邪魔しないあっさり白出汁仕立て

調理経験が少なかった太田氏は、「餅は餅屋」として知人のホテル総料理長にメニュー開発を依頼。営業はワンオペとなるため、仕込みに時間をかけて注文からはスピーディーに提供できるラインアップをリクエスト。オペレーション面を考慮しつつも酒に合う立ち飲みらしい品々のレシピを用意してもらった。

名物は「モツ煮串」(250円)。「大衆酒場や立ち飲みの定番といえばもつ煮ですが、味噌など濃いめの味付けにするとクラフトビールの繊細な香りを邪魔してしまう。あっさりとした白出汁を使い、ビールにも合う仕立てにしました」と太田氏は胸を張る。その出汁で煮込むおでんも用意し、「大根」(150円)、「ビックウィンナー」(200円)、「ロールキャベツ」(220円)など。「コーンバター」(380円)、「ハツ刺し」(480円)、「ピーマンの肉詰め」(380円)、「カミナリこんにゃく」(380円)、「やまうの塩らっきょう」(290円)など、バラエティ豊かに約40品。隣の友人が営むそば店から裏通路を通って出前される「ネットニュースにもなった同級生のそば」(450円)も人気だ。

ドリンクは、目玉のクラフトビールからチューハイ、ハイボール、焼酎を揃える。クラフトビールはキリンビール社の簡易サーバー「タップマルシェ」を活用することで、タップを導入するのに比べて投資額を抑えた。日替わりで4銘柄のクラフトビールを用意し、Medium 480円、Pint 890円均一で提供する。チューハイは、プレーンな「サワー」(350円)に、割り物として「レモン」(60円)、「梅干し」(80円)などを用意。「青汁ハイ」(380円)や、ウコンエキスを加えた「うっちんハイ」(380円)も人気だ。

「競合はコンビニ。コンビニで缶ビールを買って家で飲もうと思った人に対し、それ以上の価値を提供できる場でありたい」と太田氏。「まっすぐ家に帰りたくないお父さんから20代の若い人まで、客層は幅広いですが、多くが地元の方々です」とも話す。

地元・池尻大橋の活性化をミッションに展開予定

店名には「イケジリホンテン」とあるものの、この業態での店舗展開は考えていないという。「イケジリホンテンと入れたのは、あえてチェーン店っぽさを出すための演出です。池尻大橋は隠れ家的な店や会員制のバーが多いので、当店ではその逆を行き、入りやすい店がまえを重視しました」。

今後については、「お客様と一緒に当店のPBのビールを作ったり、フジロックに出店したり、やりたいことはたくさんあります。店の前にスペースがあるので、そこにキッチンカーを置いて立ち飲み以外の業態で商売もしたいですね。チャンスがあれば、別業態での店舗展開も」と太田氏は話す。ミッションに掲げるのは、地元・池尻大橋の活性化。いずれにせよ、このエリアを基軸に展開していきたい考えだ。

店舗データ

店名 ビールマン イケジリホンテン
住所 東京都世田谷区池尻3-2-3

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アクセス 池尻大橋駅から徒歩1分
営業時間 15:00〜翌2:00
定休日 不定休
坪数客数 6.5坪13人
客単価 2200円
オープン日 2019年10月10日
関連リンク ビールマン イケジリホンテン(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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