「愛とレモンで島おこし」をスローガンに立ち上げたプロジェクト「とびしま柑橘倶楽部」
店一番の名物とする「氷結レモンサワー」は呉の名産として注目されている無農薬栽培の「とびしまレモン」がたっぷり入る。この「とびしまレモン」は「愛とレモンで島おこし」をスローガンに立ち上げたプロジェクト「とびしま柑橘倶楽部」(一般社団法人 広島県呉市 代表理事 秦利宏氏)の手により栽培されたレモンだ。かつては黄金の島と呼ばれるほどレモン作りが盛んだった呉市の瀬戸内海に浮かぶ大崎下島。しかし島民の高齢化と過疎化で休耕地が増加する島の危機感から有志たちで設立したのが黄金の島再生を目指す「とびしま柑橘倶楽部」なのだ。実は呉市では大崎下島のみならず市全体でも地場産業の衰退や休耕地の増加が起きているという。そこで土谷氏をはじめとした有志達は休耕地で酒米造りなどの一次産業活性化や六次化に向けたプロジェクト立ち上げなどに取り組んでいる。そんな現状を背景に土谷氏はお酒を通して呉の知られていない食文化の魅力を東京にアピールするために「大衆酒場 五十六」の出店を決めた。「がんす」と呼ばれる瀬戸内科の魚を原料とした呉市の三宅水産が生産する練り物の揚げもの。料理に使うのは呉市民には欠かせない江後醤油製造所のフジサイチ醤油。呉のソウルフードとして市民の日常に欠かせない食材や調味料の存在にスポットを当てている。そして大和、武蔵という戦艦の母港であり軍港として名を馳せ、造船の町として賑わっていたという呉市の歩み。連合艦隊を統制していた元帥海軍大将の山本五十六に由来する店名には呉の史実を反映させている。
「五十六の名物じゃけぇ 注文しんさいね。」と広島弁で勧める呉と広島ブランド
「五十六の名物じゃけぇ 注文しんさいね。」と広島弁で勧める呉と広島ブランド。「三宅水産のがすん焼き」(580円)、「広島牡蠣と野菜のせいろ蒸し」(680円)。おたふくソースがたっぷりとかかる「広島風お好み焼き」(880円)。そして「呉山城屋」の縁があるイカリソースで味う広島県民のお弁当の友「花ソーセージ」(480円)。人気の「肉巻き」(1本260円)の具材にも「広島産ヒバゴン葱」や「広島産牡蠣巻き」名産品が使われている。ほかに大衆酒場の定番「酒場の肉豆腐」(580円)、「五十六名物 マグロぶつ切り」(大盛り880円 中盛り680円)も。豚肉でいろいろな素材を巻いた。ほかにも炉端串焼きやなど郷土に限定しない構成で酒場としての幅を持たせている。レモン一個分が入る「名物氷結レモンサワー」(480円 中280円)に代表される「瀬戸内レモンサワー」にカテゴライズされるのが「モヒートレモンサワー」、「レモンシャーベットサワー」(各680円)。約15種類もあるフレッシュな果実で作る「本日の生絞りサワー」(480円〜)も名物だ。呉にある蔵元の5銘柄を含めた広島県の蔵元12銘柄に他県の5銘柄を加えた瀬戸内海の日本酒もおすすめアイテムだ。
4代目が始めた飲食経営。2020年春には大手町に東京2号店を出店予定
創業以来、海軍との関わりを筆頭に呉の生活に密着し地域の酒文化、食文化を裏方として支えてきた「呉山城屋」。4代目として老舗酒販店業を継承する土谷氏は平成16年に呉市に出店した1号店の立ち呑み店に続く飲食店の運営も手掛けている。そこには飲食店の現場をより深く知ることは酒飯店としても大切な事と考えるからだ。2020年春にはすでに大手町の新設の複合商業ビルに東京2号店出店を予定している同社。呉の日常にあるお酒と食を気軽に楽しませる飲食店の展開により東京で呉を盛り上げていきたいとの考えからだ。呉の食文化を啓蒙し地場産業活性化への貢献が土谷氏のなによりもの想いなのだ。
店舗データ
店名 | 大衆酒場 五十六(いそろく) |
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住所 | 東京都品川区西五反田1-2-8FUNDES五反田7階 |
アクセス | 五反田駅西口から徒歩2分 |
電話 | 03-6420-3480 |
営業時間 | 17:00〜23:30(LO,23:00) |
定休日 | 日 |
坪数客数 | 30坪/65席 |
客単価 | 3500円 |
運営会社 | 株式会社呉山城屋 |
オープン日 | 2019年8月21日 |