板橋エリアの若い層、ファミリー層を見越し、ネオ大衆酒場業態で開業
代表の石井氏は、新業態について「数年前からずっと、社内で”大衆酒場”業態の構想はありました。たまたまお客様から板橋の物件を紹介してもらい、周辺をリサーチしたらうまくマッチしそうだったので、オープンに踏み切りました」と語る。SENCEは池袋、赤羽、大宮などに出店してきた。同氏はその経験から直感的に、板橋エリアは人の住んでいる人の数に対して飲食店が少ないように感じたという。加えて、板橋駅は改良工事中で、周辺にタワーマンションも建設が進んでいることから、今後の発展も見込んで出店を決意。ファミリー層や大衆酒場に馴染みのない若い層を獲得も視野に入れ、周辺店舗と差別化できるネオ大衆酒場業態でオープンした。
店内はSENCEで最も広い18坪40席
悪立地・10坪以下の物件を中心に、小さくて強い店づくりを武器に店舗展開するSENCE。今回は18坪40席と今までで1番規模が大きく、内装にも特に手を掛けたという。15、16年続く居酒屋だった物件をそのまま引き継ぎ、ほぼスケルトンに戻した後、改装。店内の半分より奥は縁側をイメージした小上がりを作り、昭和レトロの雰囲気に。手前はおしゃれなカウンターチェアなどを選び、若い層も入りやすいネオ大衆酒場らしいつくりを意識した。
イタリアンの技術を生かした〆メニューにも注目
料理はカウンター横に鍋を備えたおでんが主軸。鶏と鰹のWスープで炊いた「大根」(150円)、「鶏もも」(380円)などに自家製青唐辛子味噌を添えて提供する。加えて、「かぼちゃのそぼろあんかけ」「ブリ大根」(各380円、4種盛り980円)など、本日のおばんざいを4種類、「本日のお刺身」(各480円、盛り合わせ480円~)を日替わりで揃え、5種類の味付けから選べる「五感のからあげ」(プレーン480円、のり塩・大阪・チーズ・明太マヨ580円)やセイロ蒸しの「名物あらびき肉焼売(4コ)」(480円)など大衆酒場メニューも豊富だ。
〆メニューは、細麺と平打ち麺を選べるこだわりのうどんがウリ。ボロネーゼの技術を生かした味噌を使用した「名物肉味噌うどん」(880円)をはじめ、「炙りチーズカレーうどん」(880円)など4種類を用意する。
また、ファミリーやグループ客が盛り上がる体感型のメニュー、自分で海苔を巻いて楽しむ手巻き寿司も用意。店長 町田氏の提案で生まれたもので、「かっぱ」(一本 180円)、「鮮魚」(一本 250円)、「ウニ」(一本 380円)など9種のネタを揃える。ファミリー層に訴求する、唐揚げ、ミートボール、ポテトなどを盛りつけた「キッズプレート」(480円)も提供。週末は子供連れのお客も多く来店するという。
ドリンクは「レモンサワー」(380円)やホッピーの「黒セット」、「白セット」(各480円)など大衆酒場のメニューを中心にラインナップ。日本酒や焼酎は”五感町の酒屋さんオススメ!”と題したメニュー表をつくり、常時18種類以上を用意。おでんや刺身に合わせて注文するお客が多く、「日本酒がここまで売れる店は初めて」と石井氏。
和食業態と暖簾分けで会社の成長を促進
「今回の大衆酒場業態は汎用性が高く、出店するエリアに合わせてアレンジがしやすい。この店がうまくいけば、現在『五感』を出店している近隣にも展開していきたいです」と同氏。新たな業態で会社に波を生み出し、今後の成長に賭ける。
また、「五感」の既存店はスタッフが育ち、暖簾分けの制度が始まっているという。「直営店で30、40店舗を出すのではなく、いいスタッフの独立を支援していきたい。暖簾分けや大衆酒場業態を伸ばして、20店舗くらいまで増やしたいですね」と同氏。現在、1店舗目にオープンした「小皿イタリアン&生パスタ 五感」は10坪で450万円。既存店を安定して運営しながら、新しい風を作るSENCEの動きに注目したい。
店舗データ
店名 | 酒場 五感 |
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住所 | 東京都北区滝野川6-86-14 |
アクセス | 板橋駅から徒歩2分 |
電話 | 03-6451-2546 |
営業時間 | 17:00~翌3:00 |
定休日 | 水曜日 |
坪数客数 | 18坪40席 |
客単価 | 2300〜2500円 |
運営会社 | 株式会社 SENCE |
オープン日 | 2019年6月1日 |
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