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人形町にクラフトビール&スペシャルティコーヒーの「NUMBER 6」が開業。「東京と地方、世界をつなげる」をコンセプトに、カフェとバーの二毛作営業で国内外のお客を集客

5月14日、人形町の路地裏に「NUMBER 6(ナンバーシックス)」がオープンした。全国各地のクラフトビールと、「NOZY COFFEE」のスペシャルティコーヒーを軸に、バー使いとカフェ使い、2つのニーズに対応する店だ。地元の同級生コンビである関口康啓氏と柿沼将貴氏による独立店舗。「東京と地方、そして世界をつなげる」をコンセプトに国内外のお客を集客し、じわじわと人気を集めている。

古い喫茶店だった物件。レトロなレンガ調の壁に、スタイリッシュな店名のロゴが映える
可能な限りDIYで作り上げた店内。クラフトビールとサードウェーブコーヒーの本場、ポートランドを参考にしつつ、喫茶店の名残のレトロな柄の床はそのまま残した。ゆったりと過ごしてほしいと、席間は広く取っている
常時6タップを揃えるクラフトビールを全種類飲み比べできる「フライト」と、「山椒プルドポーク」。山椒の香りなど、それぞれのフードに必ず和のエッセンスを散りばめている
ビールともうひとつの柱がコーヒー。「NOZY COFFEE」から仕入れるスペシャルティコーヒー豆を使ったエスプレッソ系ドリンクを揃え、昼はカフェ需要を吸収する。「チョコチップクッキー」(300円)などの自家製スイーツも用意
写真左から関口康啓氏と柿沼将貴氏。高校のサッカー部の仲間で、一時期は一緒にバンドも組んでいたという

(取材=大関 まなみ)


人形町の閑静なエリアに同級生コンビで開業

老舗酒場や洒落たビストロなど多くの飲食店が営業し、日々、観光客や地元民で賑わう人形町エリアだが、「NUMBER 6」は駅周辺の喧騒から離れたオフィスが並ぶ静かな路地に佇む。以前は古い喫茶店だった場所で、ファサードのレトロなレンガ調はそのままにガラス窓に刻まれたスタイリッシュな店名のロゴが際立つ。店内はモダンでインダストリアルな雰囲気で、近隣のワーカーや住民に加え、その海外のカフェのような佇まいから外国人のお客も多く集う。主に昼はカフェ利用、夜はクラフトビールを中心としたアルコール利用にこたえている。

同店は、長年飲食店の開業を夢見ていた関口氏が、高校の同級生だった柿沼氏を誘い2人で立ち上げた。「カフェやクラフトビール専門店などの飲食店での勤務に加え、飲食に関係ない業種のサラリーマンも経験してきた中で、いつしか独立したいと思うようになりました」と関口氏は話す。

渡米により日本の良さを再認識、地方創生の思いを込めてクラフトビールを扱う

もともとカフェの空間が好きだったことからコーヒー店を開業したいと考えていた関口氏だが、クラフトビールと出合ったことで現在のコンセプトが固まったという。「母がアメリカに住んでいるので、たびたび渡米する機会がありました。そこで日本と異なる文化に触れるたび、改めて日本の良さに気づき、日本の地域創生に貢献したいという思いを持つようになったんです。同時にクラフトビール専門店で働いたことでその魅力に開眼。クラフトビールは全国各地、それぞれのブルワリーが個性的なビールを作っている。そんな地方のブルワリーを応援することで、微力ながら地方創生の一助になれるのではないか、と考えました」と関口氏は話す。

関口氏とともに開業を目指すことにした同級生の柿沼氏は、それまでバンド活動をしていたが開業に向けて主に料理の仕事に方向転換。下北沢のスペインバルなどで経験を積んでいった。

オフィスワーカーと外国人をターゲットに物件探し

並行して物件探しを開始。条件は2点で、ひとつはオフィス街であること。ワーカーのコーヒーブレイク需要を狙う。もうひとつは、国籍関係なく多くの人が集える場所にしたいという思いから外国人が多い場所であることだ。都内全域で探し、見つかったのが同物件。家賃が予算内に収まることと、近隣にはオフィスと外国人も多く宿泊するホテルが多数存在することが決め手になった。

内装は可能な限り2人でDIY。開業前に視察に行ったポートランドのカフェやバーを参考にしつつ、コンクリート打ちっぱなしの壁など、インダストリアルな雰囲気に仕上げている。

国産酒を多く揃え、フードには和素材をさりげなく取り入れる

クラフトビールは全国各地から「自分達が飲みたいもの」を樽替わりでバランスよく揃え、全6タップ。価格は一律でハーフパイント(265ml)700円、パイント(480ml)1200円。飲み比べの「フライト」は3種900円、6種1500円で提供する。ビール以外に日本酒(90ml 600円、170ml 1000円)、国産ワイン(グラス600円~)、国産のクラフトジン(600円~)など、積極的に国産酒を揃えている。その他、サワーやモヒート、カクテルなども用意する。

フードは、ビールに合う品々を20品。「トマトと豆腐のカプレーゼ」(500円)、「ベーコンとポテトの味噌チーズ焼き」(700円)、「塩麹ジャークチキン」「山椒プルドポーク」(各1000円)など、いずれも和の要素をさりげなく加えていることがモットーだ。

コーヒーは、シングルオリジンのスペシャルティコーヒーを取り扱うロースター「NOZY COFFEE」から仕入れた豆を使用し、「エスプレッソ」(400円)、「カフェラテ」(500円)、「カフェモカ」(600円)などを揃える。自家製する「豆腐ガトーショコラ」「米粉チーズケーキ」(各17時まではミニサイズで200円、以降は400円)などのスイーツもコーヒーのおともに人気だ。

あえてランチ営業はせず、13時オープンの同店。「周辺はオフィスに対して飲食店が少なく、ランチ需要があるのはわかっているのですが、長時間労働で疲れた状態でお客様を迎えたくない。カフェタイムから、お客様がのんびりと居心地よく過ごせる店を目指します」と関口氏。店内の席間も広く取られていることから、あくまでお客の居心地重視の姿勢が垣間見える。すべてのメニューが終日注文可能だが、早い時間帯はコーヒーのカフェ利用、夕方からクラフトビールが出始め、コーヒーとクラフトビールで二毛作営業を実現している。

東京と地方、世界をつなげる店を目指す。3年以内にもう1店舗が目標

オープンから約1カ月、大々的な宣伝はしていないが売上は徐々に上向いてきているという。客層は30代が中心で、近隣の人々に加え、狙い通り近くのホテルに滞在する海外からの観光客が通りがかりに入店することもしばしばあるという。同店を軌道に乗せつつ、3年以内にもう1店舗を展開することが目下の目標だ。「“東京と地方、そして世界をつなげる”をテーマに、地域の人や海外からのゲストが集う場所にしたい」と関口氏と柿沼氏は意気込む。

店舗データ

店名 NUMBER 6(ナンバーシックス)
住所 東京都中央区日本橋小網町16-3

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アクセス 人形町駅から徒歩4分、茅場町駅から8分
電話 03-6661-7009
営業時間 13:00~23:00
定休日 日曜・祝日
坪数客数 19.5坪30席
客単価 昼500~600円、夜3500円
オープン日 2019年5月14日
関連リンク NUMBER 6(FB)
関連リンク NUMBER 6(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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