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キリンビール出身者による3店舗目、所沢に「DRAFT LABO」が開業。ビールはもちろんワイン、日本酒すべてをドラフト(樽生)で提供!将来はビール醸造業への進出も視野

6月12日、所沢に“日本初のドラフト専門店”を謳う「DRAFT LABO」がオープンした。運営はパーフェクトビール(埼玉県所沢市、代表取締役:藤沼正俊氏)。代表の藤沼氏は、キリンビールでビールサーバーの管理をはじめビールの品質維持向上を図る業務をしていた人物で、その経験から2016年、24歳のときに同社を立ち上げた。キッチンカーから始まり、所沢に「PERFECT BEER KITCHEN」と「DRAFT STAND」を開業、3店舗目となる同店は、店名通りドラフト(樽生)にこだわり、ビールはもちろんワイン、日本酒、サワー類など全てのドリンクをドラフトで提供する。

店舗は所沢のメイン商店街プロペ通りを一歩入った“うらトコ通り”と呼ばれる通りの一角にあり、隠れ家感が強い
バーという性格からカウンターは落ち着いて寛げるようダークな色合いに。お客同士が自然と会話ができるよう接客にも配慮しているという
鴨をはじめ肉料理は低温調理されている。写真は低温調理の「牛もも肉の塊低温焼き」。低温調理ゆえに素材の旨みがダイレクトに伝わる
自慢のパーフェクトビールは、ピルスナー、黒ビール、ハーフ&ハーフ、オリジナルブレンドとも620円
代表の藤沼正俊氏(左)と芳賀香織店長(右)。藤沼氏はキリンビールに勤務した経験があり、そのときの経験が独立する際に役立っているという

(取材=松野孝司)


キリンビールでの勤務経験から“パーフェクトビール”という新しい価値観を提案

学生時代からビールや飲食業が好きだった藤沼氏は、favy(東京都新宿区)へインターンとして在籍。卒業後は同社でグルメメディア「favy」の立ち上げを経験。その後、キリンビールに入社し営業職に。また、ブルーパブでビール醸造の補助などに携わった。

藤沼氏は、キリンビール時代、ビールサーバーの管理をはじめビールの品質維持向上を図る仕事の中で、ビールは同じ銘柄でもサーバーの管理やグラスの洗浄の仕方などで味に大きな差が生じるということを強く実感した。そこで、独自に“パーフェクトビール”という概念を提唱。「開栓後3日以内のビール樽のみを使用する」「ビールサーバーの洗浄&メンテナンスを徹底する」「温度に合わせたガスの圧力管理をする」「徹底した洗浄と乾燥をしたグラスを使用する」という4つの条件全てをクリアしたビールのことを“パーフェクトビール”と呼び、それを普及させる活動を行うための会社として、パーフェクトビールを弱冠24歳で設立した。

自己資金はゼロからのスタートだったが、クラウドファンディングで170万円を調達し、キッチンカーを購入。全国各地のイベントに出店し、“パーフェクトビール”の普及に努めた。「いつも飲んでいるビールとは全然違うね」「イベントでこんなに質の高いビールを飲めるとは思わなかった」などと多くの来場者に称賛され手応えを感じたという。そこから実店舗として、2017日年2月、所沢に「PERFECT BEER KITCHEN」を開業。さらに2018年12月には西所沢に「DRAFT STAND」を出店した。

所沢エリアに3店舗目の出店。ターゲット層を絞り混み、すみ分けを図る

今回オープンした「DRAFT LABO」は、藤沼氏にとって3店舗目になる。1店舗目の「PERFECT BEER KITCHEN」は炭火で焼く肉料理をメインにした“パーフェクトビール”専門店で、客層は30代の男性が中心。2店舗目の「DRAFT STAND」は“パーフェクトビール”やクラフトビールを気軽に楽しめる立ち飲みスタイルのビアバーで、1店舗目よりも若い20代~30代の男性をターゲットにしている。それに対して「DRAFT LABO」のメインターゲットは、40代~50代の自営業者のような時間とお金に余裕のあるアッパー層に定めた。また店舗同士が競合しないように内装・外観、メニュー構成にも配慮したという。
「バーの雰囲気を打ち出したかったので、店内の中心に据えたコの字カウンターは従来の店舗よりもダークな色調に。すべてのドリンクがドラフトであることをアピールするため、テーブル席をやや高くして、どこからでもドラフトサーバーからお酒を注ぐ様子が見られるようにしました」と藤沼氏。

大手4社の“パーフェクトビール”を樽替わりで提供。日本酒やワインも樽生で

アルコール類のラインアップは、ピルスナーの元祖ともいわれるチェコの「ピルスナーウルケル」(750円)をはじめ、スペインを代表するビールの「マオウ」(820円)、所沢を代表するクラフトビールの「野老ゴールデン」(850円)、アサヒ、キリン、サントリー、サッポロの大手メーカーのビールを樽替わりで提供する「樽代わりビール」(620円)、樽代わりビールと黒ビールとの「ハーフ&ハーフ」(620円)、樽代わりビールと黒ビールを独自にブレンドした「オリジナルブレンド」(620円)が用意されている。これらのビールはもちろん藤沼氏の提唱する“パーフェクトビール”の条件を満たしたものだ。ビールに加えて、樽詰めワインの「ミオバールビアンコ」(650円)、全国の蔵元から集めた樽酒の日本酒(680円)、強炭酸サーバーから注ぐ「LABOレモンサワー」(580円)などのドリンク類も、全てドラフト(樽生)として打ち出す。

一方、フードメニューは「所沢エリアでは扱っていないもの」を前提に調査・研究した結果、合鴨肉をはじめとした低温調理の肉料理「焼かない焼肉」をメインとして用意。「LABO名物!!鴨肉のゴロゴロ低温焼き」(780円)をはじめ、「牛もも肉の塊低温焼き」(780円)、「低温調理のローストビーフ」(680円)など7品。季節の野菜や果物を用いたソースを使うことで季節感を演出する。その他、「ハニーナッツのクリームチーズ和え」(480円)、「梅水晶」(480円)、「いぶりがっこチーズ」(480円)など左党にうれしいメニューが6品に、〆のご飯ものとして「まかないユッケ丼」(680円)まで用意する。

将来的にはビール醸造業に進出し、大手ビールメーカーに次ぐ存在に

集客方法の一環として、3カ月に1回の割合でお酒に関するイベントを行う予定。1回目は、麦酒大学学長山本祥三さんを招いて「おいしい缶ビールの注ぎ方」を行う。「お客様と一緒に何か新しいものを創造したいという気持ちがあり店名にラボと名付けたのもそのためです。その結果、ウチのファンが一人でも増えるのが理想です。だからイベントの中で色々なことにチャレンジしたいと思っています」と藤沼氏。

最後に藤沼氏に今後の目標をうかがったところ「全国に向けて“パーフェクトビール”を提供する店舗を増やし、47都道府県全てに出店することが当面の目標です。将来的にはビール醸造業に進出し、大手ビールメーカー4社に次ぐ存在になることを目標にしています。今は、クラフトビールが流行していますが、『大手のビールはやはりうまい』という原点回帰をする時期がきっとくると思っています」と力強い言葉が返ってきた。ビールを愛し、情熱あふれる若き起業家が、ビール業界、飲食業界にどんな新風を巻き起こすのか、今後が楽しみだ。

店舗データ

店名 DRAFT LABO(ドラフト ラボ)
住所 埼玉県所沢市東町15-5 ひかり荘102

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アクセス 所沢駅から徒歩5分
電話 04-2006-1414
営業時間 14:00ー26:00
定休日 無休
坪数客数 10坪・30席(テラス席6席含む)
客単価 3000円
運営会社 株式会社パーフェクトビール
オープン日 2019年6月12日
関連リンク DRAFTLABO(FB)
関連リンク DRAFTLABO(Twitter)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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