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レモンと瀬戸内食材が軸の「SETOUCHI 檸檬食堂 神田店」が開業。「福の花」など42店舗を展開するベアーズコーポレーションが、創業23年目で女性ターゲットの新業態に挑戦

3月1日、神田に「SETOUCHI 檸檬食堂 神田店」がオープンした。運営は都内と山口県を中心に4業態、FCを含め42店舗を展開するベアーズコーポレーション(東京都文京区)。同店はレモンをはじめとする瀬戸内食材を主軸にしたバル。主に男性ビジネスマンをターゲットとした同社の既存業態「福の花」「ふくの鳥」に加え、同店で女性客にも客層を広げることを狙った新業態だ。

神田駅から徒歩4分。オープンな間口でテラス席も
開放的な店内。壁画も瀬戸内をイメージ
皮ごと味わえる「丸ごとフレッシュレモンサワー」
自慢のレモンを使用した「ハニーレモンローストチキン」
左からスタッフの田中雄吾氏、執行役員の工藤博幸氏、代表の中嶋 唯雄氏、店長の青井 祐介氏

(取材=福井 晶)


創業23年目の新業態で新たな客層の開拓を目指す

ベアーズコーポレーションは、鳥料理店「ふくの鳥」や地鶏や地酒、瓦そばを提供する「福の花」など山口県をテーマにした居酒屋を展開し、創業から23年目を迎える。代表の中嶋唯雄氏は山口県出身。故郷の食材を使用した業態の拡大に尽力してきた。「山口県は三方向を海で囲われ美味しい食材が多いが、一般的に“瀬戸内”というと徳島県や香川県のイメージが強く、山口県も瀬戸内のひとつであるという印象が薄いように感じています。今回の新業態で、もっと広い層に山口県を含めて瀬戸内ということをアピールし、その魅力を味わって欲しいんです」と同氏。現在展開している居酒屋業態は、主に男性のビジネスマンが中心で会社の宴会需要に強い。それとは異なる新業態を模索。メインターゲットを働く女性に据えたバルのオープンに踏み切った。

既存店の立地に目をつけ、リニューアルオープン

同店は既存店の「福の花 神田店」をリニューアルする形でオープンさせた。前店舗はオープンから7年ほど経過し、建物の問題で改装が必要だったことから、白羽の矢が立った。「もともと『福の花』は9割以上がビジネス街で出店しており、視認性が良い立地にあります。ただ、ここの店舗は大通りから少し外れた場所にあった。『SETOUCHI 檸檬食堂』は、あえて隠れ家的要素を持たせて、目的を持ってきてもらえる店にしたかったのでぴったりだと考えました」と中嶋氏。神田という場所はオフィスで働く女性も多く、客層とメインターゲットがうまくマッチした。

新規メンバー主体の店づくりで社内に新風を吹かせたい

「同店のオープンによって、会社の視野をもう一歩広げたかった」と語る中嶋氏の想いは、店づくりの手法からも明白だ。コンセプト、内装、料理の開発などは、創業メンバーである工藤博幸氏が車で約1100キロに渡って瀬戸内の漁港や農家などを巡り、その経験をもとに一貫してプロデュース。しかし、それ以外の立ち上げメンバーについては、新しい風を吹き込むべく、全員新規採用のスタッフを迎え、彼らを主体に進めた。本部の商品部なども今回はあえて関わらない領域とした。コンセプトの”檸檬”もトレンドへの意識もあるが、瀬戸内の魅力であったことが大きな理由だという。

店内は25坪52席と席数は変わらないが、内装は厨房を含め全面改装。クローズドキッチンをオープンキッチンに作り変え、宴会向けの個室も取り払い、レイアウトをガラリと変えて生まれ変わった。

瀬戸内を丸ごと味わうメニュー構成

食材の多くは現地で繋がりのできた生産者から仕入れている。ドリンクは、瀬戸内の有機レモンを皮ごと丸搾りにした「丸ごとフレッシュレモンサワー」と、塩味をプラスした「丸ごとすりおろし塩レモンサワー」(各490円)の2種類のレモンサワーに、ローストしたレモンを入れた「メーカーズハイボール」やウオッカにレモンとスパイスを漬け込んだ「スパイシーピナクルハイボール」(各490円)のレモンを使ったドリンクが看板商品だ。果実酒も「瀬戸内かんかん」(530円)や「大長檸檬酒」(各530円)など柑橘類を中心にセレクト。ワインは赤白合わせて、常時15種類以上を用意する。

料理のイチオシはレモンの風味が豊かな「ハニーレモンローストチキン」(1本 330円)や漁港から直送で仕入れ、素材をそのまま活かした「瀬戸内 海のもんSTORB」(2,380円)。自家製塩レモンソース使用の「瀬戸内鮮魚のカルパッチョ 自家製塩レモン」(1,780円)も人気。とことん瀬戸内にスポットを当てた品が揃う。また、「タコの香草マリネ」(630円)や「フリットDE淡路島産玉ネギ」(580円)など、酒にもあう前菜は盛り合わせを含めて12品、フリットは5品を揃える。加えて「本日のパエリア」や「本日のパスタ」などのご飯もの、デザートまでカバーする。

現在、客層の男女比率は昼が3:7、夜が4:6と女性が多く、狙い通りに推移している。今後は、同業態の直営店はもちろん、店長に暖簾分けしていく形でFC展開も視野に入れているという。「すでに当社の他業態でFC展開しているオーナーから、次は『檸檬食堂』をやりたいという要望もいただいています。店舗数を追っているわけではないが、10店舗まで増やしたい」と中嶋氏。新業態の思い切った舵取りで、トレンドの波に乗り確実にファンを獲得しつつある。

店舗データ

店名 SETOUCHI 檸檬食堂 神田店
住所 東京都中央区日本橋本石町4-4-13 朝日ビル別館 1F

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アクセス 神田駅5分
電話 03-3517-2154
営業時間 ランチ 11:30~14:30、ディナー 17:00~23:30
定休日 日曜祝日
坪数客数 25坪52席
客単価 4000円
運営会社 株式会社ベアーズコーポレーション
オープン日 2019年3月1日
関連リンク SETOUCHI 檸檬食堂 神田店
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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