地域密着型の商店や庶民的な商店街が残り、深川飯を出す店や深川江戸資料館もあり、江戸情緒を感じさせる清澄白河。泣く子も黙る老舗馬肉料理店の隣に「飯家 かたばみ」が2018年10月1日にオープン。店主は梶谷耕助氏で、福岡屈指の繁華街・中州や銀座にて修業をしたのち、念願の開業に至った。
バーテンダーから料理の道へ
最初はバーテンダーとしてジャズバーに約8年勤務し、そのうち「お酒だけではダメだ」と思いはじめ、友人の紹介で日本料理店に入った梶谷氏。以前は食にそこまで執着心がなく、「料理修業は左利きを右利きに直すところからはじめました」と笑うが、料理の世界に魅了され、8年近く勤めて腕を磨いた。
その店が銀座にも出店しており、異動を命じられ梶谷氏は東京の人に。「銀座の店勤務時代はいろいろ思うところもあったりして、途中8か月ぐらい辞めて世界一周に出かけたりもしました。そこでも約8年勤務し、独立を決心しました」とのこと。最初は勝どきエリアで探したが、賃料が高すぎる。そのため、範囲を広げ住まいのほうまで拡大して探した結果、2年がかりで現在の物件に巡り会った。
お酒に合う九州料理とビオワイン
料理は、九州料理と九州食材を使った創作料理。九州の甘口醤油ベースのタレに漬けて仕上げる「ゴマサバ」(1000円~)や、えご草という海草を固めた福岡の定番おつまみ「おきゅうと」(400円)など、東京ではあまり見られない郷土色豊かなメニューが並ぶ。仕入れについても、「東京でもいいものがそろいますが、やはり産地から送ってもらったほうが肉も魚も新鮮で、味も違います」と九州にこだわっている。
九州というと焼酎のイメージが強いが、焼酎は6種のみを厳選し、お酒はワインを主力とした。それも、ビオワインが中心。全部で50種以上を取りそろえ、価格は、グラス販売は700~850円程度で、ボトルだと4,000円~。赤・白以外にロゼやスパークリングなどの定番以外に、オレンジワインも仕入れ次第で数種類を展開。価格は、グラス800円、ボトル5,000円~。なかなかマニアックなワインリストに仕上がっており、ワイン通からの評判も上々だ。
前職場時代の同僚を誘い2人で切り盛り
同店のオープンは去年10月で、年末年始の繁忙期も順調に集客し、客足も堅調に推移している。現在は、以前に一緒に働いていた九州出身の同僚を相棒に抜擢し、2人で切り盛りしている。オペレーションもこなれてきて、これからのビジョンも明確になるだろう。「勝どきは、物件が見つけられず断念してしまいましたが、もう一度トライしてみたいですね。これから東京オリンピックに向かって落ち着かなくなりそうですが、終わってひと段落したころにでも…!」と、梶谷氏は今後の展望を語ってくれた。
店舗データ
店名 | 飯家(はんや) かたばみ |
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住所 | 東京都江東区森下2-19-9. |
アクセス | 都営新宿線森下駅から徒歩1分 |
電話 | 03-6659-3297 |
営業時間 | 17時~翌1時 |
定休日 | 日・祝日休み |
坪数客数 | 22席 13坪 |
客単価 | 4000~5000円 |
オープン日 | 2018年10月1日 |