電気とアニメの街とし世界に知られる秋葉原に相応しい進化系蕎麦酒場「蕎麦処 陸人(りくと)」を店主古家伸一氏(リクト:東京都千代田区)が9月11日にオープンさせた。蕎麦粉選びから配合まで古家氏が徹底して造り上げたオリジナル田舎蕎麦と門外不出のそばつゆで味わうつけ麺スタイルの「肉そば」を名物にする。夜は各地に潜む美味しいコアな日本酒と酒肴で蕎麦前を楽しませるネオ蕎麦酒場となる。
店主古家伸一氏が異業種から起業した1号店であり初の飲食事業だ
「蕎麦処 陸人」は店主古家氏が異業種から起業した1号店であり初の飲食事業だ。とは言え海外の和食店などへ和食材や日本酒を輸出する仕事を主とする貿易会社に在籍していた古家氏にとり飲食業界は近くにあった。古家氏は全国を廻り各地の食材や日本酒の蔵元を海外へつないでいたとう。そんななかで古家氏は第3者を通じた仕事でなく自らが客と向きあえる商い、飲食店の開業を決め、ついに40歳を期に蕎麦業態を立ち上げたのだ。先ずは貿易会社時代に縁を深めた蔵元の日本酒はもとより、地方に眠る多くの美味しい日本酒を知り楽しめる店造りを決めた。そして日本酒と相性の良さから蕎麦、しかも進化系のつけ麺タイプの田舎蕎麦をテーマに選んだという。実はうどん文化圏の奈良県出身の古家氏が蕎麦を初めて口にしたのはなんと25歳を過ぎてからであり、田舎蕎麦との出会いは前職で赴いた群馬県という。その後、山形県を主とした田舎蕎麦の関わりが起業を後押しする。
昼は進化系蕎麦専門店。夜は日本酒とアテで蕎麦前を楽しむネオ蕎麦酒場
昼は進化系蕎麦専門店。夜は日本酒とアテで蕎麦前を楽しむネオ蕎麦酒場。〆はオリジナルの田舎蕎麦で仕上げるのが流儀だ。蕎麦はその折々、蕎麦の生産地から選んだそば粉をブレンドし小麦粉をつなぎにしたコシが強く太めの二八仕上げで、毎朝、近くの蕎麦店で打ったもの。豚肉をたっぷり入れた名物の「肉そば」(796円)は辛くなく、ラー油は好みとなる。ほかにはシンプルな蕎麦のみの「盛りそば」(444円)、「ざるさば」(630円)。そして新登場の「カレーそば」(824円)の4種類のみと専門性を極めている。そばつゆは温かいか冷たいのかを選べる。おすすめは揚げ玉専門の企業でオリジナルに作る無料の青さ入り揚げ玉のトッピングだ。夜は「冷製だし巻卵」(380円)から「山形の玉こんにゃく」(480円)、「田舎のおでん」(880円)などの定番和惣菜を十数種類が揃う。また「ベーコンチーズドッグ」(480円)、「ウィンナー盛り合わせ」(780円)などの洋系酒肴も用意する。「石釜デニッシュ ガーリック味/明太子味」(各150円)は隠れた名品だ。日本酒は「純米 彦一」(一合740円/90ml370円)、「純米吟醸 美酒の設計」(一合1050円/90ml525円)など小さな蔵元の銘柄を軸に常時15種類をランナップする。あえて誰もが知り飲めるような話題、人気のブランド銘柄を避けて日本酒の本質、美味しさを実感してとの思いからだ。また本格焼酎から酎ハイ、ワインなども用意する。
「和モダン」をテーマに伝統美が反映するネオジャパンマインド
駅前の喧噪を過ごし、昭和通りから浅草橋へと向かう通りの角地に構える「蕎麦処 陸人」。落ちついたレンガ色の壁に白いノレンを下げたスタイリッシュな構えがネオ蕎麦酒場らしさを容易にイメージさせる。中央に構える正方形の大きなテーブルと窓際のカウンター席のわずか9席のシンプルな空間のなかに花器に生けた生花が華やかに賑わい感を演出する。「和モダン」をテーマに日本の伝統美が反映するネオジャパンマインドは空間から器などまで細部に息づく。緑の色を特徴とした織部焼きの蕎麦の器や青い江戸切り子の酒器など目にも美味しさを楽しませる。すでに2号店出店計画も進行させる古家氏の飲食業界での今後の活躍に目が離せない。
店舗データ
店名 | 蕎麦処 陸人(りくと) |
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住所 | 東京都千代田区神田佐久間町3-14-2 |
アクセス | 秋葉原駅より徒歩5分 |
電話 | 03-5825-4484 |
営業時間 | 【月〜金】11:30〜14:30、17:30〜23:00【日・祝】11:30〜14:30(夜は貸し切りのみ対応可) |
定休日 | 土曜 |
坪数客数 | 7.8坪9席 |
客単価 | 昼800円、夜2500円 |
運営会社 | リクト株式会社 |
オープン日 | 2018年9月11日 |