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匠の接客力 × エルブジ出身の確かな調理技術! 大人が楽しめる上質空間「フィッツ ギンザ(Fits GINZA)」が銀座の中心にオープン

店内は天高で、奥の壁には稲穂のモチーフをあしらい空間のアクセントとなっている
メゾネットタイプの半2階席から店内を見下ろすと、広々した開放感がある
日々新鮮な食材を目の前で提案し選んでもらい調理するスタイル。別途コース料理の用意もあり単品の軽めの注文や二軒目利用も可能
シャラン産 鴨胸肉のロースト クラシックオレンジソース
店舗入口のガラス戸前(オーナー矢作氏(右)、シェフ角氏(左))

(取材=國井 直子)


銀座5丁目という好立地に大人がくつろげるハイクオリティな一軒が9月1日にオープンした。店は地下1階に位置し銀座駅から徒歩3分という近さ。路面から続くビルの階段を地下へ降りていくと、いくつか店舗が並んだその奥に「フィッツ ギンザ(Fits GINZA)」はある。店名の描かれたガラス戸を開けると、中には上質で天高な空間が広がる。オーナーは、この道一筋のソムリエでもある矢作太一(やさくたいち)氏。

矢作氏はサニーテーブルが運営する「カシータ」でそのキャリアをスタートさせる。ここで約3年、質の高いサービス技術とホスピタリティを体得する。またソムリエ資格もこの時期(25歳の時)に取得している。その後、次のステージに選んだのは銀座の名店、HUGEが運営する「RESTAURANT DAZZLE」。同店のオープン直後から約8年、シェフソムリエとして現場に立ち、且つマネージメントも行う。ブライダルの企画も多いレストランだった為、その演出にも多く携わった。「特別な日」「特別な時間」のプロデュースにあたり、フォーマットをただ当てはめるのではなく、都度背景やストーリーをお客との短い打合せや接点から引き出していった。回数を重ね、距離をぐっと縮めるサービスを独自で身に付け磨きをかけていく。またこの時期は「ザ・ペニンシュラ東京」「シャングリ・ラ ホテル 東京 」等、銀座に多くのホテルが開業し外国人の来店客数も右肩上がりだった。語学のスキルもサービススキルと並行して向上に努めたという。

以前から視野に入れていた独立に向けての動きは、2017年の夏頃から開始となった。慣れ親しみ、お世話になった人も多い銀座の地を中心に物件を探し始めたという。「物件は面と点、面は『商圏』で点は『物件そのもの』」と矢作氏。より良いものを求めて過ぎて探し続けるよりも、妥協点を見出すことも大事で「それがタイミングを逃さないことだと思う」と語る。「ここで始める」と決心し物件契約をしたのは6月初旬、チームを作り準備をかさねてグランドオープンを迎えた。

ターゲットは「海外も麻布も、楽しみを一巡した大人」。落ち着いた年齢を迎え「決められたフルコース」でもなくクラシックな「グランメゾン」でもなく「食べたいものを食べたい量だけ楽しみたい人」を、あたたかく迎えたいという。都心の真ん中に位置するビルの地下であっても「あたたたかさ」を表現するのに、いくつかの仕掛けが自然な形で功を奏している。例えばカトラリーは特注のテーブルの引き出しに1席毎に一通り揃えられ、そこから各々が使いやすいものを料理にあわせて選び食事をすすめていくスタイル。「カトラリーについては食事途中に新しいものをホールスタッフが並べることにも堅苦しさを感じ、逆にレストにお客様自身が戻して同じものを使い続けることにも違和感があった」と矢作氏。また空間面では奥の壁が稲穂をイメージしたデザインで凹凸のある土壁。「古典的過ぎずナチュラルな雰囲気を作りたかった」という意図で、アクセントにもなっている。

料理を担当するのは矢作氏と長年信頼関係を培ってきた、角 知憲(すみ とものり)シェフ。エルブジ等海外の一流レストランで修業を重ね、確かな技術と感性をこの地で発揮する。メニューはその日の新鮮な食材が並んだ「ショープレート」から、好みで食材を選ぶことが出来る仕組み。「軽い2軒目の立ち寄りも大歓迎、ワイン一杯や素材一品からでも気兼ねせず立ち寄ってほしい」と矢作氏。選んだ食材は希望にあわせシェフの手によって調理される。店名の「フィッツ」は「合う」「適合する」という意味の英語「Fit」の複数形、「多様な価値観」「時代の変化」フィットしていきたいという想いが込められていて、一連のスタイルもそのコンセプトに紐づいている。矢作氏はここでも「これは一次生産者向けのサービスではなく食材は私たちにとって手段のひとつ、それをツールとしてご来店のお客様に楽しんでもらうという考え」と明確な意識を持っている。「その上で『自宅では作れないような料理』『プレゼンテーション』を提供し目にも舌にも印象に残るものを目指す」と語り、レストランという場所に求められる非日常の基本を忘れない。更に個性的で注目したいサービスは、トッピング可能な「トリュフ」と「キャビア」。今までもレストランを利用する際に「トリュフをプラス幾らかでお付けできます」というセールストークに仰々しさを感じていたと言い、今回はこれらを原価に近い形で気軽に追加しやすい提案を試みる。

シェフが得意とする調理技術のひとつに、鴨やラムの肉の火入れがある。「シャラン産 鴨胸肉のロースト クラシックオレンジソース」(3,800円)はそれを存分に体験できる一品。数種のスパイスをあわせた蜂蜜で肉をコーティングし焼き上げた料理でパリッとした外周部分はスライスして添えられ、肉と共にその甘みと食感は癖になる。

様々なサービスと受け手の感じ方も多様化する昨今「受け身になり過ぎず、自分を出しながらコンプライアンスが言い合えるようなお客様とのフラットな関係づくり」というのが矢作氏の接客の心がけ。今までの数々のエピソードも聞くとその光景が思い浮かび、ホッとするものばかり。食材を選ぶスタイルも含め、サービスを受ける楽しみと料理の味、あわせて堪能できるレストランと言えるだろう。将来的には「独立にあたり勉強になったノウハウ」を伝えたり、独立志願者を広くサポートするような教育事業にも興味があるという。

店舗データ

店名 フィッツ ギンザ(Fits GINZA)
住所 東京都中央区銀座5-9-17 銀座あづまビルB1F

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アクセス 地下鉄銀座駅から徒歩3分
電話 03-6264-5588
営業時間 18:00~23:00(LO21:30)
定休日 日曜
坪数客数 16坪14席
客単価 15000円(軽めの単品利用や2軒目利用も可)
オープン日 2018年9月1日
関連リンク Fits GINZA(HP)
関連リンク Fits GINZA (FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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