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日本酒愛好家・直野秀治郎氏&飲食ヒットメーカー・ファンゴー関氏の最強タッグで、恵比寿に日本酒専門店「酒 秀治郎」がオープン

恵比寿の閑静な住宅街のなかの隠れ家的立地。基本的には完全紹介・予約制。今後、月に数回、一般予約日を設定予定
日本酒が美味しく見えるよう設計された、シンプルな空間。光の具合や家具のセレクトなど細部までこだわったデザインは、神谷デザイン(東京都目黒区)によるもの
提供するのは料理・日本酒込みの8000円(税込み)コース1本。家庭料理をベースにしつつ、日本酒の進む和食が楽しめる
名物の「竹の子のコロッケ 塩辛を添えて」。竹の子の歯ごたえが小気味よいアクセント
写真左から、同店プロデューサーの直野秀治郎氏、料理長の中島信也氏、女将の四ヶ所ひろみ氏、ファンゴー代表の関 俊一郎氏

(取材=大関 愛美)


6月6日、恵比寿駅西口から徒歩5分、閑静な住宅街に「酒 秀治郎」がオープンした。経営は、「グラニースミス」はじめとする数々の飲食店を展開するファンゴー(東京都世田谷区、代表取締役:関 俊一郎氏)。日本酒愛好家として知られる直野秀治郎氏と、ファンゴー代表の関氏がタッグを組み、二人三脚で作り上げた「日本酒好きの、日本酒好きによる、日本酒好きのための」日本酒専門店だ。

店名にその名を冠し、同店のプロデュースと酒のセレクトを務める直野氏は、日本酒好きの間ではよく知られた人物。本業はWEB制作会社の代表取締役を務めており、飲食業の経験は皆無という。しかし、日本酒好きが高じて、日本酒に関するセミナー等に参加したり、蔵元を訪ねたりするほか、さらには「ヒデジロウの日本酒会」と題し、蔵元を招いて日本酒を試飲するイベントをたびたび開催するほど。ついには、「誰よりも日本酒を愛している男子」を決めるコンテスト「Mr.SAKE」の2016年に開催された第一回大会では、準グランプリを獲得(ちなみにグランプリは五反田「SAKE story」の橋野元樹氏)。日本酒への並々ならぬ情熱の持ち主だ。

そんな直野氏は、友人である関氏と酒の席で「いつか『秀治郎』の名前を掲げた日本酒の店をやりたい」と夢を語り合っていたという。そして今年2月には恵比寿の同物件に巡り合い、その夢は実現することとなった。「これまで数々の日本酒に触れてきましたが、開業にあたり、自分にとっての理想の日本酒の楽しみ方とはどのようなものか? を徹底的に突き詰め、形にしました」と、直野氏。用意するのは、料理と日本酒のおまかせの8000円(税込み)のみ。料理は季節ごとに装いを変え、コースとして少しずつさまざまな種類を約15品提供。常時80種類ほどをそろえる日本酒は、気の赴くまま、お客が好きなもの好きなタイミングで好きなだけ楽しめるという内容だ。

同店では、3つのこだわりから成る、日本酒の飲み方を提案。1つ目のこだわりは「器」。テーブルには、ガラス、白磁、陶器の3種類の素材と形状の異なる酒器を同時にセットする。「1杯飲み終わるごとに次の1杯、というのではなく、一度に色々な種類の酒をテーブルに置き、お客さまの好きなタイミングで好きなように楽しんでほしい」という直野氏の思いからだ。

2つ目は「温度」。日本酒は銘柄によって冷や常温、燗にするなどは基本だが、同店では、銘柄ごとの温度管理をより細かく設定しているのが特徴だ。-3℃の氷温庫、3℃、10℃の冷蔵庫を備え、3つの温度でそれぞれの銘柄を適した温度で管理している。加えて、常温保存もする銘柄もある。さらに、燗は湯の温度を60℃と80℃で使い分けるというきめ細やかさだ。

3つ目が「抜栓」。直野氏は、「この抜栓についてはまだまだ勉強中なのですが」と前置きしつつ、「銘柄によっては開けたてだとお酒が固く味が閉じていることがあります。ある程度の時間が経つと味が馴染んで美味しくなることがあり、抜栓してからの飲み頃を各銘柄で見極め、最適なタイミングで提供したい」と話す。

「この3つのポイントは、日本酒を最もおいしい状態で飲んでもらうために、昔から行われている基礎。ですが、あえてベーシックなことをわかりやすいかたちで提案することで、改めて日本酒の魅力を知ってほしい」と直野氏はその狙いを話す。

料理は、和食で経験を積んできた料理長の中島信也氏を中心に開発。同店は日本酒が主役であり、「この料理にはこの酒を」というガチガチのマリアージュは意図しない。あくまで「好きなように日本酒を楽しんでほしい」という思いが根底にある。日本酒に寄り添う、ほっこりとした家庭料理をベースにした品を季節替わりで用意する。

こうした店づくりは、飲食経験はないものの、徹底的に磨かれた直野氏の“お客目線”をベースに、飲食業界での経験豊富な関氏の経営手腕が加わって完成している。物件選定や内装、メニュー構成に関してなど、随所に関氏の的確なアドバイスが加わり、より完成度の高い業態となっている。

「当店は日本酒初心者大歓迎。決してマニアックな店にはしたくなくて。むしろ日本酒に馴染みのない人の間口を広げてられる店でありたい」と直野氏。「海外にも展開できたらいいな、と思いますが、まずはこの店から発信していくことが最優先。現在、日本におけるアルコール飲料の消費量のうち、日本酒が占める割合はわずか7%という数字もあります。こういった、日本人が日本酒を飲んでいないという状況から、変えていきたい」と意気込む。開業からまだ数日にもかかわらず、直野氏の開業の話を聞きつけた人たちで店は連日盛況。日本酒シーンを語るには欠かせない一軒となる日も、そう遠くないはずだ。

店舗データ

店名 酒 秀治郎(さけ ひでじろう)
住所 東京都渋谷区恵比寿西2-10-8 1F

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アクセス 恵比寿駅から徒歩3分
電話 非公開
営業時間 18:00~23:00
定休日 日曜・祝日
坪数客数 15坪20席
客単価 8000円
運営会社 株式会社ファンゴー
オープン日 2018年6月6日
関連リンク 酒 秀治郎(HP)
関連リンク BISTRO BARNYARD ginza(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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