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荻窪のディープな酒場街、荻窪銀座商店街に新星「サカナとタナカ Iriguchi」が誕生。西荻窪の名店魚酒場のDNAと酒場の心意気が惹き付ける

エントランスの上の大きな意匠である木の板が際立ちを見せる解放感のある1階はスタンディングだ
2階も白を基調にナチュラルな木が映えるシンプルモダンなテーブル席の2階
おすすめは店主こだわりの日本酒。ポーションもたっぷりだ
左奥:お刺身の盛り合わせ。右奥:自家製の四角いさつま揚げ。手前:季節の野菜の昆布〆
右:店主の田中將貴氏。左:後輩で将来は独立希望の須賀紳太郎氏

(取材=にしやま とみ子)


荻窪北口に今も昭和の時代を残す中州、荻窪銀座商店街に昨年11月22日に出店した海鮮ネオ酒場「サカナとタナカ Iriguchi(いりぐち)」が早くも予約必須と話題だ。店主田中將貴氏がその日仕入れた鮮魚で造るスキルの高さが際立つリーズナブルな魚介料理がそのままコンセプトとなっている実力派の魚酒場だ。築地から仕入れる魚介は少しでも安く提供することにこだわる「うそのない商売」を実践する。

荻窪駅の北口に広がるロータリー脇に昭和の景色が残る中州の商店街。名高い老舗酒場から飲食業界のトップブランドの実力ネオ酒場まで、新旧の酒場が混在する荻窪銀座商店街は人気の酒場街と知られる荻窪の顔でもある。同店が構えるのは昭和のままの老舗大衆酒場や妖しいスナックが並ぶ一際ディープな路地だ。そんな周辺環境のなかで白をベースにナチュラルテイストの木を合わせたシンプルでおしゃれな空間は周辺に爽やかな空気感を放っている。1階は椅子の用意もあるが、基本スタンディングスタイルで6〜8名が可能なハイカウンター席。2階は12名のテーブル席の総坪数が約9坪の小箱だが、開放感ある環境から魚酒場らしいオーラが人を引き寄せる。

田中氏の飲食業界スタートはビルの立て直しで今は存在しないが、かつて新橋で実家が経営しいていた新潟のお酒と料理の店からという。その後、自らも足しげく通う西荻窪にある予約の取れないほど美味しい海鮮料理と日本酒で有名な魚酒場「しんぽ」(オーナー:新保至聴氏)へ。目利きから調理まで魚に関わる全てにおいてのスキルを重ね、さらに飲食店運営のノウハウを8年間、学んできたという。そしてついに当初からの目標であった独立を地元、荻窪で果たしたのだった。

同店で常時提供する料理はお刺身をはじめとした鮮魚料理にオリジナルまでを加えた50〜60種類近くと小箱店鋪としては豊富だ。毎朝仕入れる天然や旬にこだわる鮮魚のお刺身は10〜14種類(600円代〜1000円未満)。ベーシックな「サバ塩焼き」(950円)から高級魚の「金目カブト酒蒸し」(950円)。「焼きサバとたくあんポテトサラダ」(400円)に人気の「カニクリームコロッケ」(1ヶ450円)、正真正銘の自家製の四角「サツマ揚げ」(550円)といった定番ポジションから「活〆穴子と豆腐の揚げ出し」(1200円)のようにその日の仕入れ状況で造る料理まで並ぶ。ほかに野菜や肉とスパイス的な料理も揃え日々通えるような飽きのこない構成となっている。因みスタンディグの1階では一人客であれば可能な限りポーションをハーフにし価格も安くし提供する。

ドリンクはなくなり次第に入れ替わる日本酒がメインで冷たく呑むのは常時7、8種類とほかに燗酒向きも用意する。日本酒は自ら週2、3回ほど信頼する酒販店へ出向き、全体のテイストタイプをバランス良く仕入れるという。升にグラスで提供される日本酒は160ml〜180ml(650円〜800円代)とガッツリ系だ。ほかに「レモンサワー」(500円)や「緑茶ハイ」(400円)、焼酎なども用意するが、アイテムを絞り込んだ構成にしている。

築地との信頼ある関わりを大切にした仕入れと鮮度。選んだ魚介はどれも旨味を引きだした料理に仕上げること。そして可能限り安く提供する。それは「しんぽイズム」の継承と「うそのない商売」であることへの真摯なこだわりだ。そんな酒場の原点である心意気をしっかりと反映した同店は気軽に立ち寄れる日常使いの魚酒場として早くも地域で認知されている。2階のテーブル席はすでに口コミで人気となり予約必須となっている。お任せ一本のお店を構えることを将来の展望として見据える田中氏に期待だ。

店舗データ

店名 サカナとタナカ Iriguchi(いりぐち)
住所 東京都杉並区上荻1-4-4

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アクセス 荻窪駅北口より徒歩2分
電話 03-3393--0860
営業時間 17:00〜24:00
定休日 不定休
坪数客数 約9前後(1、2階合計)/1階は基本的にスタンディング6名〜8名、2階12席
客単価 3000円(1階)〜3500円(2階)
オープン日 2017年11月22日
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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