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100℃の熱々の蒸気が上がる中華セイロを自在に扱う荻窪「酒場 ななめ」。日本一熱いおしぼりと日本酒業界が最も注目の蒸し燗酒が味わえると話題

この先は住宅地という場所に構える店。蒸しの提灯が道案内ように際立つ
落ち着いた環境の店内。小箱ながらも一人からグループ利用まで対応する
セイロの熱々な蒸気で蒸すチロリに入れた蒸し燗
手前:3大名物の一つの「肉豆腐」。奥:10種類の野菜が楽しめる「野菜蒸し」
店主土井氏厳選の日本酒はコスパもセンスも高い
会話好きで気さくな店主土井利通氏

(取材=にしやま とみ子)


中央線沿線のなかでも大人の酒街として評価が高い荻窪南口に昨年11月15日オープン以降、早くも常連客で賑わいを見せる店主土井利通氏の「酒場 ななめ」。熱々100℃の蒸気が上がる3段重ねの直径48㎝という大きな照宝の中華セイロを万能調理器具のように使いこなす同店のコンセプトは蒸し料理屋の酒場と直球だ。名物は日本一熱いおしぼりを筆頭に熱々の蒸したての料理と1杯490円の日本酒。2時間じっくりと蒸し、さらに一晩、味を馴染ませ、提供時に再度蒸すとろけるほど柔らかくジューシーな骨付鳥は絶品。

大学を辞めた後、八王子にあった「汁べゑ」(運営:楽コーポレーション 東京都世田谷区 代表取締役宇野隆史氏)でアルバイトからはじまった飲食業界へのスタートだった土井氏。当初はさほど高い意識も持たなかったが、独立を目指し活き活きと働く仕事仲間達を見て飲食の面白さを実感したという。その後は自らも独立を視野にアルバイトのまま5年、飲食業のスキルを重ねてきた。楽グループから社員としても誘われたが、開業から運営までのノウハウを学ぶために当時の先輩であった西代龍哉氏と共に聖蹟桜ヶ丘「三太」を立ち上げ6年半を過ごした。「三太」開店以前には老舗イタリアンで本格的サービスなども学び目標であった独立に向け磨きをかけていた。そしてついに満を持して同店開業に至ったのだ。

セイロ蒸しは「三太」の看板でもあったことから、あえて聖蹟桜ヶ丘から距離のある場所として選んだのが荻窪。同じ中央線には楽出身者の独立店鋪が多くあるが、荻窪にはないことも選んだ理由の一つにある。知らない土地で知り合いも居ない場所という0スタートのチャレンジ精神から自分の店造りへの強い信念が感じられる。

蒸気が籠る中に仕込みを行った素材を入れおくだけで熱々で美味しい料理に仕上がるセイロ。そんなセイロを自在に使いこなし、フライパンを振るような調理作業なども必要とせずに酒場らしいシズル感を見せるのが同店の真髄だ。そこには仕上がりを計算した事前の仕込みに蒸し時間の調整、湯気の状態を瞬時に判断する土井氏の経験とプロの技があってこそである。そんな同店でまずは味わうべきなのが3大名物だ。味が染み、ホロホロと柔らかい「骨付鳥」(580円)。10種類の野菜それぞれの本来の旨味が際立つ「蒸したて温野菜」(680円)は3種類のソースで。そして酒場定番の「肉豆腐」(580円)。そして1個から100個までオーダー可能な蒸し料理の定番「蒸したて小籠包」(1個100円)がある。カウンターには直ぐでる「おばんざい」(各450円)の大皿を並べる。ほかにも「お造り」(時価)など本日の料理も揃える。合わせるドリンク名物はグラス490円均一で6種類の日本酒と5種類のレモンサワー。定番の銘柄、郷土の開運のほかは日々銘柄を変える日本酒はまろやかとなると業界が最も注目するセイロで温める「蒸し燗」(650円)でも楽しめる。レモンサワーは「いつもの生レモンサワー」(450円)に「塩レモンサワー」(450円)、レモンシャーベットを乗せた斬新な「シャーベットレモンサワー」(480円)までを揃える。

セイロの魅力の一つに、蒸している時間はお客さんに目を向け、コミュニケーションを深めるチャンスとなる土井氏はいう。一人でも二人でも、グループでも来るお客さんに楽しんで欲しいとの想いからだ。酒場が好きで誰よりも楽しむ自身の等身大の姿が反映されている。だから、店舗数を増やすよりも店鋪力を上げることが今後の目標という。

店舗データ

店名 酒場 ななめ
住所 東京都杉並区荻窪4-25-10

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アクセス 荻窪駅から徒歩3分
電話 03-6915-1719
営業時間 17:30〜24:00
定休日 火曜日(変更もあり)
坪数客数 9.6坪/22席(カウンター8席テーブル14席)
客単価 3500円
オープン日 2017年11月15日
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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