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学芸大学に「Bistro11」が開業。地産地消のオーベルジュや人気ビストロで研鑽を積んだオーナーシェフが、フレンチベースの料理&自然派ワインで地方食材の魅力を伝える

11月11日、学芸大学に「Bistro11(ビストロジュウイチ)」がオープンした。オーナーは長野「オーベルジュ・エスポワール」や都内「メグロ アンジュール」でシェフ経験を積んだ松浦真吾氏。日本各地の旬素材を使ったフレンチと自然派ワインを看板に、妻の恵さんと夫婦二人三脚で居心地の良いひとときを提供する。「四季を通して豊かな日本食材の魅力を伝えたい」という松浦氏に、開業への想いを聞いた。

学芸大学駅から徒歩3分。ネットで検索し、上昇気流所有の本物件を見つけたという。「外から様子が見え、お客様が入りやすいように」と入口はガラス張りに
調理の様子がよく見えるオープンキッチン。天井高は2m10㎝で開放感がある。「お客様の邪魔にならないように」とカウンター席の高い位置に食器棚を設置。高身長の松浦夫妻なので無理なく手が届く
手前の青皿が「季節野菜と豚肉のロティ」。左回りに「ハーブポテトフライ」(600円)、「魚介とゴボウのリゾット」「白いんげん豆のモンブラン」「お惣菜の盛り合わせ」。器はかねてより親交のある陶芸作家・石井啓一氏の作品を採用。温かな風合いが料理の色を引き立てている
「AMMERSCHWIHR」や「PIERRE FRICK」、などフランスの自然派ワインが中心。フルーティーで果実味が感じられる銘柄が並ぶ
オーナーシェフの松浦真吾氏。昼からの仕込みは松浦氏ひとりで対応し、夜の営業時から妻の恵さんと2人で切り盛りする

長野での修業経験で、地方ならではの食材の魅力に気づく

幼い頃から「手に職をつけたい」と考えていた松浦氏。料理の道へ進むため、調理師免許が取得できる高校へ進学した。就職先は、同じ高校の卒業生である藤木徳彦氏が経営する蓼科高原の「オーベルジュ・エスポワール」。地元食材を使ったフレンチで地域の魅力を伝え、ここでしか味わえない料理や空間でお客をもてなす藤木シェフは「地産地消の仕事人」とも称されるほど。松浦氏は「『エスポワール』では当初、ヨーロッパの食材を使っていたんです。ある時東京から来たお客様に『東京でも食べられる料理だ』と言われ、長野ならではの地産地消のフレンチを作るようになった経緯があります。実際に、朝は近くの農家さんで収獲を手伝い、すぐ店に運んで調理しお客様にお出しするような環境。料理を覚えるだけでなく、新たな食材を探して農家さんをまわることも多く、色々なことを経験できました。13年在籍しましたが、本当にあっと言う間でした」と当時を振り返る。

31歳で東京に戻り、目黒の「ヴェール ヴォレ ア トーキョー(現在は「メグロ アンジュール」に店名変更)」でシェフを務める。ここは自然派ワインを豊富に揃えるパリの大人気ビストロの姉妹店。松浦氏も渡仏し本店での経験を積んだ。「ワインセラーには2000本以上の自然派ワインを備えていました。『エスポワール』では五大シャトーのような王道のワインが主でしたが、『ヴェール ヴォレ』では料理もワインも異なるアプローチのものが多かった。昔から料理とのペアリング研究をよくしていましたが、ここでさらに自然派ワインの面白さを学びました」と松浦氏。その後代々木上原を中心に飲食店を複数展開する「シェルシュ」に36歳で入社。「AELU(アエル)」など系列店を合わせ2年ほど勤務した。同時に、20代の頃から考えていた開業を視野に動き始めたという。

馴染みのあるエリアを中心に、夫婦で切り盛りできる物件を探す

これまでの勤務経験から、馴染みのある目黒区近郊で開業したいと考えていた松浦氏。料理は松浦氏、接客は妻の恵さんが担当と、当初から夫婦で営業するつもりで、自分たちの目が届く小規模のテナントを探していた。もとはスナックだという7坪弱の物件は駅から徒歩3分、路地裏の落ち着いた立地だ。飲食店の開業支援を行う上昇気流の所有物件で、以前の勤務先「シェルシュ」のオーナーとも親しかったことから、同社で開業までの支援を依頼している。

外観、内観とも白を基調としたシンプルモダンな造り。カウンター席をメインに、奥には古木を使った温かみのあるテーブルを2卓配置する。こだわったのはモールテックス製のカウンター。「熱や水に強く汚れもすぐに落ちる。また、触れても冷たくないので、お客様が安心できるのではないかと選びました。料理も写真映えがするんです」と松浦氏。

自家製中心の料理と自然派ワインで、土地や食材の魅力を伝える

「Bistro11」の看板は、日本食材で作るフレンチベースの料理と、飲み心地の良い自然派ワイン。料理はコースではなくアラカルトで提供。「地方のおいしいものを東京の人にもっと知ってもらいたい」と、食材は長野県内の農家から直接仕入れるほか、仲介を通し、20軒以上の各地の農家から有機野菜を届けてもらっている。「ヨーロッパにも魅力的な食材はあるが、日本も負けていない」と、セリやシソなど日本由来のハーブや粒味噌といった和食材も取り入れる、優しい味わいのフレンチが特徴だ。

「お惣菜盛り合わせ」(1人前1200円)は、キャロットラペや締めさばで巻いたポテトサラダ、白子の茶碗蒸しなど四季折々の素材を使った5~6種類をひと皿に。メインは、低温で時間をかけて火入れした山形県産の豚肉に旬の焼き野菜を添えた「季節野菜と豚肉のロティ」(2300円)や、組み合わせの妙が光る「魚介とゴボウのリゾット」(1900円)など。デザートは長野の地元食材である白いんげん豆をペーストにし、メレンゲと合わせた「白いんげん豆のモンブラン」(800円)が人気。

松浦氏は「冬の時期は長野では野菜が採れないので、今は沖縄など南で収獲された食材を使っています。春になったら長野の山菜から始めたい」と目を輝かせる。

ワインはフランス・アルザスやジュラ地方など30種ほど揃える。銘柄の入れ替わりはあるが、グラスで700円~、ボトルで4500円~の価格設定。酒類はその他、クラフトビール2~3種 (各800円)、焼酎、日本酒(ともに600円)など。メニュー掲載はこれからだが、自家製レモンリキュールを使ったレモンサワー(800円)や酵素ジュース(600円)の販売も予定している。

「自分の店をもったら、自家製にこだわりたかった」という松浦氏は、パンやソーセージも手作りする。現在はバゲットとそば粉のパン、いちじくとクルミのパンを手掛ける。「今後はシュークロワッサン、食パン、カンパーニュなど、少しずつ充実させていきたい」と話す。年末には試験的にテイクアウトを実施し、来年1月からは土日祝日限定でランチをスタートする。そば粉のガレットやサンドイッチなど、ワンプレート1000円ほどで提供予定だ。

順調な滑り出し、今後は土日のランチやテイクアウトにも注力

11月11日、11席の店として開業した「Bistro11」。店名の由来は、ともに180㎝前後という松浦夫妻の身長。「ふたりが並ぶと11のシルエットに似ている」と友人から言われたことがきっかけになった。

オープンからおよそ1ヶ月。満席になる日も多く、順調なスタートを切っている。客層は30~50代が中心で、1~2人客が予約なしでふらりと来店する。客単価は4000円程度を予想していたが、実際は6000~7000円ほど。「ワインの注文が多く、他のお酒はほぼ出ません。『自然派ワインの店』と情報を得て来てくれる方も多いのかもしれない」と松浦氏。「学芸大学エリアは私たち夫婦とも愛着がある場所。常連さんが来てくれるような、地域に根付いたお店に育てていきたい」と今後の目標も語ってくれた。

(取材=田窪 綾)

店舗データ

店名 Bistro11(ビストロジュウイチ)
住所 東京都目黒区鷹番3-7-13

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アクセス 東急東横線 学芸大学駅から徒歩3分
電話 03-6412-8223
営業時間 平日17:00~24:00(LO23:30)、土日11:30~24:00(LO23:30) ※土日ランチは2021年1月スタート予定
定休日 不定休
坪数客数 6.8坪11席(内カウンター7席、テーブル4席)
客単価 6500円
オープン日 2020年11月11日
関連リンク Bistro11(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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