西荻窪南口、駅前から線路沿に酒場が軒を連ねる通称、戎通りとも呼ばれる呑んべい横丁に立ち飲み「stand kitchen Lepot(スタンドキッチンルポン)」が7月15日にオープンした。ドライな「Jack Sourジャックサワー」にソルティな塩味の「King Sourキングサワー」。甘みのあるスイートな「Qeen Sourクイーンサワー」と気まぐれな「Joker Soerジョーカーサワー」の4種類の自家製レモンサワーそのものが店のコンセプトだ。0次会から途中呑み、シメの1杯まで気ままに楽しめる店は、回遊呑みが多い横丁の立ち寄り酒場だ。運営は同じ西荻窪南でポトフを専門としたビストロ「bistro kitchen Lepont(ビストロキッチンルポン) 」の鈴木秀輔氏の2号店目となる。本店で人気の名物 自家製まぜそばもまた人気だ。
オーナーの鈴木氏は、5年後の飲食店オープンを目指し、15軒もの飲食店でスキルアップをしてきたという。そんな中で1年半勤めた恵比寿のおでんの専門店「金のおでん」で得た知識を元に2016年5月に洋風おでん、ポトフを専門としたビストロ「ビストロキッチンルポン」を西荻窪南にオープンさせた。ビストロでは恵比寿で知られた今はない自家製ソーセージの名店「あらびき」仕込みの自家製ソーセージと果実酢をベースにしたサワーも人気だ。その鈴木氏が2店鋪目の模索を始めた時に現在の物件と出会い、業態もスタッフも決定していないなか速攻で決めたという。「やきとり戎」の店が軒を連ねることからか、通称戎通りとも呼ばれる通りと平行する裏の柳小路には小さな個店酒場が集まり、夜毎賑わいを見せる二筋の横丁のほぼ角地はこれ以上ない優良な場所だ。ブルーグレーの壁に店内まで見通せる透明のスレート板のファサードは一見すると海の家のような簡易さで話題でもある。店内の天井もまた金物のスレート板仕上げで床は元倉庫の時代のままヒビの入ったモルタル仕上げ。鉄パイプの足に木のカウンターのシンプルな素っ気なさが立ち飲みらしいカッコ良くもある空間だ。それは意外やシニア世代の多い横丁で若い世代が気軽に立ち寄れる店にしたかった想いが込められている。
名物レモンサワーのベースは、皮を剥き輪切りにしたレモンの果肉をコアントローを加えた焼酎に漬け込んだ自家製レモン酒だ。それに強炭酸とカットレモンを加えた「ジャック」(480円)は若い男性をイメージする。塩漬けの国産レモンと自家製レモンシロップを加えた塩味の「キング」(580円)はシニア男性。自家製レモンシロップとカットレモンを加えた「クイーン」(530円)は女性。その時々の気まぐれで造る「ジョーカー」(時価)はイケイケという。4種類のレモンサワーはカチ割り氷にこだわる。カウンターに置かれたベースの自家製レモン酒は大瓶で造る新しい果実酒を継ぎ足し、日々味を深めている。「こうばし茶ハイ」(430円)とともに「中」(300円)を足すことが出来る「アールグレイハイ」(480円)はレモンティーをイメージに自家製レモン酒がベース。あえて生ビールは提供しない。フードの名物は「へべすと青唐辛子」(800円)、ピリ辛の「肉味噌」(850円)、「トムヤムトマトクリーム」(900円)と3種類のまぜそば。「牛スジと豆腐の煮込み」(500円)、「達人の唐揚げ」(300円)から気まぐれお惣菜「自家製コロッケ」(1個200円2個380円)、「自家製餃子」(380円)なども揃える。鈴木氏の出身地愛知県刈谷市名産の切り干しで作る「明太子と貝柱の切り干し大根」(500円)もおすすめとなっている。
2軒、3軒と酒場を回遊することも珍しくなく、立場、世代を超えて誰もが友人となれるという西荻窪。店長の津波古廉氏とは前店でスタッフと客の関係であり飲み友達でもあったという。そんな西荻でフラリと誰もが立ち寄れるフラットな場所であり、西荻の案内所を目指す同店。壁一面に飲食店をマークした大きな西荻の地図がハシゴ酒を誘う。店名の「Lepont」が意味する橋のように西荻の酒場エリアの架け橋として、鈴木氏と津波古氏は夜のイベントなど街が一体化するような様々な企画で街を盛り上げていきたいと考える。その最初が1号店で誰もが参加出来るユニークな年会開催。今後の活躍に期待である。
店舗データ
店名 | stand kitchen Lepont |
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住所 | 東京都杉並区西荻南3-11-5 |
アクセス | 西荻窪駅南口から徒歩1分 |
電話 | なし |
営業時間 | 17:00〜24:00 |
定休日 | 不定休(基本は年末年始) |
坪数客数 | 4,5坪・12人(外4人) |
客単価 | 1200円 |