JR池袋駅東口を出て、明治通りを首都高速の方へ歩くと、東口五差路交差点にたどり着く。周辺には、オフィスや飲食店、アパレルショップなどが点在しているが、池袋のメーンマーケットからは離れているため、人通りは幾分か少ない。そうした背景を持つエリアで、一軒の飲食店が話題を集めている。それが8月7日オープンした「NEW江戸前STYLE 本丁」だ。運営はM INTERNATIONAL(東京都中央区 代表取締役 菅谷光寿氏)である。
実を言うと、市場規模に対して、池袋には本格的な海鮮料理を提供する飲食店が多くない。今回、同店が海鮮酒場というスタイルを実現できたのは、プロデューサーの渡邉氏が築地市場で仲買人としてキャリアを築いてきたからだ。同氏は15年以上もの間、築地で目利き人としての腕を磨いてきており、飲食店のコンサルティングも手掛ける、いわばスペシャリストだ。同店では、そうしたノウハウを結集して、池袋という市場に殴りこむ。もともと、恵比寿や中目黒への出店も検討してきたが、渡邉氏の地元・池袋で「本当においしい飲食店を作りたい」という思いから出店を決意。素材の良さを生かした提案で、海鮮料理の魅力を広めていく。
今回、同店のオープンに欠かせない人物がもう一人いる。それが同社代表取締役の菅谷氏の存在だ。同氏はアパレル界では有名な人物で、渡邉氏とは20年来の友人でもある。実際、レセプションでは、有名アパレル企業から祝いの花が届き、店を訪れた業界関係者も多い。実は、同社は二人で創業した会社で、これまで数々の苦楽を共にくくり抜けてきた。菅谷氏が表舞台で活躍し、渡邉氏は屋台骨を支える。そうした役割分担を行いながら、二人の強みを生かして、成長を続けてきたのだ。
同店の何よりの特徴は、串を使ったメニューの提案だ。サバやつぶかいのガーリック、サーモンのタルタル、白身魚の照り焼きなど、魚介類を串で提案をしているのをはじめ、野菜や鍋でも串を使っている。具体的なメニューとしては、「さばの塩焼」(480円)や「金目鯛一夜干し」(1380円)といった定番メニューのほかに、カキやつぶ貝、ムールなどが日替わりで入る「本日のガチャンコ蒸し」(1480円)をはじめ、「かさごと貝のガチャンコ蒸し」(1480円)や天然ぶり(塩焼・照焼)」(780円)、「天然真鯛(塩焼・煮付け)」(980円)、「かさご(塩焼・煮付け)」(980円)など、その日仕入れた新鮮な魚介類を幅広い提案の中から楽しむことができる。
ドリンクでは、「キリン」・「オリオン」・「ハイネケン」・「コロナ」・「シンハー」の5種類が各650円でそろうビールや「生レモンサワー」・「梅干しサワー」・「ゆずサワー」などが各480円でそろうサワーが並ぶ。この他にも「本丁名物フルー酎」では、「キウイフル―酎」や「パイナップルフルー酎」、「トマトフルー酎」、「生グレープフルー酎」が各580円でそろう。なお、同店では日本酒にも力をいれており、冷蔵庫に入った30種類近くの一合瓶から飲みたい一本を選ぶこともできる。
今後のビジョンについて、渡邉氏は「2号店目、3号店目と展開していくことは考えています」と話すと、次のように続けた。「ただ、別のビジョンも抱いていて、いずれは城下町のようなものを作りたいですね。飲食店はもちろん、さまざまな商店がそろっていて、大人も子どもも夢中になって楽しむことができる場所をイメージしています。そもそも、“NEW江戸前STYLE 本丁”という店名には、先人が築き上げた素晴らしいものを継承しつつ、自分たちらしい提案を加えていこうという思いを込めました。古き良きものは守りながら、新しい提案を加えていく。その積み重ねの先で、次世代への文化の継承もできるのはないでしょうか」。「NEW江戸前STYLE 本丁」から池袋の街が変わり、マーケットの潮目も変わろうとしている。
店舗データ
店名 | NEW江戸前STYLE 本丁 |
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住所 | 東京都豊島区東池袋1-47-2 |
アクセス | 各線池袋駅から徒歩8分 |
電話 | 03-6912-5301 |
営業時間 | 17:00〜翌3:00 (L.O.翌2:00) |
定休日 | 日曜日 |
坪数客数 | 20坪 30席 |
客単価 | 4000円 |
運営会社 | 株式会社M INTERNATIONAL |
オープン日 | 2017年8月7日 |