9月25日、浅草に「博多串焼き ハレノイチ」が開業した。オーナーは、看板のない繁盛店として知られる「ジョウモン 六本木店」など、8店舗を展開するベイシックス(東京都港区、代表取締役:岩澤博氏)で10年半ほど修行を積んだ板木駿一氏。「ジョウモン 六本木店」や「MEAT 肉男 MAN(ミートマン)」の立ち上げにも参画したほか、「ジョウモン」各店の店長も歴任し、「ジョウモン」ブランドの確立に大きく貢献した人物だ。
そんな期待のベイシックス卒業生が、独立の舞台として選んだのは、西浅草の裏路地に佇む10.8坪ほどの物件だ。薄暗く、人通りは決して多くない立地だが、至近には老舗ホテルの浅草ビューホテルや、高層タワーマンションが存在し、浅草寺やかっぱ橋道具街などの観光スポットからも近い。「ベイシックスは、繁華街の中にある悪立地の物件で、看板を出さずに口コミだけで集客する手法を得意としていた。そのベイシックスの精神で、『この立地は絶対に化ける』と確信しました」と板木氏。
同店の看板商品は、板木氏がベイシックス時代に慣れ親しんだ博多串焼きだ。「名物 バラ」(216円)などの黒ブタ串が3品、「さがり」(324円)などの牛串が3品、「しぎ焼き」(292円)、「黒皮」(194円)などの地鶏串が8品のほか、バラ肉で野菜を巻いた野菜巻き串の「しそ巻き」(216円)、「はかたネギ巻」(248円)など8品がそろう。串以外のつまみには、インパクトある見た目でSNS映えを意識した「今酔のポテサラ」(594円)はじめ約20品、冬の宴会需要に向けて「炙りもつ鍋」(1人前1382円)も用意する。
同店がもっとも売りたいドリンクは焼酎。芋、麦、米、黒糖、栗など10種の焼酎に、レモン、梅干し、金魚などの7種のトッピングを用意し、すべて1杯540円で好きな組み合わせで楽しめる。「焼酎が売れない時代と言われていますが、ウーロンハイなど、居酒屋定番の人気ドリンクは焼酎を使ったものが多いように、焼酎は人々にとって親しみのあるアイテム。見せ方次第で、焼酎の魅力をアピールできると思ったんです。さまざまな組み合わせを提案し、焼酎が苦手という人にもおすすめしたい」と板木氏。さらによいことに、焼酎は原価が安い。アレンジ方法を豊富に用意することで付加価値を高め、商品力がありつつも粗利の高いメニューとした。その分のコストは、フードにかけて、全体として魅力的なラインアップにしていきたい考えだ。
「ベイシックスは六本木、渋谷、吉祥寺などのエリアに店舗を展開していますが、人情味あふれる東京東部の下町エリアで、『ジョウモン』のクオリティを表現できたらおもしろいなとずっと考えていました」と板木氏はこのエリアに出店した狙いを話す。「ジョウモン 六本木店」時代の店長を務めた際、近隣のホテルのコンシェルジュとのつながって外国人客を増やし、2011年2月には数ある関東の飲食店の中から、同店をトリップアドバイザーのランキングで1位に導いた。その経験から、同店でも同様に浅草近隣のホテルと連携し、外国人客の集客を行いたい意向だ。また、スタッフの育成にも意欲的な板木氏。「自分がベイシックスで教わったように、スタッフには居酒屋の楽しさを伝えたい。スタッフが楽しそうに働いていることが店にとってなにより大切。そうすれば、自然と人が集まってきて、次の店舗にもつながるはず」(板木氏)。3年後にもう1店舗という目標を掲げつつ、目下は地域に根差した店づくりが最優先だ。ベイシックスで学んだことを胸に、浅草で地域NO.1店をめざす板木氏の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
店舗データ
店名 | 博多串焼き ハレノイチ |
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住所 | 東京都台東区西浅草3-12-8 |
アクセス | TX浅草駅から徒歩3分、東京メトロ入谷駅・田原町駅から徒歩8分 |
電話 | 03-6324-9438 |
営業時間 | 17:00~23:00(L.O.22:00) |
定休日 | 水曜日 |
坪数客数 | 10.8坪26席 |
客単価 | 3500円 |
オープン日 | 2017年9月25日 |
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