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日本のクラフト、醸造酒を応援する「日ノモトビアパーラー」。 穏やかにネオクラフトビール時代を牽引する第5世代に注目

一見、カフェのような柔らかい構えでいて、大人の店らしい存在感を放っている



清々しい白に木の素材が映える落ち浮いたテーブル席
腰部分に日本建築の技を活かしたカウンター席。スタンディングでも楽しめる
手前:季節の魚のタタキ。奥左:いぶりがっこ入りポテトサラダ。奥右:牛のワイン煮込み
左:はエールはワイングラスで提供。
右:ラガー、ピルスナーはタンブラーで提供
左より:料理長の加藤誉孝氏。代表の田村大介氏。醸造塾の同期、阿川裕子氏

(取材=にしやま とみ子)


神保町に8月3日、国選クラフトビールを提供する本格クラフトビール専門店「日ノモトビアパーラー」がオープンした。コンセプトはクラフトビールをメインとした国産醸造酒の啓蒙と和の飲食文化を次世代へ繋ぐステーションだ。異業種、IT系ビジネスに携わっていた店主の田村大介氏が、ビール醸造に魅せられ起業した第5世代を代表する店である。

大学の街、出版と書籍の街。そして有名スポーツ用品店が集まる街として知られ、文化の拠点として名高い神保町。歴史があり、多くの人が集まることでファストフード店から老舗や有名飲食店が、数多くある飲食エリアだ。そんな神保町の賑やかな大通りから一本入った通りに構えるのが、同店だ。神社を代表する日本建築の様式をさりげなく反映させた空間は、一つには海外から見る典型的な和のイメージでもあるが、日本人の目に映る尊厳あるシンプルな美しさを表現した。さらに土、木、水といった自然を大切にする日本のマインドをデザインに反映した内装は柔らかな空気を醸し、ホッとするような寛ぎ感を見せる。

店主、田村氏はIT系のビジネスに赴いていたが、以前より飲食ビジネスへの興味を持ち、起業したという。ビール醸造への深い関心からクラフトビール醸造研修までを学び、ビアコーディネーター、ビアソムリエまでも取得している。それは将来、地方に醸造所を造り、クラフトビールを軸に情報、経済が交流する拠点として、東京と地方を繋ぐ新たなビジネス展望を見据えているという。秋田県出身の田村氏は、まだ知られていないものや、姿を消して行くような地域限定の文化、食の伝承と活性化へ取り組むことの必然性を改めて実感したからだ。そんな想いも背景にした同店は、国産のクラフトビールを筆頭に、日本の酒文化を支えてきた国産醸造酒、和の料理にこだわりを見せる。平日は15時から、土曜日は13時からと早くから開けるのも、仕込みなどですでにお店に出勤しているからという。しかし、その実、なによりも自分達が早くから飲みたいと営業スタンスは緩やかで自然体だ。実際に早くから来る人も多く、既に神保町の街に馴染む、街のビール屋だ。

10タップ並ぶビールサーバーから注がれるクラフトビールは、全て日本国内で醸造されたもので、銘柄やタイプは日々入れ替わる。青森県「Be Easy Brewing(ビーイージーブルーイング) 」から鳥取県「Daisen G Beer(ダイセンジービール)」。神奈川県「Brimmer Brewing(ブリマーブルーイング)」と北から南まで広がる。価格は1パイントのLサイズ1000円〜1400円。ハーフのMサイズ550円〜800円。グラスはタイプにより、ワイングラスなどスタンダードなビアグラスと使い分けている。こだわりの日本の醸造酒は純米造りの日本酒が6銘柄で、季節に合わせたタイプを揃える。秋田の新政酒造「亜麻猫」(900円)、秋田酒造「ゆきの美人吟の精」(800円)から、長野県の大信州酒造「大信州 秋の純吟」(800円)など7勺提供となる。日本ワインは5種類・125mlで600円から900円、日本酒をベースにした果実酒も提供する。

フードは前菜からボリュームのある料理を揃えている。お惣菜には茗荷と生姜をアクセントにした「切り干し大根の酢の物」(350円)、「本日の煮物」(350円)などが並ぶ。うち好み4種類を選びアソート出来る「お惣菜少しづつ盛り合わせ」(800円)もある。ほかにも「揚げたて厚揚げ(なめこおろし餡かけ)」(550円)。ボリューミーな「麹漬けスペアリブのオーブン焼き」(1400円)から黒板の本日のおすすめまでが揃える。

東京を中心に進むグローバル化は、なかなか地方へは届かない。一方、SNSがリードする情報は、地方にしかない魅力を東京、さらには海外までにも拡散する。そんなSNSをはじめとした、ウェッブコミュニケーションをITビジネスで培ったスキルとセンスで、地方活性を目指すビジネスチャンスを広げて行きたいと考える田村氏。これからの飲食ビジネスを支える第5世代の経営者だ。

店舗データ

店名 日ノモトビアパーラー
住所 東京都千代田区神田神保町1-44-8

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アクセス 半蔵門線 神保町駅より徒歩3分
電話 03-6273-7622
営業時間 【月~金】15:00〜23:30 、【土】13:00〜22:00
定休日 日・祝日
坪数客数 12.5坪・18席・スタンディング4〜5人
客単価 3000円〜3500円
オープン日 2017年8月3日
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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