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ブルックリンをテーマにした立ち飲みバー「The Bridge Bar&Lounge」が蔵前に登場 ブルックリンと蔵前をつなぐ“架け橋”となれるか

店の外からも中を見渡せるオープンな入口。店名の電飾が印象的だ
元倉庫だった物件をニューヨークのアトリエ風に改装。写真右手前はフラワーアーティストYuko Bito氏による額縁風の装飾だ
人気の「栃木産牛のローストビーフ」は、伊藤氏の地元栃木から仕入れる牛肉を使った品。写真のレギュラーサイズとハーフサイズを用意
ビール、日本酒に加えてワインはボトル・グラス合わせて29品を用意。このほか自家製の果実酒も好評を得ている
右からオーナーの伊藤真久氏、シェフの渡邊雄大氏

(取材=大関 愛美)


江戸時代からものづくりの職人の街として栄えた蔵前エリア。地元に根付いた職人に加え、近年では気鋭の若手クリエイターが活動の拠点として流入し、活況を呈している。そんな注目が集まる蔵前エリアに、ブルックリンをテーマにした立ち飲みバー「The Bridge Bar&Lounge(ザ ブリッジ バーアンドラウンジ)」が4月11日に開業し、話題を呼んでいる。

経営元のリバーヘッズグループ代表取締役の伊藤真久氏は、7年間、アパレル企業で会社員として勤めながらも、いつか自らの手で事業を興したいとの思いを抱いていた。これまでに培ってきた人脈やアパレル企業の勤務経験で身に着けた空間演出のセンスや接客スキル、また事業パートナーであり同店のシェフを務める渡邊雄大氏の料理人としてのキャリアを生かすことを考えた結果、飲食店という業態を選択。伊藤氏は勤務先を退社し、渋谷の立ち飲みバー「富士屋本店 ワインバー」で半年間のアルバイトを経験し飲食店のノウハウを学びながら同社を設立し、開業準備に取り掛かった。

当初は恵比寿など都内の西エリアでの開業を考えていたものの、希望に見合った空き物件が少なく、あったとしても家賃が高く物件探しは難航。そこで目を付けたのが、東京東部の下町エリアだ。クリエイティブな人々が集まる蔵前の雰囲気が、クリエイターが多く活動する街ブルックリンと重なり、伊藤氏が思い描く店のイメージと合致。さらに天井の高さやシンプルな長方形の形が気に入ったという現物件との出合いにより、この地での開業を決断した。

コの字形カウンターを囲んだ立ち飲みスタイルの「富士屋本店 ワインバー」の経験から、スタンディングの合理性を実感したという伊藤氏。開業の大前提として立ち飲みスタイルにはこだわった。「あえて席を設けずボーダレスな空間にすることで、当店のコンセプトである『人と人とがつながれる空間』を体現したかった」と伊藤氏。「ニューヨークのアトリエ」をテーマに設計された内装は、グレーを基調としたシンプルな空間。「店の主役はお客さま。さまざまなカラーを持ったお客さまが店内に入ることで、グレーの空間が色づいていくような店内にしたかった」と話す。また、店内には写真映えを意識した「インスタスポット」として、フラワーアーティストのYuko Bito氏による草葉の装飾を施した装飾枠を壁に設置し、「ここでお客さまが写真を撮り、それを拡散してもらえれば」(伊藤氏)と、SNSによる口コミ効果も狙った。

商品構成の軸は3つ。「ブルックリン、栃木、地場」だ。「チキンウイング(ホット)」(700円)、「ハラペーニョホッパー」(500円)など、ブルックリンで定番の料理に同店なりのオリジナリティを加えたフードが好評を得ている。また、伊藤氏の地元である栃木県産の素材を積極的に使用したフードもそろえ、「栃木産牛のローストビーフ」(1600円、ハーフ900円)は、栃木県産の牛肉を使用した看板商品。同じく栃木の有機野菜を使った「栃木直送有機野菜のグリル」(900円)も用意する。居酒屋でよくあるメニューにも、ひと手間をかけることで差別化を図っており、「フライドポテト自家製ケチャップ」(600円)は手作りのケチャップを添え、「自家製スモークミックスナッツ」(400円)は店でナッツを燻製するといった具合だ。ドリンクについてもフード同様に栃木のものを多く取りそろえた。「プレストンエールブルワリー」(栃木県河内郡)のクラフトビールを樽替わりで提供する「気まぐれ栃木のクラフトビール」(850円)、や栃木県の「天鷹酒造」の有機認定を受けた日本酒などがメニューに並ぶ。ブルックリンにまつわるドリンクとしては「ブッルックリンラガー」(800円)を樽で用意しているほか、地場である鳥越の日本酒もラインアップする。チャージやお通し代はなく、価格も税込み表示が同店のポリシー。手間は惜しまずとも可能な限り価格を抑え、客単価は2000円で、日常的な利用を促している。

現在は20代や30代の若い女性を中心に集客している。今後も認知度の向上が目標で、ランチタイムに店頭でテイクアウトのカレーの販売をしたことで、結果として営業中の夜の時間帯に店の前を通らない層への存在のアピールとなった。同様にPR効果を狙い、食品の宅配サービス「UberEATS(ウーバーイーツ)」でフードの販売を開始し、同サービスの利用者の来店を狙う。また、立ち飲みスタイルとの親和性が高い貸し切りパーティや、音楽ライブ、アート作品の展示会なども積極的に行いたい考えだ。
中長期的には、企業として新たな店舗展開も検討中。「人と人とをつなげる空間」を事業テーマに、飲食店という業態にとらわれない形で展開したいという。まずは「ザ ブリッジ バーアンドラウンジ」を地元に根付かせ、ブランドとして確立していくことが目標だ。蔵前に新しい風を吹かせる存在として注目が高まっており、同店が蔵前のブルックリン化の草分け的存在と言われる日も遠くないかもしれない。

※店舗外観、内観、フード・ドリンク写真の撮影は千葉正人氏

店舗データ

店名 The Bridge Bar&Lounge(ザ ブリッジ バーアンドラウンジ)
住所 東京都台東区浅草橋3-30-7 後藤ビル1F

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アクセス 都営浅草線 蔵前駅から徒歩5分
都営大江戸線 蔵前駅から徒歩10分
JR総武線 浅草橋駅から徒歩7分
電話 03-5809-3227
営業時間 ランチ【火・木】11:30〜14:00(テイクアウトのみ)、ディナー【火~金】18:00〜24:00 (23:00L.O.)、【土】17:00〜24:00(23:00L.O.)、【日】17:00-23:00 (22:00L.O.)
定休日 月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜日休)
坪数客数 25坪
客単価 2000円
運営会社 Riverheads Group株式会社
オープン日 2017年4月11日
関連リンク The Bridge Bar&Lounge
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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