4月20日に開業した、銀座エリア最大の商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」には241ものブランドが集結しており、旗艦店や新業態も多い。6階と13階を中心に集まる飲食店も最先端のブランドが集結していて、料理や接客、空間演出などで、クオリティの高い店が目立つ。“日本文化”や“高級感”といった同施設でしか味わえない時間を求めて、現在、訪日外国人客から近隣のビジネスパーソンまで幅広い方々が足を運ぶ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ますます注目度が高まるだろうGINZA SIXの中にコメール(東京都港区、代表取締役社長 西山慎也氏)が運営する「JASMINE 和心漢菜(ジャスミン ワシンカンサイ)」も入っている。同ブランドの展開は4店舗目となり、同店ではGINZA SIXという施設を生かした店作りを行っていく。
これまでもJASMINEでは、店のコンセプトを副題として掲げてきた。例えば、中目黒店は、中国江南地方の名菜や郷土料理などを提供するため「憶江南(イージャンナン)」とし、日本橋店では大衆的な中華のおいしさを追求するため「口福厨房(コウフクチュウボウ)」と名付けている。今回、副題として掲げたのは「和心漢菜」だ。JASMINEブランドを統括する山口祐介氏は、そこに込めた想いを次のように話す。「当店では、中華と和の融合を目指しています。ベースとなるのは、今までJASMINEが磨き上げてきた中国料理の技や考え方です。そこに日本の四季と美感、食材、そしておもてなしの心をかけ合わせて、一歩進化させた中華料理を提供していきたいと考えています。和心漢菜は私が作った造語で、そうした想いを込めました」。
そもそもJASMINEは、一号店目の広尾店と三号店目の中目黒店は、駅から少し離れた立地にあるため、来店の数日前に予約をした上で、わざわざ足を運ぶ客が少なくない。そのため特別な日に使用するニーズも高く、店側は“絶対に裏切れない”という緊張感を持って接客を行う。こうした積み重ねの結果、8000円前後の単価にも関わらずリピーターが絶えないなど、熱心なファンを多く持つ。今回はGINZA SIX内という立地のため、浮遊客がたくさんいる環境だが、磨き上げられたクオリティの高さが評価されて、口コミサイトでも軒並み高スコアを叩き出す。
同店では「JASMINE名物“よだれ鶏”総州古白鶏の蒸し鶏 特製香りラー油」(1780円)をはじめ、「おすすめ一口前菜六種 和心漢菜の重箱盛り」(1800円)や「和心漢菜 鯛めし」(1800円)、「鰻の黒炒飯」(2000円)、「四川×SUKIYAKI」(3000円)といったメニューが揃う。調理技術の高さはもちろん、和のエッセンスや食材の良さも追及しているので、これまでにない中華の魅力を感じられるようになっている。ドリンクでは、中華料理に合う日本酒とワインを用意して、新しいペアリングを提案していく。また、紹興酒も豊富なラインアップとなっており、「古越龍山」(グラス800円、デキャンタ2800円/陳年10年 グラス1400円、ボトル8000円/陳醸25年 ボトル48000円)や「塔牌」(福到甕出し900円、デキャンタ3200円/純酒10年 グラス2200円、ボトル8000円/麗美 グラス900円、ボトル3400円/陳年15年 ボトル12000円)、「石庫門」(石庫門5年 グラス1000円、ボトル4000円/石庫門8年 グラス1200円、ボトル4800円/石庫門12年 グラス1600円、ボトル6800円)など随時10種類は用意し、日本では珍しい銘柄も並ぶ。
同店でJASMINEは4店舗となるためか、ブランド創業時から働くベテランシェフは多い。そこに同店のオープンに併せて、現在、若手シェフが続々と入店してきている。両者を融合させれば、さらにインパクトの大きな展開も考えられるだろう。そうした背景を踏まえて、今後のビジョンを山口氏はこのように語る。「当店はGINZA SIX内にあるため、一生に一度の日本への旅行で当店を選ぶケースもあるでしょう。もしかしたら、当店のイメージがそのまま日本の印象として残ってしまうかもしれません。だからこそ、インバウンドを受け入れる責任を感じながら、クオリティの高い日本の中華料理を提供したいと考えています。お客さまの一生の記憶に残る店になれるように、しっかりとブランドを作り上げていきたいですね」。GINZA SIXという国内屈指の商業施設にオープンさせたことで、新しいステージに突入したJASMINE。今後、さらに盛り上がる中華料理のマーケットの中で、同店が特別な存在となっていくことは間違いない。
店舗データ
店名 | JASMINE 和心漢菜(ジャスミン ワシンカンサイ) |
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住所 | 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F |
アクセス | 東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」A3出口から徒歩2分 東京メトロ浅草線・日比谷線「東銀座駅」A1出口から徒歩3分 東京メトロ有楽町線 「銀座一丁目駅」9番出口から徒歩8分 東京メトロ日比谷線・千代田線、都営地下鉄三田線「日比谷駅」A2出口から徒歩9分 東京メトロ有楽町線、JR山手線・京浜東北線「有楽町駅」銀座口出口から徒歩10分 |
電話 | 03-6264-5571 |
営業時間 | ランチ 11:00~15:00、 ディナー 17:00~23:30 |
定休日 | 施設に準じる |
坪数客数 | 73坪 87席 |
客単価 | 8000円 |
運営会社 | 株式会社コメール |
オープン日 | 2017年4月20日 |
関連リンク | コメール(HP) |
関連ページ | JASMINE 憶江南(取材記事) |