出店ラッシュが相次ぐ恵比寿に、また新たなお店が誕生した。無薬飼育・無添加・無農薬の食材を使った恵比寿の人気和食店「イワカムツカリ」を経営するイマジニア(東京都渋谷区、代表取締役 内山昭氏)の2号店。11月22日にオープンした「寿司居酒屋 あげまき」である。
恵比寿の裏通りを5、6分ほど歩き路地に入るとそこはひっそりとした閑静な場所。隠れ家的な場所にありながら「あげまき」はしっかりとその存在感を醸し出している。内装は内山氏の希望通りのデザインという「蔵」をイメージした和テイストに仕上げられている。また落ち着いた雰囲気を、お稲荷さんのコンセプトで飾った壁の狐のお面がどこか愛らしく暖かい空間へと誘う。
内山氏は18歳の時に横浜で料理の世界に入りフレンチを学んだ。5年目にしてシェフとなりお店を任されたが、若さゆえの失敗や苦労も多かったという。27歳でフレンチでの限界を感じ、それ以降はフレンチ以外の他の料理も積極的に学ぶ。18歳の時から独立を考えていた内山氏は、本格的に海外事業・ブランディング・マーケティングを学びたいと、31歳でゼットンに入社。ゼットンの東京進出1号店「恵比寿 舌呑」から東京での出店立ち上げをすべて担当。2年後には総料理長に抜擢され、最後の仕事は同社稲本健一社長(当時)から名古屋店「小料理バル ドメ」の物件選定・コンセプト・メニュー作りをすべて任された。その後、念願叶い独立。2014年10月2日、恵比寿に「イワカムツカリ」1号店をオープンさせた。その2年後の現在、寿司居酒屋「あげまき」オープンと順調な展開を見せている。
こだわりは2つ。立地は駅から3分以内には出店せず、あえて駅から離れた裏路地を選ぶ。その理由を「お客様を招くコンテンツがあれば集客コストと家賃を抑えられ、その分素材原価にかけられる。『店づくりは街づくり』という事をゼットン時代に学んだ」と内山氏は語ってくれた。そして2つ目は食の安全性。「無薬飼育・無添加・無農薬にこだわったのはより安全なものが食べられるお店がほしいというお客様の要望から。『国産=安全』というのは神話で、飲食店としてどこまで『本当の安心安全』を追求できるか」という自らの食の安全性に対する強い使命感だという。そのためコストがかかる食材は生産者から直接仕入れたりと発注はバラバラで手間がかかるが、一つ一つの努力は怠らない。食材も無駄なく使い、余計なゴミを出さないなど環境面にも配慮しながら、原価率を下げることでイートグッドな理想のお店が実現した。
またメニューには米粉、米油で揚げたグルテンフリーの天ぷら(300円~)や米粉麺などもあり、一流料理店出身の料理長・於本秀樹氏らが握る、握り寿司(280円~)、「ウニと炙りフォアグラの創作特製いなり寿司」(690円)も人気だ。
ドリンクメニューは国産ワイン(グラス750円ボトル5,000円~)や、こだわりの日本酒が並ぶ中、いち早く酒粕にも目を付けた。まだ、あまり一般的には認識されていない「粕取り焼酎」を10種類(500円~)も揃える。これをソーダ割りにすることで日本酒とはまた違った、酒粕の上品な香りと旨みを同時に味わえる。食へのこだわりや健康意識が高いだけありドリンクにも抜かりはない。
今後の展開について内山氏は「大衆酒場ではないが庶民派のお店でいたい。新しい酒場を作りたい。愛着のある恵比寿の“人、街”が好きだから、将来は恵比寿ドミナントで、「老舗」と呼ばれる店づくりをしていきたい」と恵比寿愛を熱く語ってくれた。顧客に大きな安心感と満足を与える、明解なコンセプトと食へのこだわり。「人と食」への愛情があふれた新店は恵比寿の大きな波になりそうだ。
店舗データ
店名 | 寿司居酒屋 あげまき |
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住所 | 東京都渋谷区恵比寿西2-10-3 プラネックスアンベール 1F |
アクセス | JR線・地下鉄 日比谷線 恵比寿駅から徒歩6分 |
電話 | 03-6427-0486 |
営業時間 | 月~金11:30~24:00(L.O 23:00) 土・祝日15:00~23:00(L.O 22:00) |
定休日 | 日曜日 |
坪数客数 | 27坪・48席 |
客単価 | 5000円~6000円 |
運営会社 | 株式会社イマジニア |