東京・山の手の三大副都心のひとつである、池袋。駅を中心に大手百貨店や専門店、飲食店などが軒を連ね、最近は、焼肉の激戦区としても知られ、人気の焼肉店も多く点在している。そんな池袋の西口から至近のビル地下階に、富山で人気の豚焼肉専門店「BUTAMAJIN(ブタマジン)」(経営:大将軍、富山県富山市、代表取締役社長 本田大輝氏)の東京進出1号店となる「BUTAMAJIN池袋店」が8月24日にオープンした。同業態は、2014年に大将軍の代表である本田大輝氏が始めたブランドだ。今回は、その「BUTAMAJIN」の立ち上げに、本田氏と共に尽力してきた村谷幸彦氏の独立店舗でもある。
大将軍の代表・本田氏は、富山県出身で実家が精肉卸業と焼肉店を経営しており、その二代目となる。現在は、富山県を中心に3業態5店舗を経営。2014年からスタートしたブランド「BUTAMAJIN」は、厳選した国内外の上質な銘柄豚肉をさまざまな調理法や組み合わせで新しい食べ方を提案してきた。野菜で巻いて食べるサムギョプサルをはじめ、しゃぶしゃぶやステーキも、豚肉のおいしさを引き出すための一工夫がある。加えて牛肉に比べ豚肉は脂肪の燃焼を助ける効果がありダイエット向きであるなど、ヘルシーな要素も支持され、瞬く間に地元・富山で人気店となった。「豚焼肉専門店という業態を始めようとしたきっかけは、牛肉だけの焼肉ではBSEなど何か問題があった時に立ち行かなくなると思ったからなんです。その点、豚肉はそのような問題に左右されることが少ない。また、豚肉はいろいろな調理方法が可能なのでお客さん喜んでもらえると思いました」と、本田氏は話してくれた。一方、今回の独立店のオーナーとなった村谷氏は、高校卒業後に上京し飲食業界でのキャリアをしゃぶしゃぶ店や韓国料理店などで積み、25歳の時にレストランサービスを学ぶため、渡米。ホテルのサービスマンとして1年間の勤務経験の後に帰国し、縁あって、本田氏が当時新たに始めた「BUTAMAJIN」の立ち上げに携わったという。今回の東京進出1号店を池袋に決めたことについて村谷氏は、「焼肉激戦区だからこそ豚肉で勝負してみたい、豚肉の良さを伝えたいという気持ちがありました。また、池袋は、飲食業界の先輩が店を開いて成功した場所でもあるので、ここでチャレンジしたかったんです」と語った。
同店は、厳選した銘柄豚(岩中豚、アグー豚など)を豊富な調理法や組み合わせで新しいスタイルで提供している。脂がしっとりして甘みと旨みが特徴のアグー豚を使った人気の「しゃぶしゃぶ」(1280円)は、肉を柔らかくする酵素フルーツがたっぷり入った鍋が目を引きインパクトがある。自家製ポン酢とたっぷりの大根おろしでさっぱりしており、女性からのオーダー率も高い。「BUTAMAJIN名物!希少フィレ」(1680円)は、ジューシーでまろやかな旨みと深い味わいのあるコクがある岩中豚を両面焼き上げ、特製シャンピニオンソースがいいアクセントになっている。また、新鮮な野菜を使ったお替り自由な「サンパセット (お通し)」(400円)は、ドレッシングが入ったメイソンジャーに好みの野菜を入れシェイクするという目新しさがある。野菜がたっぷり摂れて作る楽しさもある。これは本田氏のアイディアから生まれたもので、見た目にも鮮やかなジャーサラダは、女性に絶大な人気を誇っている。そして、特筆すべきは、ベジタリアンでも焼肉が楽しめるよう、大豆からつくられた低カロリー・高たんぱく質のヴィーガンミートのメニューがあることだ。「L.Aヴィーガンミート」(1480円)は、しっとり焼き上げたヴィーガンミートを薄くてもちもちのカオヤーピンの上にのせて提供される。アメリカでの生活を経験した村谷氏ならではのメニュー構成だ。ドリンクも、新しい感覚のアルコールが用意されている。野菜カクテルと名付けられた、「3種の野菜のグリーンハイ」「フレッシュトマトソーダ」「パクチーモヒート」「コリアンキュウリハイ」(各450円)の4種は同店のオリジナル。ヘルシー志向の女性に受けている。
「BUTAMAJINをブランドとしてしっかり確立したいと思っています。富山であと3~4店舗、金沢で3~4店舗ほど展開していきたい。また、村谷の海外経験を活かして、海外での店舗展開も今後は視野に入れて行きたいと思っています」と展望を語る本田氏。本田氏と村谷氏、両氏の感性が化学反応を起こし続ける限り、「BUTAMAJIN」は今後さらに進化していくに違いない。