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日本酒の深さを味わいたく日本酒好きが密かに通う。2015年12月5日に茅場町にオープンした日本酒専門店「酒じゃらしの唄」は、小皿料理をアテに日本酒をじっくりと楽しむのが流儀だ

見過ごしてしまいそうな、小径に面した入り口の目印は縄暖簾と杉玉。隠れ家の名にふさわしい佇まいだ
1階は厨房を囲む古典的酒亭らしいカウター席。際立つのがお燗酒のための燗銅壷
路地を挟んだ向こう「Nico Chelsea」の存在感をガラス戸を通してさりげなく演出している
奥より時計回りに「煮穴子マッシュ」「ぶり大根煮」「鰯のなめろう」
料理長(右)とスタッフの方

(取材=にしやま とみ子)


茅場町の路地裏。2015年の年の瀬、12月5日に密かにオープンした「酒じゃらしの唄」は、常時約50種類以上のこだわり蔵の銘柄を揃え、常温、燗酒に力を入れる日本酒専門店だ。運営は個性的で質の高い業態を展開することで定評のある夢屋(東京都渋谷区、代表取締役小林研氏)。目指すのは居酒屋以上酒亭未満のポジションだ。本格和食料理人が作る小皿料理をアテにじっくりと日本酒を味わい楽しむ同店のコンセプトは女子の一人酒も似合う、大人仕様の酒亭であるという。日本酒マーケット活性化を促した市ヶ谷の日本酒専門店「あて」をはじめ、近々では神楽坂の魚料理と日本酒の日本酒酒場「酒ト壽」といったように、日本酒を愛でる古典的な酒場らしい空気感を大事にした独創的な日本酒専門業態造りで業界も注目する同社らしい日本酒の銘店だ。

茅場町の街の一角、通りから通りへと抜ける猫道のような路地に築60年以上という昭和の風情を残す建物に同店は構える。面する路地から、さらに横丁のような石畳の路を一歩入るガラリ戸の入り口には縄のれんが下がり、まるで以前からそこにあったような古典酒場のような雰囲気を放っている。オープンスタイルの厨房を囲むように設えたカウンターだけの1階は、典型的な和の意匠にこだわった古典の酒亭らしい落ち着いた雰囲気に仕上げている。カウンターで目をひく燗銅壺は、大阪の職人の手による特別なもので、燗酒を推奨する同店の立ち位置が明確だ。

作業する様が目の前に広がるシズル感のある厨房から提供される料理は、どれも日本酒を楽しく飲むための一品。おすすめは、小皿料理で楽しむといったコンセプトをそのまま形にした「おまかせ五点盛りの八寸」(750円)。料理長が厳選した旬の食材を軸にした日本酒のアテ、五品の小皿惣菜が楽しめる。定番の刺身は旬の鮮魚を常時5、6種類(500円前後〜)ライナップする。さらに酒友としたメニューには「出汁豆冨」(400円)「鰯梅煮、山椒煮」(600円)といったベーシックな和惣菜を軸に「カレイの唐揚げ」(880円)といった魚惣菜に、〆の太巻寿司「のんべい巻」(750円)などまでを揃える。

日本酒は約50種類、一合800円、グラス500円均一で提供する。冷たくして飲むタイプと常温、燗で楽しむタイプがほぼ同数という構成で、燗酒の美味しさを推奨する日本酒スタイルにこだわりを見せている。アイテム数は少ないが「レモンサワー」(400円)、「梅干しサワー」(450円)、「塩トマトサワー」(500円)、「塩レモンサワー」(500円)もなども日本酒のほかにライナップする。

わずか半間ほどの石畳の路を挟んだ隣。ガラスの引き戸越しに存在感を見せるのは、同社が同時オープンさせたジビエビストロ「Nico Chelsea」となる。実は、もともと、別棟であったのを前オーナーが一棟にしたこの建物。2階部分が繋がっているという変則的な形態となり、全く異なった業態が空間を共有する。その違和感ある環境を、なんと、どちらの店からも使用可能な二つの扉を持つトイレで繋ぐという大胆な遊びを持って個性に変えている。そこには、空間作り、シーン演出、メニュー造りと細部までを大事にこだわり、斬新な業態創りで注目されるオーナー、小林氏の存在は大きいと言える。

店舗データ

店名 酒じゃらしの唄
住所 東京都中央区茅場町3-3-3

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アクセス 東京メトロ 日比谷線 茅場町駅 2出口より徒歩3分
電話 03-3808-5566
営業時間 月〜金 17:00〜23:30
土   16:00〜23:00
定休日 日祝
坪数客数 20坪 21席(1、2階併せ)
客単価 4000円
運営会社 株式会社夢屋
関連リンク 夢屋(HP)
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※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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