2月6日、月島もんじゃストリートの入り口に、立ち飲み日本酒居酒屋「つねまつ久蔵商店」がオープンした。運営は、同店の店長として店に立つ“白鹿”治郎こと常松治郎氏だ。経営はフードアーキテクトラボ(東京都港区、代表取締役 鈴木悠太氏)が担う。(追取材:2016年12月より運営会社が「株式会社フードアーキテクトラボ」から「株式会社つねまつ久蔵商店」に変更)同店は常松氏の故郷である島根県をはじめとした山陰地方と、全国の若手蔵元の日本酒を常時70種類ほど揃える立ち飲み居酒屋だ。「日本酒を小難しく考えないで、誰でも、気軽に、自由に、楽しく飲める店がコンセプト」と常松氏。日本酒をオリジナルのカクテルにするなど、従来の飲み方にとらわれない新しい日本酒のスタイルを提案する。
常松氏は、飲食業界では「白鹿治郎」の名で愛され、誰もが認める日本酒の超敏腕営業マン。都内のあらゆる店に「白鹿」の一升瓶を並べてきた同氏の功績を、業界で知らぬ者はいない。そのような常松氏が「お世話になった人へ恩返しの旅に出たい」という言葉とともに、18年間つとめた辰馬本家酒造を退職。次なる目的地は、飲食店だ。「一般社団法人ごっつお倶楽部」という団体を立ち上げ、酒と食材を通じて地元・島根のPR活動にも取り組む同氏。故郷と今後の日本酒界を担う若手を応援したいという強い思いから、同店では、山陰地方と全国の若手蔵元の酒を中心に揃える。季節の造りと合わせて常時約70種類を厳選する。同氏の実家は明治から代々続く酒屋「地酒家 つねまつ」。島根県殿町に店を構え、地元に深く根付く老舗だ。ここからも日本酒を仕入れ、独自ルートだからこその入手できる希少な銘柄を置くのも同店の魅力だ。
「日本酒」は90mを380円から580円の価格帯で提供する。メニューには、味わいやタイプ、地域の特色などがそれぞれ細かく書かれており、初心者でも気負わず楽しめるように配慮されている。島根からは「李白 CARO 黒紫米仕込み」(李白酒造)や「賀茂福 死神」(賀茂福酒造)(各480円)、「美波太平洋 純米吟醸 佐香錦」(木次酒造、580円)など、他店にはない個性豊かな銘柄が充実する。ほかにも「寫楽」や「陸奥八仙」などの若手蔵元が醸すチャレンジングな日本酒も数多く取り揃える。これらを冷・燗の飲み方以外に、「ソルティーサケ」など日本酒カクテルとしてもすすめる。食事は「日本酒に合う肴」をテーマにメニューを考案した。料理の腕をふるうのは、都内の有名店で10年以上、料理人として腕を磨いてきた常松慶子氏。常松家秘伝の料理「鶏皮煮」(1本190円)、酒粕を入れた「酒蔵おでん3点盛り」(600円)、「バイ貝甘辛煮」(600円)など、どれも日本酒を引き立てる、創作性あふれるメニューだ。
同社は、同じくもんじゃストリートに1月25日オープンした「Shellman(シェルマン)」と合わせると、もんじゃストリートの入口と出口を押さえたことになる。「観光ニーズの高いもんじゃストリートにおいて、角打ちからもんじゃ、角打ちからシェルマン、その逆のもんじゃから角打ちや、シェルマンから角打ち、といった利用イメージを近隣の飲食店などと調和しながら新たなニーズを生み出していく計画です」と同社代表の鈴木氏は語る。続いて、常松氏も「もんじゃストリートのへその緒になる」と鼻息荒く続いた。東京オリンピックも決まり益々発展していく月島において同店のこれからの展開に注目したい。
【追取材】2016年12月より運営会社が「株式会社フードアーキテクトラボ」から「株式会社つねまつ久蔵商店」に変更。
店舗データ
店名 | つねまつ久蔵商店 |
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住所 | 東京都中央区月島1-6-12 |
アクセス | 東京メトロ有楽町線、都営大江戸線「月島駅」から徒歩1分 |
電話 | 03-6204-9740 |
営業時間 | 17:00〜24:00 |
定休日 | なし |
坪数客数 | 10坪 30席 |
客単価 | 3000円 |
運営会社 | 株式会社つねまつ久蔵商店 |
関連リンク | フードアーキテクトラボ(HP) |
関連ページ | Shellman(記事) |