東急東横線祐天寺駅東口から徒歩3分。ロータリーと駒沢通りを結ぶ駅前商店街の一角に、「やきとり晩杯屋」が10月28日オープンした。経営は、系列6店舗がいずれも坪月商50万以上を売り上げる人気せんべろ酒場「立呑み晩杯屋」や、「おでん八色」が絶好調のアクティブソース(東京都品川区 代表取締役:金子源氏)。今回の新店では、フードメニューの約7割が100円台という驚異的な価格設定で快進撃を続ける「晩杯屋」ブランドをさらに進化させ、今年7月に稼働した自社セントラルキッチンをフル活用した焼きとりメニューをラインナップ。店内の座席と立ち呑みコーナーに加え、焼き鳥の持ち帰りコーナーを設置した新業態により、2008年の設立以来、わずか7年で売り上げ高6億5千万円まで急成長した同社のさらなる成長と盤石化を図っている。
「もともと僕自身が焼き鳥好き。ひと串のボリュームはあまり大きすぎず、タレにしっかり旨みがある、そんな自分好みの焼き鳥屋をやってみたかったのです」と語るのは、同社代表取締役の金子源氏だ。同店の焼き鳥は自家製のタレ味のみ。国産のひな鳥モモ肉を使った「ひな鳥」(80円)や、刻んだせせりを練り混ぜた「つくね」(80円)、「レバ」(110円)などの串は、品川区内にある自社セントラルキッチンで自動串刺機を使って仕込みを行い、短時間で大量生産を実現している。さらに、店頭ではガスを電源にした自動焼き鳥器を導入。1回転が約2分30秒、1時間に500本の串を焼き上げることができるという最終兵器だ。どことなくレトロスタイルな見た目を持つこの自動ロースターは、テイクアウト受注時におけるファミリー層へのアピールや親しみ感を見込んで、北海道の焼き鳥チェーン店からわざわざ譲り受けたもの。同店の並びや駒沢通り沿いには個人店やチェーン展開の同業態が多く、周辺は“焼き鳥激戦区”ともいえるエリアだが、「晩杯屋」では一日の売り上げの2割~3割をテイクアウト需要で賄う戦略により、この立地のウィークポイント克服を目指している。
プライスゾーン80円~110円でラインナップする焼き鳥のほか、生牡蠣を使った「カキ酢」(250円)や「ポテサラ」(130円)、「チーズカリカリ」(150円)、「煮込み」(130円)など約40品のつまみは、いずれも立ち飲み系列同様に100円~350円以内と破格の値段設定。ジューシーで肉質の良さを感じさせる焼き鳥の串ものに加え、国産・手作りにこだわったこれらつまみのクオリティは秀逸だ。アルコール人気メニューの「トマト割り」や「緑茶割り」(各290円)、「ゴールデンチュウハイ」(250円)、ブラックニッカを業界最安値で提供する「樽詰めフリージングハイボール」(250円)などと併せても客単価は1400~1500円と圧倒的なクオリティをキープする。昨年オープンした同区内の超繁盛店「立ち呑み晩杯屋 中目黒目黒川RS店」からほど近い立地ということもあり、周辺住民への周知も上々で、今後は20坪・74席で差し当たり1日2回転・月商700万の達成を目指している。
「今後の祐天寺店での主な課題は、武蔵小山の仮店舗2階に引き続いて導入したPOS会計システムと、うちの店内オペレーションとの兼ね合いを図ること」と語る金子氏。そうした取り組みに向き合いつつ、今年12月末には、大田区大森に“大箱・低回転モデル”での新店舗出店を予定しているという。前年度は見込み通り売り上げ高6憶5千万円を達成した同社。今期は“低客単価・高回転モデル“の立ち飲み業態と並行して新たなビジネスモデル展開を軌道に乗せることで、売り上げ高11億円の達成を目指す。今後の同社成長のキーポイントの一つとなる焼き鳥業態第1号店のこれからに要注目だ。
店舗データ
店名 | やきとり晩杯屋 |
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住所 | 東京都目黒区祐天寺2-6-11 |
アクセス | 東急東横線 祐天寺駅から徒歩3分 |
電話 | 03-6412-8990 |
営業時間 | 月~金 15:00〜23:30 土日祝 13:00~23:30 |
定休日 | なし |
坪数客数 | 20坪 74席(カウンター10席・テーブル52席・エントランス12席) |
客単価 | 1500円 |
運営会社 | 株式会社アクティブソース |
関連リンク | アクティブソース(HP) |
関連リンク | アクティブソース 代表取締役 金子源氏 インタビュー(記事) |
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