「60分1500円(一部別料金)」で乙類焼酎が飲み放題。しかもセルフスタイルで料理は持ち込み推奨といった大胆豪快な焼酎専門店「しょうちゅうざんまい」(経営:平岩学氏)が池袋の美久仁小路に6月6日にオープンした。芋、麦、黒糖、泡盛、米などを原料とした乙類焼酎を約400種類も揃えた、池袋でも1、2を争う焼酎専門店だ。1階はオールスタンディング、2階は座敷席、3階はバルコニー付きラウンジ風仕上げの個室となっている。
池袋東口、ファストファッションショップやカラオケ店などが建ち並び、10代から海外の観光客まで多くの人で賑わいを見せる観光地と知られるサンシャイン60通り。その通りを一歩入ると、ラーメン店、飲食店に風俗店などが軒を連ねる雑然とした街の景色が広がる。そのような一角にあり、独創的な赤い門柱の先、昭和レトロな佇まいの飲食店が軒を列ねる美久仁小路のなかにある築60年以上の古民家をリノベーションしたのが同店だ。焼酎銘柄の名入れをした大きなノレンが小径に新しい空気を起こしている。
日本酒人気のなかで敢えて、焼酎で勝負したオーナーの平岩氏は、同じ池袋で100種類ものバーボンウイスキーを揃えたバー業態「BARSEED」と志村坂上で実父が仕切る喫茶店を運営している。飲食店経営をする身内の存在が、すでに14歳の時から同氏を飲食業への道を決定させていたという。調理師専門学校後、フランス料理店、エスニック料理店、バーを経て25歳で独立し、バーを3店舗、喫茶店を1店舗まで経営するほどになったが、紆余曲折あり現在にいたるのだ。そのような経験もあり、新店は気軽に立ち寄れる業態として立ち飲み店の立ち上げを目指したという。しかも日本酒が人気の今だからこそ敢えて焼酎を選ぶことで、池袋マーケットでの話題性つくりと潜在する焼酎ファンのニッチで深いニーズの取り込みがある。60分1500円の飲み放題は、60分以降は1時間毎に500円の追加というリーズナブルな価格設定で、たまに来る店でなく、日々通える店のポジションにある。また、約400種類も揃えた焼酎のなかからお客自らが選び、カップに注ぐといったセルフスタイルと、料理持ち込みの奨励は以前の経験からローコストな経営を目指したものだという。
1階のカウンターの上をはじめ、カウンターの内側にある棚、客席スペースの棚と見事に焼酎の一升瓶がずらり並ぶ様は圧巻だ。さらに、2階の座敷席はテーブルを囲むように、一升瓶を入れたケースが3段も積まれ、焼酎専門店として実力を実感させる。飲み放題は焼酎のほか、グレープフルーツ、レモンなどのサワー類、果実酒に加え、水、氷なども含まれる。「生ビール」(400円)、一部のプチプレミムアムとした「なかむら」、「赤魔王」、「中々」(各300円)などの銘柄、「ホッピー」(300円)、「ミネラルウオーター」(100円)などが有料ドリンク。セルフスタイルで飲む焼酎は、渡される焼酎用陶器のカップに好きな飲み方で、選んだ焼酎の一升瓶からポーションも飲める範囲で注ぐといった自由さ。料理は持ち込みを奨励するが、簡単なおつまみ「冷やっこ」、「さつまあげ」、「冷やしトマト」、「かんこくのり」、「カレー&バゲット2枚」などを全て300円と手軽な価格で用意している。
今後は、焼酎蔵元を招いての勉強会、なかでも小さな蔵や次世代の蔵元に目を向け、次の世代に焼酎を広めて行きたいと考える。最終的には、負けない強みとして1000種類の焼酎を揃えることを目指しているという。そこには閉塞感のある美久仁小路に新しい風を呼び込みたいと想いも潜むのだ。
店舗データ
店名 | しょうちゅうざんまい |
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住所 | 東京都豊島区東池袋1-23-5 美久仁小路 |
アクセス | 東京メトロ 有楽町線 東池袋駅より徒歩5分 JR池袋駅より徒歩8分 |
電話 | 03-5956-0083 |
営業時間 | 16:00〜24:00 |
定休日 | 日 |
坪数客数 | 17坪(1F〜3F併せ)+バルコニー3坪・48席(1F〜3F併せ、内1階20人) |
客単価 | 2000円〜2500円 |