恵比寿ガーデンプレイスの向かいにあるピンク色のアメリカンブリッジビル地下1階に、「CCB Seafood Restaurant&Bar(シーシービー シーフードレストラン&バー)」が1月17日オープンした。経営は、カニやシーフードの輸入・卸販売を専門とするアンドロス(東京都世田谷区、代表取締役 安藤治哉氏)。代表の安藤氏は「取引先向けのメニュー開発や、ロシア産のカニとシーフードを新たに取り入れる提案をしていく上で、こんなに味わい深いものなのに、実際にお客様に味わってもらう場所がなかったことが今回の出店のきっかけです」と出店経緯を話す。同社にとって初となる飲食店のオープンは、新しい提案を直接、客に試してもらえる場としての一面であると同時に、どんな反応があったかなど卸販売会社の立場として、取引先のサポートになるようにとの思いも込められている。
安藤氏は高校卒業後、モスクワ大学に留学する。卒業後に帰国したのち、有限会社を設立。2年後に増資し、現在も続く株式会社では、海外事業、ブランド事業、WEBサービスの3本柱で展開してきた。しかし、リーマンショック後に顧客と売上げが半減したことから、同氏は、ロシアと日本を繋ぐ主軸となる新しい事業を増やすことを決意する。その後、2008年にカニやシーフードに出会い、先の事業に加え、輸入と卸販売を開始し現在に至る。コンセプトは、「カニを中心とした『シーフードプラッター』の提案」。その理由を「ロシア産のカニの特徴は、鮮度が抜群に優れています。その秘密は、2つ。“船頭加工”という捕獲後すぐに冷凍することにより鮮度が保たれる方法と、“エアブラスト”という塩水でなく空気で凍結させることから、素材そのままの味が保てる方法にあります。これらの方法は、作業効率より品質を守ることを重視しているので、素材の味を丸ごと楽しむことができるシーフードプラッターの提案に通じるのです」と安藤氏は教えてくれた。また、カニを無心で食す雰囲気ではなく、例えば接待やデートの一環としても気軽に楽しめる食と空間を提供できるように、カニに切り込みを入れて食べやすくする工夫もしている。店内も海外の旅行に立ち寄った雰囲気を感じてもらえるような、居心地のよい異空間を意識している。
料理のオススメは、ズワイガニやタラバガニも盛り込まれた“シーフードプラッター”が目玉だ。なかでも珍しいのは、期間限定の生で食す「生いばらがに」というもの。超冷凍というマイナス20度から25度で凍結されたいばらがにを注文が入ってから解凍をかけることにより、通常の白いカニ肉でなく、透明でとろけるような生食感のカニをフレッシュに食べることが可能になる。また、シーフード料理の定番にも、独自のアイディアにより新しい食べ方を提案している。例えば「山盛りムール貝の白ワイン蒸し」(980円)は、ヨーロッパ風と、オリエンタル風の全く違う2種類の味を用意し、希望によりムール貝を食べた後のスープでリゾットを作り、2度楽しませてくれる。ドリンクは、シーフードに合わせることから、ビールの他にサングリアやワインが中心で、シャンパンやカバも人気が高いという。ワインは、フランス、イタリア、アメリカ、チリをメインに白5種と赤2種を「グラス」(590円~)「ボトル」(2500円~)で取り揃えており、今後さらに増える予定だという。
「今回の出店は、昨年12月10日に締結された日露2国間協定の影響でカニの輸入が減り、価格が上がったことで、元々カニを利用されていた方にも落ち込まずに元気になってほしいとの思いもあります。まだ具体的ではありませんが、例えばこの店をCCBレストランバーの本拠地として、他にシーフードバーベキューを中心に楽しめるレストランバーがあったら面白いなと思っています。カニやシーフードの素材に関しては語れるので、それらを中心にしたお店にしたいですね」と安藤氏は話す。卸業者の立場とレストラン事業者の二つの側面から業界を盛り上げようとしている同氏の今後に期待したい。
店舗データ
店名 | CCB Seafood Restaurant&Bar (シーシービー シーフード&レストランバー) |
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住所 | 東京都渋谷区恵比寿南1-23-8 アメリカンブリッジビル B1F |
アクセス | JR恵比寿駅 東口より恵比寿スカイウォークで徒歩5分 |
電話 | 03-6712-2823 |
営業時間 | 11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~Last(L.O.22:30) |
定休日 | なし |
坪数客数 | 45坪・70席(1F 50席 2F 20席) |
客単価 | 昼 980円、夜4000~5000円 |
運営会社 | 株式会社アンドロス |
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