ここ数年ブームが続き、専門店からは行列が絶えないパンケーキやフレンチトースト。人気店の出店が相次ぐ都心ではなく、下町の住宅地である葛飾区に、2月28日、新たなフレンチトースト専門店が誕生した。JR常磐線の亀有駅から徒歩5分にある大型商業施設の3階にオープンしたのは「The French Toast Factory(ザ・フレンチトースト・ファクトリー)」で、同店はロティサリーチキンで知られる「LA COCORICO(ラ・ココリコ)」などを展開するRYコーポレーション(東京都港区、代表取締役:横山藤雄氏)の新業態である。商業施設の中でも、映画館の目の前という好立地にあり、店の前を通る家族連れやカップルが必ず足を止めて、メニューや店内を興味深そうに覗いていく。オレンジ色の可愛らしいロゴと木目を基調とした居心地のよい空間で、「ファクトリー」という店名に合わせ、店頭からもガラス越しに厨房が見えるようになっている。
「実は、ブームになる前から、この業態を開発していたんです」と話すのは、同社の広報担当である小川結香氏だ。きっかけは3年前、同社の業態開発担当者が自宅で朝食用のフレンチトーストを作っていた時に、「この庶民的なメニューを、もっと特別なものにできないか?」と考え、研究がスタート。フレンチトーストの美味しさはアパレイユ(卵や牛乳などを混ぜたたね)をしみ込ませて焼きあげるところで、そのためにはある程度パンのキメが荒くないと適さない。キメの荒いフランスパンを使ったフレンチトースト店は多数あるため、オリジナルのパンを作ることにした。繊細で口当たりが良いパンをフレンチトーストにすると柔らか過ぎてしまう。アパレイユがうまくしみ込んで、しかも食感良く仕上げるため、試作に試作を重ね、オリジナルレシピのフレンチトースト専用パンが出来上がった。
オリジナルのパンで外はカリッと、中はスフレのように焼き上げるフレンチトーストは、まず「FTFクラシックトースト」(1200円)が基本だ。シンプルなフレンチトーストに、細かく泡立てた発酵バターや北海道産の純生クリームなどが添えられて、5種類の味が楽しめる。この他、山盛りのイチゴとピューレにブルーベリーをあしらった「ベリー・ベリー・ベリー」(1650円)などのスイーツプレート、とろりとしたポーチドエッグとチーズの「エッグ・ベネディクト」(1350円)、店内で作る自家製ミートローフと特製デミグラスソースの「ロコモコ・チェダー」(1400円)などのミールプレートがある。スイーツプレートのパンは厚さ4センチ、ミールプレートでは2センチとパンの厚みを変え、アパレイユの配合も変えており、全てにこだわったフレンチトーストである。また、オムレツやサラダなどの料理も提供している。
同社ではこれまで、ディナーをメインとした業態が多かったが、今回は、初めて朝から夕方にかけてがメインの業態となる。小川氏は「ブームのおかげなのか、集客だけではなくアルバイトスタッフの確保も、これまでと比べるととてもスムーズでした」と語る。これまでは、アルコールを提供する店が多かったためか、人材の確保が課題だったそうだ。集客も順調なすべり出しだが、今後の課題はディナータイムである。フレンチトースト専門店でも、施設に合わせて22時までが営業時間のため、ミールプレートやオムレツを前面に出すなど「ディナーにも使ってもらえるようアピールしていきたい」(小川氏)としている。
また、これまで都心に出店してきた同社にとって、郊外型の商業施設に出店するのは初めてだ。今回を皮切りに、神奈川や埼玉でも商業施設内に出店が決まっており、次のステージへ向けたRYコーポレーションの新たな挑戦が続く。
店舗データ
店名 | The French Toast Factory(ザ・フレンチトースト・ファクトリー) |
---|---|
住所 | 東京都葛飾区亀有3-49-3 アリオ亀有 3F |
アクセス | JR常磐線亀有駅より徒歩5分 |
電話 | 03-3690-3361 |
営業時間 | 10:00~22:00 |
定休日 | アリオ亀有に準ずる |
坪数客数 | 55.8坪 74席 |
客単価 | 1400円 |
運営会社 | RYコーポレーション |
関連リンク | RYコーポレーション |
関連リンク | The French Toast Factory |