池袋駅北口から平和通りを歩くこと8分。国道254号線にほど近く、板橋区の住宅地区と隣接している場所に、甲殻類専門店「Shrimp Bank(シュリンプバンク)」が2013年10月1日オープンした。同店は、オマール海老や甘海老などの海老類をはじめ、カニ、牡蠣、帆立貝、サザエ、雲丹などの魚介系の料理がリーズナブルな価格で楽しめることをコンセプトに、平日の深夜でも食事ができる店として地元の人や近隣同業者から支持されている。開店から約半年ほど経過しているが、客の半数以上がリピーターというからその人気振りがうかがえる。
同店のオーナー町田康朗氏は、創作居酒屋での料理長時代に和食のノウハウと創作料理への造詣を深めた。その後、焼き鳥業態に移り、鳥料理のベースを身に付けたという。この当時、客として来ていた長崎・平戸の海鮮仲買人や、神奈川・三崎の生産者とも知り合いになり、食材を直接仕入れるルートが確立したという。開業にあたり業態選択には多少迷ったそうだが、昨今のオイスターバーの流行や、海老、牡蠣が日本人の好物であることから、より価格を下げたリーズナブルなプライスで提供したいとの想いで甲殻類専門店としてオープンした。
メニューは、甲殻類や魚介系のみと潔く、肉類は一切ない。カウンター前の生けすから生きたままのオマール海老を選び、目の前で調理する「丸ごと活オマール海老のお刺身」(1800円)は、生きの良さが際立つ一品。さばいた後もその身がピクピクと30分ほど動くこともあるという。刺身を愉しんだ後は海老の頭を味噌汁にしてくれるサービスも人気だ。また「丸ごと活オマール海老のグリル」(1600円)は刺身に次いで人気のメニュー。どちらも新鮮なオマール海老の旨みを存分に堪能できる同店一押しの料理だ。気になる価格は、原価ギリギリで提供し、都内では最安値ではないかと町田氏自身も言うほどだ。また料理人としての同氏のアイディアが光る「甘海老ユッケのピータン豆腐」(550円)は、意外な組み合わせが絶妙な美味しさを演出し、常連客から絶大な支持があるという。注文を受けてから炊く「炊きたてエビカニミソご飯」(1300円)は、オマール海老の風味豊かな出汁が濃厚なミソとベストマッチ。深夜の食事でホッとする一品になること間違いない。牡蠣は、「本日の牡蠣(生or焼き)」とメニューに記載され、季節や種類にもよるが一つ190円からと、こちらも安心プライスで嬉しい限りだ。他にパスタ類や有機野菜のグリルなどが揃う。
ドリンク類も料理同様にリーズナブルな価格で提供され、グラスワインは400円から、またハイボールやチューハイなどは各350円となっている。中でもオーダー率が高い「アールグレーハイ」(350円)は、同店オリジナルのドリンクで、無糖ティーを使うことで甘さ控えめですっきり飲みやすく男女を問わず評判が良いという。ボトルワインは、50種類ほどあり1800円~4000円前後の価格帯。手ごろで味のバランスが良いものを揃えている。
実は、飲食店経営には余り興味がないという町田氏。今後の店舗展開についても、おもしろい業態、例えば青魚専門店などはやってみたいが、せいぜい3店舗くらいまでと話す。「これからは、中食やケータリング、料理教室や食育など生産者とコラボしたものを手掛けてみたいと思っているんです」と新たな展望を語る同氏。料理人時代に出会った生産者との絆が、町田氏の「食」への情熱を高め、生産者と消費者を“美味しさ”という形でつないでいる。今後どのような業態になってもそれを変わらず続けていくに違いない。
店舗データ
店名 | Shrimp Bank(シュリンプバンク) |
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住所 | 東京都豊島区池袋4-26-11 中本ビル102 |
アクセス | 各線 池袋駅 北口より徒歩8分 |
電話 | 03-6912-9331 |
営業時間 | 火~木・日 18:00~翌2:00(L.O.翌1:00) 金・土 18:00~翌5:00(L.O.翌4:00) |
定休日 | 月 |
坪数客数 | 20坪 34席 |
客単価 | 4,000円台 |
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