「恩返しとなるような店を作りたかった」伊勢丹出身の中村代表率いるトランジットジェネラルオフィスが12月5日、伊勢丹新宿店本館3階に進化系ビストロカフェ「BISTRO CAFE LADIES ＆ GENTLEMEN」をオープン！

2002年、外苑前交差点にカフェ「Sign」を登場させ、鮮烈的なデビューを果たし、2008年から“世界一の朝食”として名高いレストラン「bills」の運営を手掛けて来たトランジットジェネラルオフィス（東京都港区、代表取締役：中村貞裕氏）。昨年には、ミシュランスターシェフのアロマフレスカ原田氏とのタイアップが話題となったダイニング「THE THEATRE TABLE」を渋谷ヒカリエにオープンするなど、今まで39店舗ものトレンドスポットを築き上げた同社は昨年12月5日、伊勢丹新宿店本館3階に「BISTRO CAFE LADIES ＆ GENTLEMEN」をオープンした。 コンセプトはアートとファッションと飲食の融合。「百貨店は世界の良いものが集まってくる場所。街場に出すつもりでニューヨークでも青山でも通用するような、今までの百貨店にはない進化系のビストロカフェを目指した」と中村氏。「伊勢丹出身であることが信頼を生み、今の仕事に繋がっている。伊勢丹とそこで働く仲間に恩返しとなるような店が作りたかった。だから絶対に失敗出来ない。気合を入れて取り組みました」と語るように、この店は中村氏の集大成と位置付けられる。人気シェフとパティシエのキャスティングに加え、今の東京カルチャーを代表するクリエイターを集結し、夢の競演を実現させている。 フードプロデュースはフレンチビストロの第一人者でもあり、国内外の著名人にも多く顧客を持つ、人気店「オーギャマン・ド・トキオ」の木下シェフ。ケーキプロデュースは、パリを拠点として世界をリードする「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」の青木氏が担当。インテリアデザインは「bills」も手掛けているLINE-INC,の勝田氏。ロゴデザインはスタイリッシュな演出を得意とするPLUG-IN GRAPHICの平林氏、スタッフのユニフォームはNumeroUnoの小沢氏によるもの。壁面には、Martin Schoellerが撮り下ろした6名のLADIES ＆ GENTLEMENの肖像が飾られている。TOKYO PHOTOを主宰する原田氏のキュレーションによるフォトアートが、定期的に展開されて行く予定だ。ほかにも、コーヒー豆の選定はSTREAMER COFFEE COMPANYの澤田氏、フラワーデコレートはDILIGENCE PARLOURの越智氏、音楽はBEAMSの青野氏とスター揃いだ。そして、トータルディレクションはフロア全体のデザイン監修も担当しているGLAMOROUSの森田氏が行なっている。 店内は紳士と淑女の集う場所。古木を配した天井や古書が並べられた本棚、NYの最新ホテルを思わせるようなモダンなインテリアと、街角のオープンカフェのような開放的な雰囲気が特徴だ。男性メインで構成されている店舗スタッフも、ファッションブランドのケータリングを数多く行なうTRANSITならでは。外国人モデルを始めとしたグッドルッキングガイの多さが目を引く。 メニューは、ステージ上に見立てた厨房で繰り広げられる鉄板ビストロ料理が中心。百貨店の定番人気メニューであるハンバーグは木下シェフの厳選した国産和牛の熟成肉を使用し、トリュフ塩と合わせるなど、追求が重ねられたことで、「熟成肉の塩ハンバーグ」（1890円）の逸品となっている。その場で泡立てたメレンゲを合わせることでフワフワの食感を実現した、鉄板でダイナミックに焼き上げる「チーズスフレパンケーキ カリカリチーズと白トリュフのハニーソースまたはハチミツとフルーツ添え」（1260円）も人気。また、地下の食品フロアに出店する「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」で人気の高いケーキ6種を一度に味わえるアソートケーキプレート「デギュスタシオン」（1550円）は、百貨店である優位点を最大限に活かした取り組みだ。 今後は、店内の一部をイベントスペースとしてポップアップ店舗としての利用も視野に入れる。まさに本館からメンズ館への連絡通路にあって、紳士と淑女を迎え入れるにふさわしい、アートとファッションと飲食の融合が生まれている。また、3月に控えた伊勢丹新宿店全体のリモデルオープンに際し、本館2階にシャンパンバーとジュースバーの運営も受託する。 オペレーション事業としては、1月18日に新装・移転オープンした「メルセデス・ベンツ コネクション」のレストランとカフェのプロデュースを始めとして、年内に13店舗の展開を予定している。一流のレストランとタッグを組み、高いクオリティを提供するハード面と、3年以内に100店舗まで増やすことをイメージすることで「内部の体制作りやモチベーションの向上」といったソフト面の両方が揃った。今後は、100坪以上のオールデイダイニングのビストロカフェや、多店舗化が可能な業態の展開にも挑戦して行く構え。企業としては、現在、グループにケータリング事業や不動産事業、ITソリューション事業、人材紹介事業まで、全4社の子会社を内包している。ap bank代表の小林氏とのシェアオフィス「krukku home」の計画や、IT技術を使うプロジェクトマッピングやデジタルサイネージの企画等、話題性のある面白い企画が目白押し。また、「堂島ホテルやホテルクラスカに続く、おしゃれなブッティックホテルを仕掛けたい」と、中村氏は意気込む。目指すは、「空間創造総合企業」。故郷に錦を飾ったことが弾みとなり、より多方面に羽ばたいてゆく企業となっていくことだろう。

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