JR・東京メトロ恵比寿駅より徒歩1分の裏路地に、5月10日「居酒屋 佐藤」がオープンした。経営は、恵比寿で「スペインバル ガポス」、「ボデガス ガパ」、「地中海バル クアトロ」、「焼鶏 松本」、「アンティカ オステリア マジカメンテ」を、表参道で「スペインバル エル ヴエロ」を展開する、イーデザイン。代表の佐藤充氏は、専門店ではない居酒屋業態が、一番需要があると“スタンダード”な店を狙った業態を作り出した。「皆さん職業や年齢など、何かしらの共通点がきっかけとなり、親密な関係を築けますよね。佐藤という店名は、そのきっかけづくりの一つで、佐藤というありふれた名前の共通点が人を繋ぎ、その輪が広がればという想いを込めています。コンセプトは、雰囲気や格好を楽しむというよりは、気軽に好きなものを好きなだけ食べられ、気持ちよくお金が払える店です」と、佐藤氏は話す。 料理は、大衆酒場の和食をメインに取り揃える。馬刺は身の柔らかな会津産、牛肉は香川から直送する鎌田牛、豚の内臓肉は高崎から鮮度の良い状態で仕入れ、産直にこだわる。居酒屋の自由度を最大限活かすためにグランドメニューは置かず、日替わりメニューが料理構成の主軸。季節感も出し、夏のこの季節は「うなぎ 蒲焼き 特上」(2000円)や、さっぱりとした「大根梅煮冷製」(680円)などを揃える。「こんな大衆酒場で極上のうなぎや鴨などが食べられる。例えば、お客様に『スッポンが食べたい』と言われたら、それに対応できるお店でありたいです。この雰囲気だからこその緩さ、わがままが言いやすい環境を作ることが狙いですね」(佐藤氏)。和食料理店で鍛錬を積んだ料理長が、産直の高品質食材を用いて提供する料理の数々。「気軽にこういった料理を食べられる店がないので、良いものを安く提供できるように心がけています。これが佐藤流のスタンダード。一般的なスタンダードのレベルよりも上に設定することで、世の中のスタンダードのレベルを引き上げたいと考えています」と佐藤氏は言う。 ドリンクは焼酎を20種類、日本酒10種類、国産ワインを赤・白15~16種類揃える。メニューに合う国産ワインのイチオシは、山形で地元のぶどうを栽培し自家醸造している一升瓶ワイン「佐藤ぶどう酒」(デキャンタ1880円、グラス500円)。焼酎も店名にちなみ「佐藤」を白・黒各680円、麦580円で売り出している。ボトルキープできる焼酎4号瓶はオリジナルで用意。全7種のデザインを揃えた陶器のボトルでキープしてくれる。「良いものをなるべく安く提供したい」と、店長の小谷拓朗氏が言うように、毎月“佐藤の日イベント”を開催。3と0がつく日には、焼酎「佐藤」の白・黒・麦を1杯310円で提供する。店頭での告知のみでも、満席になる日が多いという。オープンから約3ヵ月。同店を「まだ発展途上の状態」と評する佐藤氏。料理は常に進化させ、美味しさを発信し続けたいという。また、「あえて特別なことはしません。実際はこだわっていても、それを全面に押し出すこともしていません。あくまでも、地域性重視の日常店を目指しているので、週一で来て頂けるお客様を増やし、リピート率60%以上を狙っています」と、今後について話す。 同店で7店舗目の出店となるイーデザイン。これまで、「地域にない業態」を考え、物件とその立地に合わせた業態開発を行なってきた。「もちろん、人材がいなければ出店はできません。ですので、スタッフそれぞれのやりがいと報酬が比例するような仕組みを作っています。福利厚生も完備していますし、各店それぞれの店長に責任を持たせて運営を任せています。店舗展開こそしていますが、仕組みは個店に近いと思いますね」と佐藤氏。売上げが良いときはスタッフに還元するなど、働きがいのある環境を築き上げてきた結果が、店舗展開の実現を可能にしたのだろう。 これまで、小規模店舗が多かったという佐藤氏だが、10月には目黒で40坪超えの大箱出店を計画している。「これまで狭い店が多く、人を抱えられなかったので、次の出店を機にスタッフをきちんと育てられる環境を作ろうと考えています。次の店舗でまた、展開を変えていく予定ですね」と、将来を見据えた出店を準備している。
店舗データ
店名 | 居酒屋 佐藤 |
---|---|
住所 | 東京都渋谷区恵比寿西1-8-2 ウエストパレスビル103 |
アクセス | JR・地下鉄恵比寿駅より徒歩1分 |
電話 | 03-6416-3703 |
営業時間 | 月〜木 17:00〜翌1:00(L.O.) 金曜 17:00〜翌4:00(L.O.) 祝日 17:00〜23:00(L.O.) |
定休日 | 日曜日 |
坪数客数 | 15坪・34席 |
客単価 | 4500円 |
運営会社 | 株式会社イーデザイン |
関連リンク | イーデザイン |
関連ページ | エル ヴエロ(記事) |
関連ページ | マジカメンテ(記事) |