5月末日に1600名を集客し、惜しまれつつも閉店した「ゼスト キャンティーナ 恵比寿」など、業界の話題を常にさらっていくグローバルダイニング(東京都港区、代表:長谷川耕造氏)がいよいよ、新店舗「LB6(エルビー シックス)」を六本木に誕生させる。場所は「カフェ ラ・ボエム 六本木」の跡地。取締役兼総料理長・小林庸麿氏率いるスタッフが、新たなるコンセプトを掲げた新業態を提案する。「これまで大型店舗でどんどん出店をしてきた中で、さらにグローバルダイニングを伸ばすためには、もう一度“原点に還った店舗づくり”をする必要がありました」と小林氏。“原点”とは、合理化されたチェーン店の料理やサービスでなく、プロ意識の高いスタッフを集め、質の高い料理やサービスを提供すること。「個人店にできない、チェーン店がやらないことをあえてチャレンジすることで、グローバルダイニングの強みを生かしていきたい」と、小林氏は同店の位置付けを話す。 料理は、“日本各地、世界中から選りすぐりの高品質な食材とユニークな料理を、リーズナブルに楽しむ”をテーマに掲げる。メインは、店内中央に設けられたオープンキッチンで、客の目の前で焼くグリル料理。豚肉は、有機栽培野菜を飼料として育てられた、群馬県の契約牧場から仕入れる。月に数十頭しか出荷できない豚肉を扱うのは、同店が都内初。その豚を一頭買いし安く仕入れることで、価格を抑えた。もも肉は自家製のハムにし、肩肉・バラ肉はソーセージにするなど、余すところなく調理する。牛肉は「タブローズ」や「ステラート」などでも提供している、同社自慢の「自社熟成ドライエイジングビーフ」を日替わりで用意する。恵比寿にある専用の熟成庫で55日間熟成されたビーフは、旨味が凝縮された定評のある逸品。その他、魚介類は伊豆下田港から揚がって24時間以内に届く新鮮さが売り。「漁港直送! 本日のお魚を好みの調理法で」と題したメニューは、南部鉄器の鉄鍋を使用したオーブン焼きやシンプルな炭焼きなど、客の好みで提供する。 調理には、欧米の先進的なレストランで取り入れられている、真空低温調理器“サーキュレータ”を採用。低温でじっくりと火入れすることで、旨味を存分に引き出した肉料理の提供を可能にした。この調理器具を使用した「キャンディーフォアグラ」(350円)は、見た目にもかわいらしくインパクトのある一品。その他「バーニャカウダ」(850円)で使用する木箱を模した器は、小林氏の手作り。こうした調理法や、ちょっとした楽しみのある盛りつけには、小林氏独自のアイデアとセンスが光る。 ワインは、同社のワインディレクターであり、ワイン界最高峰の資格と言われる“マスター・オブ・ワイン”の称号を持つ、ネッド・グッドウィン氏がセレクト。ユニークで高品質なものをはじめ、日本未入荷のものなど、世界中のワインをラインナップする。ボトルは2500円から、30~40種類を揃える。同店ではテイスティングとしても楽しめる2種類のカラフェを、400~1500円程度で提供。日替わりで15種類を揃える。「10種類はお店側で用意しますが、残りの5種類はその日来店したお客様の要望で開けます。ですので、ボトルがなくなったタイミングが合えば、お店にある好きなワインをカラフェで飲むこともできます」(小林氏)。スタッフにはソムリエ2名が常駐。その他のスタッフも全員がソムリエを目指しており、十分な知識を持っているためワインを勧めることができる。 「ただ安いだけのワインバーではありません」と小林氏は語気を強める。これまでの実績がある同社だからこそ、仕入れ先の開拓やコストパフォーマンスの高い値付け、さらには新業態に挑戦する勢いがあったのだろう。今の時代に即した、ハイクオリティカジュアルなワイン業態。「すぐに展開はできない業態ではありますが、ゆっくりと人材を育てて、伸ばしていきたいと思います」と小林氏は話した。
店舗データ
店名 | LB6(エルビーシックス) |
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住所 | 東京都港区六本木4-11-13 ランディック六本木ビル |
アクセス | 地下鉄六本木駅より徒歩3分 |
電話 | 03-3478-0222 |
営業時間 | 17:00〜翌3:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 25坪・55席 |
客単価 | 3500〜4000円 |
運営会社 | 株式会社グローバルダイニング |
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