中央線沿線を代表する吉祥寺は、住みたい街としても常に人気が高い場所だ。駅周辺には飲食街や物販店が繁華街を形成し、オフィスビルが建ち並ぶ一方、奥には住宅地が広がっている。また、吉祥寺には街を代表する井の頭恩賜公園があり、地元の人々ばかりでなく、ほかの街からも多くの人々が訪れる活気あふれる街なのだ。 その井の頭恩賜公園を抜けるように走る吉祥寺通りから、公園入り口へ抜ける沿道に「UNO」は位置する。通り沿いにプレゼンテーションするように、ワインボトルが並ぶセラーのファサードは、誰にでも“この店ではワインが楽しめる”と、一目でわかる。そう、「UNO」はカジュアルスタイルのワインと本格ビストロ料理を家庭的にアレンジしたオリジナル洋食が堪能できるワイン食堂だ。 “難しく考えずに気軽にワインを楽しむ”がコンセプトという「UNO」。「居酒屋的にワインを飲んで欲しく、そして自分流のスタイルで楽しんでください」とオーナーでありシェフの宇野広大氏は話し、「『UNO』は居酒屋が原点なのです」と続けた。そう、同氏は居酒屋の親父と慕われ、居酒屋文化に多大な影響を作った宇野隆史氏の次男である。子供の頃から「料理は楽しい」と語る父を見て育った広大氏は迷うことなく飲食の世界に進み、「『楽』が好きだから」と株式会社楽コーポレーションへ。楽グループの店舗で働くうちに、いつしか「楽」の基本スタイルを変えずに自分流のスタイルを作りたいと思いが広がるなか、楽グループの「汁べえ」閉店に伴い、独立に至り「UNO」を立ち上げたのだ。 カナダ育ちで本格フランス料理を学び、経験も積んだ広大氏。肉料理を中心としたメニューはフランス料理をベースに、広大流のアレンジと「楽」のエッセンスが息づく。 一押しの「真空低温調理したラムロースの炭火焼き」(1200円)をはじめ「手切りのお肉で名物!超粗挽き黒豚ハンバーグ」(880円)、「一週間かけて作ってます!自家製ソーセージ」(780円)などが並ぶ。前菜には「女性人気NO.1マスカルポーネのチーズ豆腐」(714円)、「DHCでヘルシー目の前でFIRE 炙り〆サバ」(880円)、「10種類の有機野菜のsalad自家製ドレッシング」(680円)とネーミングもユニークな女性向きな料理が並び、人気をよんでいる。〆のおすすめは「今日のシェフの気まぐれパスタ」。お客様の好みや要望に応えて作るこのパスタ、実は、お客様の気まぐれパスタでもある。 ワインはウオークインのセラーに、価格、重さ、品質を示したボトルが並び、温度管理も徹底されている。「お客さまの目で選んで頂くのが基本的なスタイルです」と広大氏、「そこからお客さまとのコミュニケーションも弾みます」と話してくれた。 グラスワインは赤・白450円~650円の価格でそれぞれ4種、加えて泡が1種で650円。ボトルワインは1980円から4000円台を揃え、価格カテゴリーで選びやすくなっている。 さらに、「自家製サングリア」をはじめ、「白いサングリア」、赤ワインとコーラーで作る「ディアブロ•ブラッド」といったワインカクテル(550円)も充実している。ワイン以外にチューハイ、焼酎、日本酒も取りそろえたアルコールメニューは「お客様の中にはまだまだ、ワインは難しいと考える人が多くいらっしゃいます。ですから無理をせず、まずは親しみのあるお酒からはじめていただきます」との思いがあるからだという。そして「次にさりげなく、ワインをお勧めします。このお店でワインを楽しむことを知ってほしいからです」と広大氏。 同氏は「和のイメージが大きい『楽』から、ワインを軸に『洋の楽』を広げていきたいと考えています」と今後の方向を語るも「業態はあくまでも居酒屋です。王道の居酒屋です」と続けた。広大氏にとって「楽」はやはり、原点なのだ。
店舗データ
店名 | Funky Cucina UNO(ファンキー・クッチーナ・ウーノ) |
---|---|
住所 | 東京都武蔵野市御殿山1-3-1 松山ビル1F |
アクセス | JR吉祥寺駅・井の頭線吉祥寺駅より徒歩5分 |
電話 | 0422-47-9465 |
営業時間 | 17:30〜24:00(L.O. 23:00) |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 20坪・45席 |
客単価 | 4000円 |