2011年4月29日。品川駅高輪口前に複合施設「SHINAGAWA GOOS」がグランドオープンし、近年開発の進む品川の街をまた一段と活気づけている。同施設は既存の「ホテルパシフィック東京」を改装して新たに生まれ変わったもので、都内最大級のビジネスホテル「京急EXイン 品川駅前」を核に、バラエティーな魅力あふれる飲食店も多数出店。「ホテルパシフィック東京」時代とはまた違ったラインナップで、現代ならではの魅力を訴求する。そうした中、「ホテルパシフィック東京」時代から40年にも渡って親しまれてきたバーをそのままの内装で営業し、古きよき時代の魅力を今日に伝えているのが「bar segredo」だ。 同店はエル・ディー・アンド・ケイ(東京都渋谷区、代表取締役・大谷秀政氏)が経営するセラーバーで、スペインの古城のセラーを思わせるレンガ造りの重厚な内装が特徴。店舗は施設の2階にあり、フロアの奥まった場所にある入口から店内に入ると、入口まわりの明るさとは一変してぼんやりとした暗さの通路が続く。そして客席フロアにたどり着くと、まさに古城を訪れたかのようなノスタルジックな空間が一面に広がる。天井高のあるアーチ状の天井や、飾り棚に並べられた燭台や花瓶、新しく導入されたシガーのケースなど、その一つひとつが巧みに交わり、ここでしか表現できない独特の空間を作り出している。また3階にも入口を設け、こちらは2階とは対照的に、まさしく古城そのものを造り込んだ階段を1段1段降りながら店内へと導くことで、お客の期待感を徐々に高めていく。 エル・ディー・アンド・ケイと言えば、いまから遡ること10年前。渋谷のセンター街奥に「宇田川カフェ」を開いて、“夜カフェブーム”を作り出した注目の企業である。同社は音楽レーベル事業からスタートし、その6年後には飲食事業にも着手していまや店舗数は9店舗にも上り、さらにはライブハウスも4店舗手がける。現在の事業内容は、音楽プロダクション業務、自主レーベル業務、CDプレス業務、音楽出版管理業務、そして飲食店経営業務と多岐に渡り、それでいてその一つひとつにおいて唯一無二の独自の魅力を打ち出している。 今回、「bar segredo」を開業するに到った経緯は、既存施設の閉鎖に伴ない40年の歴史あるバーも閉店することを聞きつけた同社代表取締役の大谷秀政氏が、このまま店が無くなるのは大きな損失だと考えて経営を引き継いだもの。オーセンティックバーとしてのこれまでの持ち味をきちんと守りながら、シングルモルトウイスキーやデザートワイン、さらにはシガーを新たに導入するなど、独自の魅力づくりに励んでいる。また、フードも「キノコのマリネ ローズマリー風味」(800円)、「ソーセージ盛り合わせ」、「自家製ピクルス」、「トマトと水牛のモッツァレラサラダ」(各1400円)、「ハムと生ハムの盛り合わせ」(1600円)、「チーズの4種盛り合わせ」(1800円)など、バーならではのメニューを充実。 店名はポルトガル語で「秘密」を意味し、まさに大人の客が都会の喧騒を忘れてホッとひと息つける秘密の空間を提供する。以前の店を知る、昭和の時代からの客も訪れるだけに、40年前と変わらぬ普遍の魅力の維持に余念がない。4月29日の「昭和の日」。施設のグランドオープンとともに開業を迎えたのは、まったくの偶然とばかり言えないだろう。昭和から平成へ、そして未来へ……。「bar segredo」は大人が集う店として日々極上の時間を供しながら、これからもじっくりゆっくりと、確かな歴史を積み重ねていく。
店舗データ
店名 | bar segredo(バー セグレド) |
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住所 | 東京都港区高輪3-13-3 SHINAGAWA GOOS 2階 |
アクセス | 京急・JR品川駅より徒歩3分 |
電話 | 03-5422-7891 |
営業時間 | 【平日・休日前の祝日】17:00~03:00(L.O.26:00) 【日・平日前の祝日】 17:00~24:00(L.O.23:00) |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 64.6坪、70席 |
客単価 | 3000~5000円 |
運営会社 | 株式会社エル・ディー・アンド・ケイ |
関連リンク | 株式会社エル・ディー・アンド・ケイ |