飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

ヘッドライン

“世界初の野菜スイーツ専門店”「パティスリー ポタジエ」のパティシエ 柿沢安耶シェフが、今度は畑の寿司屋「野菜寿し ポタジエ」を1月27日、六本木ヒルズにオープン!

柿沢シェフの女性らしい感性が凝縮された、見た目にも美しい「野菜寿し」
エディブルフラワーを用いた華やかさのある「ちらし寿し」
シックな色遣いで落ち着きのある店内。オープンキッチンを囲むカウンターからは、シェフの仕事を間近に見ることができる
畑の寿し屋「野菜寿し ポタジエ」をオープンさせた柿沢 安耶シェフ

(取材=小野 茜)


“世界初の野菜スイーツ専門店”として大きなブームを巻き起こした柿沢安耶シェフは、スイーツ界のヌーベルヴァーグとして、新たなスイーツジャンルを開拓した。2006年の中目黒「パティスリー ポタジエ」(イヌイ)は、いまだ唯一のブランドとして、オープン以来、今もなお注目され続けている。そのポタジエが、今度は野菜をつかった“寿し”を提供する店「野菜寿し ポタジエ」を、六本木ヒルズ内けやき坂通り沿いの1Fに、1月27日オープンした。
「スイーツから寿し?」という疑問の声も聞こえてきそうだが、実は、中目黒への出店が決まった当時から「スイーツか、寿しか」どちらの業態で店を開くか悩んでいたという。もともと肉を食べることが得意でない柿沢シェフ。大学在学中、フランス短期留学で料理を学び、フレンチの世界に飛び込んだものの、肉料理で内臓を出したり、毛を取ったり、残酷な事が苦手で、肉を食べることだけでなく、食肉そのものへの苦手意識が増幅してしまったという。そこで、肉を使うことがないお菓子の世界に方向転換をした。しかし、「食べて健康になる店」を目指す柿沢シェフは、ケーキだけでは表現できないと感じ、模索していたところ、ベジタリアンの食事法に出会った。まずは自らが実践し、自身の身体が健康になったことを実感。そこで「自分の店を持とう」と、野菜が新鮮で美味しい栃木県で最初の店を始めた。ここでは仕入れのため、自分の足で農家をまわり、畑に出向いて食材を調達。東京で生まれ育った柿沢シェフにとって、田んぼや畑は初めての経験、「野菜は生き物である」と実感し、その魅力を伝える店を作っていこうと決意し、2003年「オーガニックベジカフェ・イヌイ」をオープン。柿沢シェフに“野菜”というキーワードが生まれるきっかけとなった。
ではなぜ“寿し”なのか。もうひとつのキーワードは「米」である。日本人の食生活の洋食化などにより、米の消費率が減少。「このままでは、いつかお米が食べられなくなるのでは」と、危機感を覚えた。そこで、米を使ってつくる日本料理の“顔”である「寿し」を、日本各地の希少な有機野菜や伝統野菜によって再構築し、新しい米の食べ方を、日本はもちろん、世界へ発信する意気込みで「野菜寿し ポタジエ」の出店に乗り出した。
「野菜は調理することで美味しさが増す」というのが柿沢シェフの考え。“五法”と呼ばれる「焼・蒸・煮・揚・生」の技法を、野菜毎に最もふさわしい方法で手を加える。また、調理の過程で、バターやチーズなどの乳製品を使ったり、酢飯の酢には、徳島のゆこうと、高知の小夏という柑橘を、独自にブレンドした果実酢を用いる。更に、醤油だけでなく、トマトやバジル、豆乳、オリーブオイル、味噌などのソースを合わせるなど、世界に受け入れられる味を実現するため、和魂洋才の従来には全くなかった発想で挑んだ。たとえば、京都の伝統野菜をつかった「金時人参の軍艦」は、一見して“ウニ”だが、バターソテーした金時人参をペースト状にし、インドのスパイスやエルブドプロヴァンス(タイム・オレガノ・セージ・ローリエ)を加え、ケーキのデコレートさながら軍艦に仕上げるテクニックはパティシエの技がきいた、和洋融合のひと品。柿沢シェフにしか表現できない“寿し”といえる。
メニューはランチ・ディナーともに2種ずつのみ。ランチは、「野菜のちらし寿し」(1575円)もしくは「野菜のにぎり寿し」(2100円)、どちらもあら汁付。ディナーは、コースのみで「茜」(5250円)と「翡翠」(8400円)。「茜」は、「紫イモの自家製甘酒 お米と紫イモのチップス添え」「黄金かぶのリゾット」「茶碗蒸し ポタジエスタイル」の3品に、野菜のにぎりが一の皿から三の皿まで(各3貫ずつ)あり、最後に、玄米と麦を独自にブレンドした味噌をつかった、野菜出汁と精進出汁の“あら汁”がつく。「翡翠」は、2品目が「玉ねぎローストと穀物のサラダ」、3品目が「いろいろ野菜と蕪のテリーヌ 葉っぱと塩糀のソース」、そして「点心2品」が加わり、寿しも多少異なる。これらのメニューは当然、季節の移ろいとともに、収穫できる野菜によって構成される。
ドリンクメニューは、「秋田の無農薬ぶどうジュース」(600円)や「愛媛 無茶々園のポンカンジュース」(600円)などのソフトドリンク、アルコールでは「米」へのこだわりで日本酒のラインナップが充実。ワインは、ソムリエのセレクションによって、赤・白約10種用意されている。
絶滅が危ぶまれる希少な“伝統野菜”と、日本が誇る農産物“米”の命を繋ぐため、「野菜寿し」を通してメッセージを発したいと、高い志で挑む柿沢シェフ。2店舗目はニューヨークなど、海外への出店も視野に入れているという。これまでスイーツというジャンルで女性を虜にしてきたが、果たして「寿し」が新たな野菜コンテンツとして同様に受け入れられるか、今後のポタジエブランドの動きに注目したい。

店舗データ

店名 野菜寿し ポタジエ
住所 東京都港区六本木6-9-1
六本木ヒルズ けやき坂通り1F

 >> GoogleMap見る

アクセス 地下鉄 六本木駅より徒歩5分
電話 03-3497-8822
営業時間 ランチ11:00~15:00(L.O. 14:00)
ディナー17:00~23:00(L.O. 22:00)
定休日 無休
坪数客数 37席・33,4坪
客単価 夜 7000円~10000円
運営会社 株式会社イヌイ
関連リンク 野菜寿し ポタジエ
関連リンク パティスリー ポタジエ
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ


飲食施設の分煙環境整備補助金の取り組み
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.