「神屋流 博多道場」の香港出店で業界の注目を浴びる東京レストランツファクトリー(港区六本木、代表取締役・渡邉仁氏)は、12月23日、千葉県のイオン八千代緑が丘ショッピングセンターに同社カジュアル業態第二弾目となるセルフ式の名代讃岐うどん“のどごし一本”「三四郎」を初出店する。
“職人のまかないうどん”がコンセプトの新業態「三四郎」は、飲食業界クリエーターを監督に新業態を創りだす“ロードショープロジェクト”の新作。監督は、「なだ万」で実力を発揮し、中村孝明ARIAKEにて中村孝明の片腕として調理部長を務めた尾田原真二氏である。現在、同社「料理屋 三船」の料理長であり、今回は、同プロジェクト初の自社制作企画として話題を集めている。
今回のプロジェクトで、同社社長の渡邉氏は“日常食になり得る業態”を条件に設けた。ただし、“日常食”とは「低価格業態」ではなく「来店頻度の高い業態」。不況による外食頻度の低下が課題となっている昨今、1回の客単価という概念ではなく「客単価×1ヶ月の来店頻度」で売上を伸ばす業態に着眼。そこで「料理屋 三船」尾田原料理長の企画「三四郎」に白羽の矢が当たった。
「三四郎」の売りは、セルフ式で一杯300円前後とリーズナブルに食べられる“職人のまかないうどん”。“まかない”とは、日本料理人にとって最大の修行の場。そこにある食材だけで日々バリエーションをつけ、先輩や親方に食べてもらう料理を創る。いわば、原価率を考えてメニュー創りをする業態開発と同種の能力が必要な場である。
「我々は、その人間が創るまかない料理を食べれば、腕がどの程度か、どんな食生活を育ったのかが一瞬で分かります。それぐらい“まかない”は料理人にとって重要なモノなのです」と尾田原料理長。一時、仕事の関係で香川に住んでいた尾田原料理長は、その間讃岐うどんを相当食し、さらに料理人の創るまかないうどんを食べる機会も多かった。その当時をヒントに今回の企画を発案。
同店の一押しメニューは、尾田原料理長が実際に、鍋の後に作っていた“柚子豆乳うどん”や中華料理屋と競い合っていたことから生まれた“黒ごまタンタンうどん”、ほか女性好みの“クリームトマトうどん”など、7種のまかないうどん(430円~)。かまたまやざるといった定番の讃岐うどん(280円~)も加え、全22種が揃う。サイドメニューの肉巻き(200円)やかき揚げなどのトッピング(80円~)、さらにかま玉+丼(500円)など、セットメニューも展開。
イオンモール内46坪68席の店で、客単価600円。月商1000万円を見込む。
「うどんはもちろん、肉巻きやいなりなどのトッピングも、とにかくいちいち旨い。試食した瞬間、驚きました。回転数重視のため、オペレーションは徹底的にシンプルに、原価率も抑えているのに関わらず、まったくセルフのレベルじゃない。これぞ職人技です。まず八千代で目標月商の達成と業態確率。ライセンス展開は様子を見てからですね」と渡邉社長。ロードショープロジェクトの今後の展開に関しても、「このプロジェクトは売れる業態を創りだし飲食業界におけるディレクター(監督)の地位を確率するのが目標。いい企画でさえあれば、今後も、社内からの提案も積極的に起用していきます」と話す。
先日、香港の現地企業とタッグを組んで初出店した「神屋流 博多道場」の動きも上々。国内外への積極進出で勢いのる同社は、プロフェッショナルの力を集約させた売れる業態作りにますます力を注入。繁盛業態を生みだし、その後拡大戦略を図るというビジネスモデルを、着実に確率しつつある。
店舗データ
店名 | 名代讃岐うどん「三四郎」 |
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住所 | 千葉県八千代市緑が丘2丁目1番3 イオン八千代緑が丘ショッピングセンター内 |
アクセス | 八千代緑が丘駅から徒歩1分 |
電話 | 047-450-5554 |
営業時間 | 9:00〜22:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 46坪68席 |
客単価 | 600円 |
運営会社 | 株式会社東京レストランツファクトリー |