10月21日、京王八王子駅から徒歩30秒の場所に、直営19店舗目となる「ととしぐれ 八王子店」をオープンさせたサブライム。2006年6月設立の同社の代表取締役は、28歳の花光雅丸氏。いま注目の若手経営者である。
同社は今年に入り、「ととしぐれ武蔵境店」を皮切りに半年間で直営店舗を9店舗出店。今月30日には平塚、11月10日には川口に、新業態となるもつ鍋・手羽先・馬刺しの店「エビス」をオープン予定で、年内に21店舗になる計算だ。これまで1号店を創業した吉祥寺エリアを中心に出店してきたが、「芳蘭」(東日本橋)、「串揚屋」(つつじヶ丘)、「生ハム」(新宿6丁目)、「えんがわ」(溝の口)など、出店エリアを郊外にも広げている。
花光氏の出店戦略は単純明快だ。まず立地に関しては、「乗降客数3万5千人以上、駅徒歩2分以内、坪家賃2万以下。路面店ならスケルトンもありだが、2階は居抜きだけ」。そしてスケルトンでの内装費用は、坪あたり30万以下、居抜きでの内装費用は、坪あたり8万円以下に抑える。初期投資とランニングコストをできるだけ抑え、その分は成果を残せる従業員、お客様に還元するのが同社の方針だ。初期投資は、スケルトンなら1年以内に回収、居抜きなら6カ月以内に回収が目安。そのため、例えば厨房機器・什器は中古品を倉庫に大量にストックしておき、出店ごとに運んで使用。内装デザインも自社で行ない、華美な装飾は一切しない。今回の八王子店は新築マンションの1階だが、40坪で家賃は50万円。11月10日にオープン予定の川口の店舗も、駅徒歩2分、2階63坪で家賃は50万、フリーレント2ヶ月半の居抜き物件。初期投資500万以内でオープンし、最長4ヶ月以内での回収を目指すという。居抜きなら初期投資=月商が、最近の出店モデルだ。
今後の目標を伺うと、「30歳で70店舗、33歳で年商100億、50歳で1000億円」と、数字がスラスラと返ってきた。100店舗までは1都3県への出店を中心に、その後は全国へと出店エリアを拡大し、ライセンスでの展開も進めるべく、現在そのためのビジネスモデルを構築中だという。幼いころから、これと決めたことには一直線の花光氏。来期の年商23億を目標に、2010年も出店スピードは揺らぐことがなさそうだ。
(プロフィール)
花光雅丸(はなみつ まさまろ)
1981年和歌山県生まれ。青山学院大学在学中はアルバイトに明け暮れ、4年間で1000万円を貯める。卒業後、南紀白浜で開いた屋台がビジネスモデルの原点となる。上京後、レインズ・インターナショナルで「土間土間」の店長を1年間務め、05年11月に東京・吉祥寺に屋台「sublime吉祥寺本町店」を開業。06年6月、株式会社サブライムを設立。
店舗データ
店名 | ととしぐれ |
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住所 | 東京都八王子市明神町3-22-7 |
アクセス | 京王八王子駅から徒歩1分 |
電話 | 042-644-9928 |
営業時間 | 日~木17:00~翌3:00 金・土・祝前日 17:00~翌5:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 40坪・80席 |
客単価 | 3,000円 |
運営会社 | 株式会社サブライム |
関連リンク | 株式会社サブライム |