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起業支援のあきない総合研究所が、クラウドキッチン「Coworking Kitchens松戸」を開業。初の試みとなる飲食特化ビジネスにかける想いを、代表の細野耕平氏にインタビュー!

3月31日、千葉県松戸市にクラウドキッチン「Coworking Kitchens松戸(コワーキングキッチンズ マツド)」が開業する。運営は、あきない総合研究所(大阪市中央区)。1997年の創業以来、ベンチャー支援や起業者向けのレンタルオフィス運営などを続けてきた同社だが、飲食業界に絞った事業は初挑戦だ。昨年6月に創業者からバトンタッチした若き新社長の細野耕平氏から、今回の事業にかける想いと可能性、今後の展望について、インタビューした。



Coworking Kitchens松戸
あきない総合研究所(大阪市中央区)が運営するクラウドキッチン(ネット注文に特化した、客席を備えないキッチンのみの店舗)。施設内は4区画に分けられ、それぞれに厨房機器が備えられている。利用プランは「月額制の完全個室キッチン」と「時間単位で使えるシェア型キッチン」のふたつで、利用者のスタイルに合わせて選べる。住所:千葉県松戸市稔台7-7-7


あきない総合研究所 代表取締役社長:細野耕平氏
1985年大阪府生まれ。在学中に、あきない総合研究所の創業者で前代表の吉田雅紀氏の講義を受けていた縁から同社でインターンを始め、卒業後に入社。2020年6月には吉田氏から代表の座を受け継ぎ、「Coworking Kitchens」のクラウドキッチン事業を開始する。

Coworking Kitchens
あきない総合研究所

―まずは、あきない総合研究所がどのような会社なのかを教えてください。

1997年に前代表の吉田雅紀がベンチャー支援事業の会社として立ち上げました。それ以来、起業支援型シェアオフィス「katanaオフィス」の運営や、そのフランチャイズ展開、企業や行政の起業支援プロジェクトのプロデュースなど、現在に至るまで一貫して起業・独立支援に関わる事業を続けています。数多くの起業支援に関わってきた当社ですが、飲食業界に特化した事業は今回が初めてです。

―では、クラウドキッチン開業に至った経緯も聞かせていただけますか?

3年ほど前に吉田がニューヨークへ渡った際、現地でUber Eatsなどのデリバリーが流行していたのを目の当たりにしたことがきっかけです。当時、日本では今ほどデリバリービジネスが浸透していなかったので、衝撃を受けたと言います。同時に、客席を置かないデリバリー専門のクラウドキッチンというものがあることも知りました。吉田は、このビジネスモデルは、当社が培ってきた起業支援のノウハウとも相性が良いと考え、帰国後すぐに事業計画を立て始めました。

―細野さんは、その話を聞いてどう思いましたか?

吉田から話を聞いた瞬間、私自身も「これだ!」と感じました。というのも、私には飲食店を開業した友人がいるのですが、彼の開業に至るまでの苦労と、店を始めてからも「失敗できない」というプレッシャーに苦しむ姿をずっと見ていたんですね。開業まで長い期間、歯を食いしばり、少しずつお金を貯めて、やっとのことで店を持っても、もし失敗したらというプレッシャーが付きまとう。従来の飲食業界における独立って、ハードルが高すぎると感じていたんです。だからこそ、開業や撤退へのハードルが低いクラウドキッチンのビジネスモデルは、きっと飲食業界の常識を変えられると感じました。ですので、今回の開業は吉田と私の3年越しの夢と言えますね。

飲食業界のビジネスは初めてだったので、計画のブラッシュアップや資金調達には苦労しましたが、もともと2019年から松戸市のシェアオフィス「MATSUDO Start up Office」を行政から受託運営していたご縁があり、松戸市の事業支援を受けられたことで開業に至りました。

松戸市は、都心に勤めている人が帰る街。ベッドタウンであるため世帯数が多く、デリバリーのニーズは高いと睨んでいます。物件自体も住宅街に囲まれた場所にあり、周囲に競合がなかった。事業を開始する場所としての条件も、かなり良いと感じました。


(新京成電鉄新京成線みのり台駅から徒歩6分、大通り沿いに立地する)

―具体的に「Coworking Kitchens松戸」の特色を教えていただけますか?

「Coworking Kitchens松戸」のキャッチフレーズは「この料理で明日から独立しよう」です。その言葉のとおり、「レシピ」と「想い」、「料理人の腕」があれば、リスクを最小限に抑えて飲食店開業の夢を叶えられることを強みとしています。

まず、業種や目的、稼働時間など、自身のスタイルに合わせて利用できるよう、プランを2種類用意していることが特徴です。ひとつは、従来からあるクラウドキッチンのビジネスモデルを踏襲した「月額制の完全個室キッチン」で、こちらはデリバリー専門店の開業などに向いています。もうひとつは「時間貸しのシェア型キッチン」で、こちらは短時間の利用で仕込みやメニューの試作、本格的な開業前のチャレンジ、動画撮影などを行える、より低コストで気軽に利用できるプランです。

また、キッチン設備や厨房器具などはすべて当社で用意しているので、初期投資を限りなく抑えた開業が可能です。開業のハードルが低いことと同じくらい撤退のハードルも低く設定しています。限りなく小さな原状回復費用で次の再チャレンジにつなげていただけます。

 
(3坪ほどのキッチンを4区画備える。各区画には商品受け渡し用の小窓が付いている)

さらに、当社の得意とする起業支援のノウハウを活かして、法人営業による販路開拓や各種デリバリーサービスの登録サポート、販売データの収集と分析といった戦略面でのフォロー、そして経営相談や講師を招いてのセミナー企画なども行う予定です。特に、今回の「Coworking Kitchens松戸」に関しては、松戸市と連携して事業に取り組めますので、そちらのネットワークもフルに活かしたい。料理人の方々が、料理のことだけを考えられる環境を作ることが目標です。

―今後は、どのような展開を考えていますか?

まず、この「Coworking Kitchens」を利用する料理人を全力でサポートし、ビジネスモデルとしてしっかり確立したい。都心や地方を問わず、ビルオーナーと手を組んで、日本全国、果ては海外進出も視野に入れた多店舗展開を考えています。ゆくゆくは、「Coworking Kitchens」で開発されたレシピが世界中に広まっていくことで、独立を志す料理人の方々に、開業の先にも、新しい夢や目標を作っていけたらと思っています。利用者の皆様が、失敗を恐れず、自分の好きな料理を伸び伸び作り続けていける環境を作るため、同じ気持ちで寄り添えるパートナーになっていきたいですね。

―ありがとうございました!

Coworking Kitchens
あきない総合研究所

(取材=高橋 健太)

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