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ゴーストレストラン研究所が西麻布に移転リニューアル。ますます過熱するゴーストレストラン業界で、“食のデジタルマーケティング企業”としてトップを走り続ける!

目黒区の住宅街にある間借りキッチンでデリバリー専門にて営業する「ゴーストキッチンズ」を運営するゴーストレストラン研究所(東京都港区、代表取締役:吉見悠紀氏)。数多く存在するゴーストレストランの中でもずば抜けた業績をあげ、メディアでも多数取材が入るなど注目を浴びた。2020年6月、同社のキッチンが西麻布に移転。広さは約3倍となり、年商1億円を目指し“食のデジタルマーケティング企業”として、さらなる拡大を目指す。



吉見悠紀氏
ゴーストレストラン研究所 代表取締役。広告代理店を退社後、AKINDOを設立。日本企業のアジア進出促進を目指し、マレーシアを中心に食材の輸出やPRイベントを行う。その後、社名をeat worksに変更し、有名シェフのマネジメント、食のPRを担当。2019年1月から1キッチン複数業態型のゴーストレストラン、「ゴーストキッチンズ」を運営するゴーストレストラン研究所を設立。

ゴーストキッチンズ

5坪の間借りキッチンから、3倍の広さに移転リニューアル!

フードデリバリーが普及して久しいが、実店舗を持たずにデリバリーのみで営業する「ゴーストレストラン」も同じく広がりを見せている。多くのゴーストレストランがある中、ずば抜けた実績を誇るのが、ゴーストレストラン研究所が運営する「ゴーストキッチンズ」。2019年1月、広告やマーケティング業界出身の吉見悠紀氏が立ち上げゴーストレストランで、駅から徒歩10分はかかる目黒区の住宅街にある間借りキッチンで、サラダやチキンオーバーライス、スンドゥブなど7業態を営業する。順調に業績は推移し、そこでは月商500万円を達成するまでに。フードスタジアムでも記事で紹介した。

≪フードスタジアム記事≫

5坪のキッチンで7業態が営業、月商500万円。いま話題のゴーストレストランのトップランナー、「ゴーストキッチンズ」代表・吉見悠紀氏インタビュー

この記事を皮切りに、各種メディアや有名ビジネス系テレビ番組の取材が殺到。そして2020年4月には、トリドールホールディングスはじめ3者からの資金調達を実施。その資金をもとに2020年6月、キッチンを西麻布に移転し、リニューアルオープンを果たした。

「法人としてキッチンが間借りであるのはビジネスを進めるうえで色々な制約が出てきてしまうので、いずれ自社でキッチンを持とうとは考えていました。おかげ様で成果を出すことができたので、より広い場所に移転することにしました」と吉見氏は話す。デリバリー需要の高い高所得層の多いエリアを中心に探し、西麻布の17坪ほどのスケルトンの新築物件を契約した。「駅からも遠く、閑静な住宅街の中なので通常の飲食店は目を付けない場所でしょう。ですが、近隣には富裕層が多く、デリバリー需要は高い。ゴーストレストランであれば十分に成立するだろうと考えました」。


(ゴーストキッチンズの外観。閑静な住宅街にひっそりと佇む)

「あやしい」「顔が見えない」ゴーストレストランの悪いイメージを払拭する空間づくり

17坪弱の長方形の空間は、グレーを基調としたシンプルでスタイリッシュな雰囲気に統一。入口すぐに配達員に商品を受け渡すカウンターと、配達員が腰かけられる待機スペースを配置。カウンターの向こう側にはキッチンが広がるが、仕切りや壁は作らず、奥までキッチンの様子がよく見渡せるような造りになっている。

同店はデリバリー専門で、テイクアウトは行っているもののイートインはないため、このキッチンがお客の目に触れる機会はそう多くない。にもかかわらず、空間デザインにはしっかりと投資したという。「今後展開していくうえで、ここを当社のフラッグシップにしたかった。また、ゴーストレストランは従来の飲食店と違って実態が見えにくい。中には住所非公開にしているところすらもある。お客様に『ゴーストレストラン=あやしい』というイメージを持たれてしまうことは避けたい。ここはあえて厨房の奥まで見渡せるレイアウトにすることで、クローズドなゴーストレストランのイメージを払拭、業界全体のイメージ向上に貢献したいと考えました」。


(キッチンはグレーを基調にしたシンプルな空間。配達員の商品受け渡しカウンターの奥に厨房が広がり、様子がよく見える造り)

目標年商は1億円。店舗展開やパッケージ化も視野に拡大を図る

移転後、このキッチンで13業態が営業。ビーガンタコス料理、地中海式料理、フルーツスムージーなど新たな業態も加わっている。「6月にオープンしたばかりで、まさに今、売上を伸長している最中。ですが、この地域はデリバリー需要が高く、おおよそ狙い通りに行っています。以前の目黒区のキッチンと比べて、1回のオーダーの品数が多く、メインに加えてサイドメニューもよく出る傾向がありますね。以前と同じものを提供しているのにお客様からの評価も高くつくようになり、寛大な人が多いのかなという印象です」と吉見氏。「ここでの目標は年商1億円。それに合わせて、新たな業態を作ったり、オペレーションの改善を図ったりと、施策を打ち出していきます。当社では料理人やカメラマン、広報など様々なメンバーが集まり、得意分野を生かしながらスピード感を持って日々、試行錯誤しています」。

(移転とともに新しく開始したビーガンタコス料理業態の料理イメージ)

今後も波に乗って積極的な展開を考えているという。店舗展開も視野に入れ、年内に「ゴーストキッチンズ」をもう1店舗を出店したい意向だ。問い合わせも相次いでおり、パッケージ化も進行中。目下、大阪での出店が計画されている。

「ゴーストレストランは初期投資も少なく、始めやすいと思われがちですが、実際に軌道に乗せるのは難しい。成功させるためには、美味しい料理を作る、すばらしい接客をする、といった従来の飲食店スキルとは全くの別物の、マーケティング技術が必要となってくる。僕らが目指すのは、食のデジタルマーケティング企業。その入口としてゴーストレストランを運営しています。今後も、『日常食のアップデート。』というミッションのもと、ITを活用して人々の食生活を豊かにできるよう展開していきます」と吉見氏は意気込みを語った。

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