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コラム

「田町男祭り」が実現したいこと

JR田町駅からほど近い港区芝五丁目エリアで、8月5日、6日、8日の計3日間、同エリアの若手飲食店経営者5人衆によるイベント「田町男祭り」が進行中。いったい、その狙いとは何なのか?

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


「田町男祭り」に 集結した熱い男5人衆とは、ラ・ブレアダイニング代表取締役社長・高橋知憲氏、ダイヤモンドダイニング代表取締役社長・松村厚久氏、東京レストランツファ クトリー代表取締役・渡邉仁氏、APカンパニー代表取締役社長・米山久氏、ユナイテッド&コレクティブ代表取締役・坂井英也氏の5人。たまたま「慶応通り 振興会」商店街のある芝五丁目に店をもち、たまたま私の主宰する“サードG”の活動を支える幹事たちだ。そもそものきっかけは、この小さな商圏に5社7店 舗が集結していることから、団結して何かできないかというところから話が持ち上がった。そこで、8月8日に開催される「第22回 東京湾大華火祭」に合わ せ、8月8日を含む3日間をイベント開催時期に設定。田町に本社をもつAPカンパニーの米山さんがイベントリーダーに就任した。 5日に5人衆が法被姿で集まり、イベントの口開けとなる鏡割りを行ない、各店を練り歩き、来街者に振る舞い酒を提供した。鏡割りの挨拶で、リーダー の米山さんは「この田町から東京を、日本を元気にしたい。これを恒例行事にし、来年からは“駒八さん”にも声をかけ、10社、20社と参加店舗を増やして いきたい」と語った。現在の参加店舗は、ユナイテッド&コレクティブの「てけてけ」、APカンパニーの「じとっこ」と「塚田農場」、東京レストランツファ クトリーの「博多道場」、ダイヤモンドダイニングの「魚頭健蔵」、ラ・ブレアダイニングの「瀬戸内水軍」「二代目魚屋町」の7店舗。期間中は全店舗で夜の 営業時間に、生ビールを99円(何杯でも可能)で提供し、うちわ3000枚の配布する。ビールは赤字覚悟、仲間うちのイベントではなく、狙いはあくまで不 況風を吹く飛ばすような地域活性化の起爆剤になりたいということだ。普段は客を取り合うライバルだが、祭りの間は共同してこの街の常連客に還元し、また新 しい客を呼び込むきっかけになればいいのだ。 行政や商店会がトップダウンで行う街のイベントではなく、その街で商いをする企業、店が集まってボトムアップ型の活動を行う。こうした地域密着型、草の根型の活動の先例としては、新橋の 「新橋に飲みにいこ!」プロジェクト が ある。“新橋の飲食店を盛り上げる「お客とお店」のプロジェクト”で、こちらは新橋に事務所のある代表者の呼びかけで、新橋の飲食店を愛する常連さんたち が集まって広がったプロジェクトだ。立ち飲み屋を兼ねたアンテナショップまであり、ここで参加店の案内や情報提供なども行っている。代表者は「新橋の飲食 店は店と客、客と客同士がすぐに仲良くなれる人情が残っている。その人情のつながりを大事にしていきたい」というような趣旨のことを公式ホームページで述 べている。“街と店と客”の新しい絆づくり、それがいま求められているのではないか。それは“形のない横丁づくり”と言っていいかもしれない。

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