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コラム

いまなぜ「女性と酒場」なのか?

いまや飲食シーンに欠かせなくなった女性パワー。新橋や神田などオヤジの街"の酒場にも女性たちの姿が目立つようになった。飲食マーケットで今後、女性たちの存在はどんな意味をもつのだろうか。"

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


10月19日、女性向けマーケティング会社のトレンダーズが東証マザーズに上場した。2000年に経沢香保子氏が創業した同社は、女性向けに特化したマーケティングや販促事業を行う会社。株式市場でもその成長性が期待され、上場後の株価も堅調に推移している。駅ビル商業施設といえば、いま最も活気があるのが「ルミネ」。ルミネ系の飲食フロアは“オヤジ禁制”ともいえる女性特化型のコンセプトで成功している。街場の飲食店も、いまや「女子率の高い店」が繁盛店の代名詞となっている。ワイン酒場や日本酒ブームを牽引するのは明らかに女性たちだ。ファッションやコスメだけでなく、飲食のジャンルも確実に女性がマーケットをリードする時代がやってきたようだ。では、いまなぜ女性なのか。それは、飲食マーケットが大きな転換期を迎えていることだ。新業態がどんどん生まれ、マーケットの変化、進化のスピードが速くなってきた。そうした新しい潮流を素早くキャッチし、直感でいいものを嗅ぎ分ける能力は男性よりも女性のほうがはるかに優れている。変化への順応も速く、常に流れの先端にいようとする欲求が強い。男性は総じて保守的で、新しいものに対し、理詰めで納得してから動く。ニューオープンに敏感な女性に対し、男性は新しい店にはなかなか足を向けないのだ。「ユーザーエクスペリエンス(顧客体験価値)」の時代、勝っている飲食店は、常に新しい体験を顧客に提供しようと努力している。そういう新しい体験を貪欲に求めているのが女性なのである。女性の直感と欲望にフックをかけられる飲食店がこれから伸びるに違いない。私は、双葉社から12月7日に発売される「Bacchante(バッカンテ)」という飲食スタイル雑誌の編集長をつとめることになった。「バッカンテ」とは、バッカス(酒の神様)の女性名詞で“酒の女神”という意味。雑誌コンセプトは、女性のための“美酒美飲”スタイル誌。あえて「食」ではなく「飲(酒と酒場)」に焦点を合わせ、女性たちに最先端の飲食マーケット情報提供と“おしゃれでカッコいい外飲みスタイル”を提案したいと考えている。女性たちがファッションを着こなし、コスメを使いこなすように、飲食も着こなし、使いこなしにこだわって欲しい。「ごはん、行こう」から、女性どうしで「飲みに行こう!」といえる時代がきているような気がする。おしゃれにカッコよくバルや酒場をホッピング(ハシゴ)する“バッカンテ女子”たちを応援したい。それが飲食マーケットを活性化すると信じている。

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