ランキング10位までの店は以下の通り。1.「俺のフレンチ」(銀座、5/16、バリュークリエイト、代表取締役・坂本孝氏)2.「CUCINA BUONA ITALIANA KNOCK(クチーナ ボーナ イタリアーナ ノック)」(六本木、12/20、マザーレストランツ、代表取締役・横山剛氏)3.「Sky Restaurant 634(musashi)(スカイレストランムサシ)」(押上、5/22、東武ホテルマネジメント、代表取締役・酒見重範氏)4.「BeTTei finetable feat.HASHIN(ベッテイ ファインテーブル フューチャリング ハシン)」(恵比寿、1/5、ケーツーシステム、代表取締役・松島健二氏)5.「東京ブッチャーズ」(神田、1/27、エッジオブクリフ&コムレイド、代表取締役・針生真氏)6.「Les Fourchettes(レ・フルシェット)」(人形町、12/1、オーナーシェフ・伊藤高広氏、秋山利光氏)7.「LB6(エルビー シックス)」(六本木、6/11、グローバルダイニング、代表取締役・長谷川耕造氏)8.「角打ワイン 利三郎」(押上、4/23、遠藤商店、代表取締役・遠藤誠氏)9.「焼き貝 うぐいす」(鶯谷、10/3、海神、代表取締役・田中浩一氏)10.「ぶーみんVinum(ヴィノム)新川バル」(新川、3/1、シェアハピネス、代表取締役・白根智彦氏)トップを飾ったのは「俺のイタリアン」で業界の話題をさらったバリュークリエイトの6店舗目、新業態の「俺のフレンチ」銀座店。アクセス数は2位を大きく上回り、ぶっちぎりの1位を獲得した。5月のオープン以来、連日、開店の16時前には100名ほどの行列ができるほどの人気。その後、神楽坂、恵比寿と店を増やしている。高級食材をふんだんに使った一流シェフたちの料理を安価に提供。立ち飲みで回転率を上げることによって利益を確保する戦略だ。オーナーはブックオフ創業者の坂本孝氏。まさに“ハイクオリティカジュアル”の代表格として、外食業界に新風を吹き込んでいる。2位には、六本木でオープンから満席が続く大繁盛店「CUCINA BUONA ITALIANA KNOCK(クチーナ ボーナ イタリアーナ ノック)」が登場。イタリア・ピエモンテ料理を中心に、バローロやバルバレスコなどを安価に提供し、人気を博している。オーナーのマザーレストランツ・横山剛氏は「AW kitchen」を経営するeatwalkのナンバー2だった。4位の恵比寿「BeTTei finetable feat.HASHIN(ベッテイ ファインテーブル フューチャリング ハシン)」は正統派の和食で常連客を獲得してきた「恵比寿 くおん」の姉妹店。オーナーの松島健二氏は、青森のブランド鴨肉や鎌倉野菜などの食材にこだわり、正統派和食の軸を崩さず、値段は思い切ってカジュアルにした。5位以下も、“ハイカジ”コンセプトの店が並ぶ。大胆な肉料理を安価に提供する神田の「東京ブッチャーズ」、帝国ホテル出身の二人のシェフが腕をふるう人形町のカジュアルフレンチ「Les Fourchettes(レ・フルシェット)」、グローバルダイニングの久しぶりの新業態である六本木「LB6(エルビー シックス)」、さらにワイン界の重鎮、遠藤誠氏の押上「遠藤利三郎商店」の立ち飲み業態「角打ワイン 利三郎」など、やはり「高級イメージなのに、カジュアルでリーズナブルであること」がいまの飲食のトップトレンドであることを示している。この傾向はますます広がっていくのではないか。
コラム
2012.08.23
時代は「ハイクオリティカジュアル」!
2012年上半期(1月1日~6月30日掲載分、8月20日集計)、フードスタジアムに掲載されたヘッドライン記事のPVアクセスランキング上位20位が決定した。トップ20内にランクインした店に共通しているのはハイクオリティカジュアル"である点だ。"
佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、フードスタジアム 編集主幹。商業施設リーシング、飲食店出店サポートの株式会社カシェット代表取締役。著者に『イートグッド〜価値を売って儲けなさい〜』がある。